隣のケモ耳メイドは僕の守護天使でもある。

猫野 尻尾

第1話:守護天使。

一話完結です。(=^x^=)


僕んちの一般民家の隣に、なぜかメイドカフェがある。

普通は、店って街中にあるんだけど、なぜか街外れの僕んちの隣にあるんだ。

それはなぜかって言うと、隣のメイドカフェにいるメイドの「レイチェル」

は僕の守護天使だからだ。


レイチェルは変わった守護天使で、頭にケモ耳がついてるんだ。

獣の耳ってことね・・・たとえば猫みたいな。


一般的にはみんな守護天使がついてるだそうだけど、普通は守護天使は肉眼じゃ

見えないんだって。


最初はレイチェルも見えなかったんだ。

だけど彼女は地上に降りてから姿を消すべを忘れちゃったみたいで、だから

僕や僕の両親にも他の人にもレイチェルは普通に見えるんだ。

両親は最初は驚いてたけど、今は娘が出来たみたいって喜んでる。


彼女は僕がこの世に生を受けた時から地上に降りてきて僕を見守ってくれている。

だけど、朝から晩までべったり僕についてるわけにもいかないから

目の届くところでメイドカフェなんか営んでるんだよね。


だから僕は朝食と晩御飯はレイチェルのカフェで食べる。

レイチェルが僕のために地上に降りてきた時は、僕は生まれたばかりだったけど

今は僕とレイチェルはだいたい同年代。


レイチェルは見えてる状態で、僕のそばにいるから必然的に僕は可愛いレイチェルを好きになっちゃうよね。

レイチェルに聞いたんだけど、守護天使は守護者がこの世から亡くなるまで

ずっとそばについていてくれるんだそうだ。


だからレイチェルが天国へ帰ることは僕が死なないかぎりないんだ。

一生僕といてくれる・・・まさにレイチェルは僕の彼女にふさわしいって思うよね。

で、レイチェルも僕の気持ちには気づいてるみたいだし。

地上にいる限り、僕とそう言う関係でいることが一番ベストだと思ってるみたい。


僕は今、17歳・・・この年まで僕は何度か命の危険に見舞われてる。

ほとんどが怪我だけで終わってるけど、交通事故に見舞われた時は死んだと

思った。

でも気がつくと僕は命を落とす前にレイチェルに抱えられて空中に浮いていた。

もし、レイチェルが僕を抱え上げていなかったら、僕はトラックとトラックに

挟まれて死んじゃってた。


かんちゃん最近重くなってない?」ってレイチェルに言われた。


あ、言い忘れてたけど、僕の名前は「砂糖 甘太さとう かんた


「そりゃ少しづつ成長してるんだから重くもなるよ」


「そのうち私が甘ちゃんを抱えられなくなったら、持ち上げられなくて

トラック同士にサンドイッチにされて、あの世行きだからね」

「ダイエット進めるわ」

「甘ちゃんに死なれたら私の管理不行き届きになるんだからね」

「ましてや自分の恋人を死なせたなんて、上にばれたら、めっちゃ怒られるし

守護天使の免許剥奪されちゃうんだから」


「そうなったらカフェも畳まないといけないし、甘ちゃんも失うし・・・」

「踏んだり蹴ったりよね」


「そんなことにはならないよ・・・僕は死なないから」


「そんな呑気なこと言ってる人に限って、明日ぽっくり逝っちゃうの」

「あのさ、いっそ私と天国で暮らす?」

「それじゃ死んじゃう心配しなくていいでしょ?」


「天国で暮らすってそれって死ぬ心配するまえに、すでに死んじゃってるって

ことだよね」

「意味のないこと言ってるよレイチェル・・・」


「私は、かんちゃんと居られるならこの世界でも天国でもどこでもいい

んだけどね」


「僕がさ、もう少し大人になったら、ふたりでメイドカフェ営んで行こうよ」

「僕とレイチェルが離れずにいればいいだけのことじゃん」


「いっそ僕が死ななかったらいいのにね」


「バカだね甘ちゃんは・・・もし甘ちゃんが死なない体になったら私が守護天使で

ここにいる必要も意味もないんだよ」


「あ、そうか・・・それは困るな」


「まあ、もしそうなったら私が守護天使やめればいいだけの話だけど、ただの

メイドになればいいだけの話だけどね」

「・・・・それがいいかも」

「私がただのメイドになったら人間と同じだから、甘ちゃんと同じ寿命を全う

して仲良く死ねるかもね」


「本気で言ってるの、それ?」


「バーカ・・・冗談に決まってるでしょ・・・」

「私は甘ちゃんが寿命全うするまで、あなたを見守りながらここでメイドを続けて

行くの・・・」

「あのね、人も天使も自分の運命にしたがって生きて行くもんだよ」


おしまい。












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隣のケモ耳メイドは僕の守護天使でもある。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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