二人で危機を乗り越えて

あーしの名前はギャル子。

白ギャルで岩ちゃんの同級生。なんでか普段と違う世界に移動してて鬼ウケた♪

一人だったら不安だったかもしれないけど、岩ちゃん居るし大丈夫っしょ♪


「ギ、ギャル子さんさっきはすいませんでした。」


「いーって、いーって♪岩ちゃんがわざとじゃないのは知ってっし、それともわざとやった♪」


「そ、そんなわけないです‼」


慌てちゃって可愛い♪普段あんまり喋ったこと無かったけど、二人っきりになると色んな発見があってウケる♪


そんな風なことを言ってると、草むらからガサゴソなんか聞こえて来た。なんか小動物系の可愛いの出てきてくれると嬉しいんだけど。何が出るかな♪何が出るかな♪

あーしがそうやって期待してたのに、草むらから出てきたのは、何か緑色のちっちゃい目つき悪い奴。これって何て言うんだっけ?


「ゴ、ゴブリンだ‼」


そーそー、ゴブリンだ。RPGとかの割と序盤に出てくる奴。あーしはあんまやったことないけど、やっぱり岩ちゃんは詳しいわ。


「なんか慌ててるけど、ヤバいの?」


「は、はい、ゴブリンなんて、たいがい悪者なので、気を付けた方が良いかと。」


うーん、小さくてキモイけど、こんなちっさい奴にビビる必要無くない?でもまぁ、岩ちゃんがそう言うなら気を付けた方が良いかも。


「ギギッ」


「うわっ、鳴き声キモっ‼・・・ウケる♪」


“パシャ、パシャ”


「写真撮らないで‼ギャル子さん‼変に刺激与えない方が良いですよ‼」


「あっ、ごめーん。何か不味かった?テヘペロ♪」


私って異世界のことよく分かんない系だから、これからは岩ちゃんの言う事聞いた方が良さげだね。


「ギャアァァアアアアアアアア‼」


うるさっ‼

ゴブリンが突然雄たけびを上げ始めたんだけど、発情期か?発情期なんか?


「ま、不味い、逃げた方が良いです‼」


そう言って私の手を引っ張る岩ちゃん。意外と積極的なんだ♪

岩ちゃんに手を引かれながら、あーし達は森の中を走る。良かった、ヒール高めの靴だったら速攻でこけてたし。


「んで、何で走ってるん♪」


「た、多分なんですけど、ゴブリンの奴は仲間を呼んだのかと。」


「へぇ、そうなん?」


あーしがそう言うや否や、後ろからギャギャ‼ってうるさい鳴き声がめっちゃ聞こえてきて、振り返るとさっきのキモいゴブリンが沢山居て、あーし達を追いかけてんの。鬼ヤバいんだけど。


「あれ捕まるとどうなるん?」


「身ぐるみ剝がされたり、乱暴されたり、と、とにかく大変です‼」


顔を赤くする岩ちゃん。あーっエロいこともされちゃうってことね。察し。


「てか、もしかして、絶体絶命?」


「い、いや、ちょっと待ってて下さいね。ちょっと試してみたいことが。」


そう言って岩ちゃんが走りながら右手の平をゴブリンの方に向けると、何と岩ちゃんの手の平から火の玉が飛び出した。

飛び出した火の玉はゴブリンの一人に当たって、当たったゴブリンは真っ赤に燃えた。


「ギャッ、ギャアアアアア‼」


悲鳴を上げるゴブリン。ちょい可哀そうだけど、これもあーし達が生き残るためだもんね。


「てか、岩ちゃん。ヤバない?手のから火出せんの?」


「な、何となく出来そうな気がしたんですよね。」


「それでアイツ等を全員倒せばOKじゃね?」


「い、いやぁ、慣れて無いし、数が多すぎるんで無理かもです。でも一つだけ策を思いついたんで、やってみても良いですか?」


「オケマル♪」


すると岩ちゃんは、さっきの底なし沼の方に向かって走り始めた。

えっ?あっち行っても無理じゃね?

底なし沼に着くと、岩ちゃんは今度は手の平を沼にかざし始め。何をするのかと思ったら、今度は冷気みたいの出して沼を凍らせ始めたもんだから、あーしは思わず感動しちゃった。


「分かったよ♪これで沼を渡って逃げようってことね♪」


「半分正解ですね。後は上手くいくことを祈るのみ。行きましょう。」


岩ちゃんと私は凍った沼の上を走って渡りきると、やっぱりゴブリンの奴らが追って来て、同じ様に凍った沼を渡り始めた。

あれ?これって結局意味なし?

でも、岩ちゃんは何かを期待するかのような顔で、逃げながら沼の方を見つめているんだけど、一体何を考えてるし?

そして最後のゴブリンが沼に足を踏み入れた時、それは起こった。


“ピシッ、ピシシシッ”


急に凍った沼に亀裂が入り始め、そこから一気に。


“バリ――――ン‼”


凍った沼の表面が砕けて、ゴブリン達が一気に沈んで行くんだけど。


「ギャッ⁉ギャギャギャッ⁉」


ゴブリン達は何が起こったのか分からないまま、そのまま全員が沼に沈んで行って、森に静寂が戻った。

めでたしめでたしなんだけど♪


「沼の表面だけ凍らせたので、定員オーバーで上手いこと割れると良いなと思ってたんですけど、怖いぐらい上手くいきました。ふぅ、助かりましたね。」


ホッと胸をなでおろす岩ちゃん。ナイス―♪

私は思わず岩ちゃんの体にギュッと抱き着いた。


「あははは♪岩ちゃんあざまーす♪」


「ちょ、ギャル子さん‼当たってます‼当たってますって‼」


こうして、あーしと岩ちゃんの旅が始まったわけ♪









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