タイトルからして詩的でありながら、読み終えた後にはその言葉が決して抽象ではなかったことに気づかされる。海、そして森。それぞれが抱える“静けさ”と“ざわめき”が、本作の核となる感情と密接に結びついている。
ページをめくるごとに、潮の香りや草木の揺れる音、灯台の微かな明かりまでを感じることになる。
灯台の明かり、夕暮れに染まる水平線、林間をこぼれる木漏れ日……いずれもただの風景描写にとどまらず、登場人物の心象に緻密にリンクしている。筆致は抑制が効いており、だからこそ読者は“感情の地層”を静かに掘り下げることができる。
ページを開いてすぐに分かる通り密度の濃い作品です。