第2章17話:聖女視点2
<聖女視点・続き>
聖女は
(アンリ……ユーデルハイト……あなたは、とんでもないことをしてくれましたね)
――――勇者となる存在には、精霊より
この時代に、その刻印を与えられたのがデレクであった。
ゆえにデレクは当代の勇者として認定されていたし。
実際、すさまじい
なのに。
そんなデレクが失われるなど……
勇者が殺されるなど……
あってはならない。
許されざる
(勇者殺しの罪……決して、許してはなりません。急いで女王陛下へ報告しなければ)
聖女は立ち上がる。
祭壇をあとにして、その足で王城へと向かった。
精霊から得られた情報を、聖女は女王に報告した。
結果。
勇者が本当に死んだのか……ということについては、調査と事実確認が必要という流れになった。
本来、勇者が死去したなどという報告は、
しかし、その報告をおこなったのが聖女となると話は別だ。
勇者の死去は、おそらく事実なのだろうというのが、貴族たちの
よって、後日。
ルドラール王国の
傭兵や冒険者にもアンリの
王国の騎士団も、アンリ
また、
アンリに対する国際的な
もちろんルドラール王国の者たちは皆……
アンリが、最強能力である【サイコキネシス】を使えるようになったことを知らない。
アンリが勇者を殺すことができたのも、何らかの
たとえば、デレクの飲み物に毒を盛ったとか。
たとえば、魔物との戦いで瀕死になっていたデレクに、背後からトドメを刺したとか。
……誰も、アンリにまともな実力があるとは思わず。
『アンリのような雑魚を殺すなんて、
と信じ、アンリ討伐へと乗り出すのだった。
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