第3章67話:アイテムボックス

さて、通路を歩いて、隠し部屋のある場所へとたどりついた。


迷宮の通路の行き止まりである。


その行き止まりの壁には、赤い魔法陣が浮かんでいる。


ボスを倒す前にはなかった魔法陣だが……


ボス討伐後には、このように魔法陣が現れる。


ボス討伐者が、この魔法陣に触れると、魔法陣が解除されて、隠し部屋が現れる仕様だ。


「……」


俺は魔法陣に右手のひらを押し当てた。


次の瞬間。


魔法陣が砕け散るような演出とともに、壁が消える。


通路が現れて、部屋が出現した。


(ようやく、目当ての場所にたどりついたか)


俺は微笑みながら、部屋へと入る。


部屋の中央に台座があった。


台座のうえには丸い光のオーブが発光している。


その光に、俺は触れた。




◆◆◆

アイテムボックスEXを取得しました。


◆◆◆




と、情報が頭の中に流れ込んでくる。


さらに以下の情報も追加で流れてきた。





◆◆◆

【アイテムボックスEX】

最上級さいじょうきゅうのアイテムボックス。

容量無限ようりょうむげんであり、ボックスに収納したアイテムは時間が停止する。

生き物をアイテムボックスに入れることはできない。


アイテムを収納するときはアイテムボックスインと唱える。

アイテムを取り出すときはアイテムボックスアウトと唱える。


◆◆◆




容量無限。


時間停止。


そう、これが欲しかったのだ。


どんな素材でもアイテムでも、気兼ねなく収納できる……チートというべきアイテムボックス。


俺は満足げに微笑んだ。


さっそくアイテムバッグの中身を、アイテムボックスへと移していく。


アイテムを収納する際は、頭の中でアイテムボックスインと唱えるだけでよい。


口頭こうとうで唱える必要はない。


「……よし」


アイテムバッグの中身を全て、アイテムボックスへと移し終わった。


最後にアイテムバッグそのものも、アイテムボックスへと入れておく。


(帰るか)


もうコルデリオダンジョンに用はない。


俺はきびすを返した。


迷宮を通って、コルデリオダンジョンの出口へ向かう。


扉を開けて、外に出た。


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