暗い空の告白

ルイ

第1話

貴方が、手を差し伸べてくれた手は暖かくて優しかった。

暗くて冷たい場所から貴方は救い出してくれた。

暗い部屋。

足先から暗闇に浸っていく感覚。冷たくて、何も考えずによくて心地よくて、苦しくて。

そんな時、貴方と出会った。

‥‥

昔から人と馴染めずに一人ぼっちで、笑い者の標的だった。

笑われて笑い返せばよかったのか。それもできず、暗い顔してたらもっと笑われて人の輪から外れた。

雑音がひどい。視界が黒く染まっていく。

そんな時、あの子と出会った。

あの子は夜遅くに学校で一人屋上の柵の上に座って空を見上げていた。

星空と同じ長い髪の色。彼女は何か鼻歌を歌いながら絶望的に空を見ていた。

「あ、やっほ〜。お客さんなんてめっずらしい〜」

こちらに気づくと彼女は柵から降りてこちらに、近づいてきた。

慌てて顔を俯かせると、顔を覗かれて後ろに数歩下がった。

「ご、ごめんなさい‥」

「えぇ、何それ〜、ちょっとショック」

彼女はクスクスとおかしそうに笑っていた。

やっぱり自分は笑われ者だ。そう思って、屋上を後にしようとすると、後ろから手を引かれる。

「待って」

その拍子に彼女の顔が間近に。見れば整った顔で、瞳は星空を感じさせる青色。

「‥天使」

気づけば、そう呟いていた。

そう、まるでこのくらい夜に舞い降りた星空の天使のように感じた。

手が暖かくて、美しいその容姿を天使を感じさせた。

「何それ」

そうして、彼女は再び笑った。

彼女の笑い声は雑音に感じず、視界が少し明るく感じた。

そう、それが星夜ルイ、天使との出会いだった。




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