第8話 早朝の事
「いいかレイ、親も働きに出るけらここにはあまり来ないと思うが、バレないようにしておけよ。ずっと隠れてろとは言わない。トイレも10時過ぎには行っても大丈夫だ。もし、強盗が来た時は逃げろ。強盗って言うのは悪い人だ。逃げていいから絶対に捕まっちゃたらダメだ」
「はい!」
「それから暇だと思う。この部屋のは自由にしてくれて構わない。ゲームしててもいいし、漫画を読んでいてもいい。もちろん寝ててもいい。」
「はい!」
「昼ご飯は適当に食べてもいい。冷凍食品があるからレンジで温めて食べていいぞ、もし食べてみて舌とかが変な感じがしたら食べるのをやめろ。アレルギーかもしれない。ちゃんと食べれるか調べまでから食べるんだぞ」
「はい!」
「俺は4時ぐらいに帰ってくる。それまでいい子にしてるんだぞ」
「はい!」
しっかりと約束をして家を出る。
大丈夫だろうか、心配だ……
もはやおにー様ではなく親のようだ。
***
「おはよー諸君。今日はいい天気だとは思わないか? 左眼のランギバルトも喜んでいるよ。」
悪魔を目に宿している設定だからだろうか、俺は一人で来た。諸君と言っているが、何が見えているのだろうか……
「おはよー」
「おはよう」
マコがニヤニヤしながらスルスルと近づいてく。
「で? どうしたの? 奴隷の子とは? 相手に抵抗権は無いもんね。そりゃ、盛大にしちゃった? はぁ〜良いな〜」
コイツは朝からこんな事を考えながら待っていたのか。馬鹿なんだろう。
「な、何の話だ? 我を置いて話すな!」
「な、何もしてーよ」
「意気地無し〜せっかく良い部屋着を選んであげたのに〜襲う時はちょっと強引に行かないと〜」
と、言い腕を掴まれ胸を押し当ててくる。段々と押され壁際まで追いやられ逃げ場がない。
「それで、こっからね……ッ」
少し荒技になるが、コイツを黙らせるのには効果は十分だ。
「っ、……うぅ、っあ……!」
甘い声を垂れ流しながら脚の力が抜けて段々と崩れ落ちていく。
「さ、流石我がライバル! この淫魔を何もせずに倒すなんて……!!」
「お前も倒そうと思えば倒せるだろ? 知ってるんだろ?」
「……き、貴様に出来ることは我にも出来る! 舐めるなよ」
段々とイキリ厨の顔が赤くなっていく。相当か事を考えているに違いない。
一発KOとはやるじゃないか。
「……は?」
「どうした?」
マコは依然として平気そうだ。
「何されたんだ?」
「ほっぺにキスされた」
いくら何でもキスだけでは堕ちないか。当たり前だろう。
「は~……あのね~襲うときはこうするの!」
勢いよく立ち上がり近づいていく。ビビりながら後ずさりして逃げようとするが腕を掴まれる。
「や、やめろ! わ、我は神だぞ!? そんなことしていいと思うのか……!」
「いい? ほっぺなんて触られてもあまり感触がないでしょ? まずは敏感な所からいじっていくのがセオリーなんだから」
スルスルと下に手が伸びて行く。
「うぅ……! さ、触るなぁ!!」
力ない声で抵抗するが効果は無い。普段は襲われているだけだが、襲うのも得意なのだろう。何せあの允の性欲の思想なのだから。
太ももを撫でる手が段々と上に上がっていき、スカートの中へ潜り込む。
「ちょっ……! わ、我は……」
「なんですか~? よく聞こえないですね~?」
言われてみれば基本的なのは同じなのか。允が雑魚=允の思想も雑魚ということか。
となるとレイとかも……クソが!! 何を感がえているんだ俺は!!
自分に一喝を入れる。妹に向けるものではない。邪念を振りほどく。
「意外と胸もしっかりしてるんですね~まぁ、私の方が大きいですけどね」
「……や、やめひぇ……っ!!」
「まだいけますよ~人来てないですし」
「いや、俺がいるのだが?」
「あなたはそこに居てください。見られていた方が興奮できると思います!」
それはお前だけだと思う。人に見られて興奮はあまりしないだろう。
そろそろ人も来始める頃だろう。こいつらと一緒にされたくないため少し離れる。
まだ人がいない静かな朝の教室に広がるやらしい声。
肩にかけているブレザーが落ち、よく見える体つき。
シャツの上から鷲掴みにされ、揉まれる胸。
口に手を入れられ閉められずに垂れていく唾液。
朝から何をしているんだ允の思想は……と、哀れんで見ている所に人の声が聞こえる。
マコは遊び終わったおもちゃの様にその場で手を放し、置いていく。
支えが無くなり。崩れ落ちる。
「私、神様倒したよ!」
「……雑魚神やん」
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