天下取りの神器
国芳九十九
第壱話 蜻蛉
この世には特殊な能力を持つ、オーパーツが存在する。オーパーツには神器と呼ばれる強力な物がある。神器の中でも、集めることができれば天下を取れると云われる三つの神器が存在する。名刀「蜻蛉」、見たいものが見れると云われる水晶、「卑弥呼の水晶」、掲げれば不思議と士気が上がる戦旗「勝利の旗」この三つを集めた者は天下を取れると云われている。
これまでの歴史では、三つの神器は変わる事があったが、現在ではこの三つの神器が天下取りの神器と云われている。
私の名前は「上終 勇」《カミハテ イサム》元グランドマスター。ソルジャー第二号計画成功体。左腕は義手。現在は名刀「蜻蛉」を、数少ない自然あふれる山で守っている。
深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。時間は七時。八時までに食事と歯磨きと着替えを終わらせ、訓練と木こりをする。私が居るのだ。蜻蛉を奪いになど、死にに来るのと同義だ。
十一時。剣の訓練をしていると、登山道から足音が聞こえる。訓練を辞め、すぐに登山道を上り終えれば眼前に出て来る方に行った。立って待つと、登山道から装備を着込んだ人間が多数来た。
人間の一人が大声で云った「我々は龍宮カンパニーだ! 即刻名刀蜻蛉をこちらの渡せ! 貴様の素性はとっくに知っている! もう一度言う! 我々は龍宮カンパニ―だ! 即刻名刀蜻蛉をこちらに渡せ! 貴様の素性は知っている」
私「ほぉ! ならば私の素性を云ってみろ」
人間は何も云わずに、「撃てぇ!!」とだけ云って、私を銃弾を浴びせてきた。咄嗟に避けて物陰に隠れる。数秒ほどで銃撃は収まり、人間はまた云ってきた。「今の内に渡せば、怪我をせずに生きられるぞ!」と。
私は足音を出さずに、移動して、瓦屋根に上がり、上から奇襲を掛ける。蜻蛉で防弾チョッキを容易く穿ち、骨ごと切り伏せる。大体三十人ほど切ったところで、遠くから、小型ミサイルが多数私目掛けて飛んできた。直撃したのは一つだけだが、幾つかすぐそばに当たった為、吹き飛ばされ、私の道場は崩壊し、蜻蛉は手から離れてしまった。ヘリコプターの羽の音が聞こえる。視界が蜃気楼の様になり、よく見えないが、ヘリから数人降りてきた。三人だろうか。二人はアサルトライフを持ち、もう一人は恐らく白のスーツの人間だ。三人が少し歩いた所で意識が途切れた。
目が覚めた時には、雨が降っていた。土は泥になり体に張り付き、蜻蛉はどれだけ探しても見つからず、道場は少ししか残っていなかった。義手は上手く動かない。壊れたようだ。幸い、寝床と服と道具とオーパーツは無事であった。まさかまた、龍宮と関わることになるとは。家のベッドをひっくり返し、斧で床を叩き壊し、現われた階段を下りる。降りた先にある網膜認証で鋼鉄の扉を開け、中にあるスーツと黒色の革製のロングコートに着替え、オーパーツと金貨を持ち、外へ出る。ガソリンを持ち、布を被せられたバイクの布を取り、ガソリンを淹れ、エンジンを起動して、跨る。「ブゥゥゥン! ブゥゥゥン!」とエンジンから音が鳴る。フルフェイスヘルメットを被り、雨に打たれながら東京へと向かう。
第壱話 終
つづく
ゲーム風一口解説 名刀「蜻蛉」編
分類「妖刀」
刃文「箱乱刃」
鍔「春田鍔」
二尺七寸
発見された時代は不明。幾千もの人間を斬り、オーパーツおも斬り伏せてきた。
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