第107話 捨てられ王子、最愛の女性と再会?する






 目を覚まし、身体を起こす。


 俺が眠っていたのは、どこか懐かしさを感じさせる民家の一室。


 そこは前世の実家、その自室だった。


 何が起こっているのか分からず、俺は思考が停止してしまう。



「え、は!?」



 慌ててベッドから飛び出し、俺は自分の部屋を改めて何度も見回す。


 やはり間違いない。


 ここは十数年の月日を過ごした前世の実家、その自室だった。



「ど、どう、なってんだ? 俺はたしか冥界の下層に向かって……」



 そうだ。


 ローズマリーを生き返らせるために俺は冥界の最下層を目指していた。


 それがどうしてこの場所に?


 ダメだ、いまいち頭の中に靄がかかっていて思い出せそうにない。


 一人でしばらく悶々としていると、不意に誰かが部屋に入ってきた。

 その人物は俺が今一番会いたい人物であり、一度は会えなくなってしまった人物。



「む。起きていたのか、レイシェル」


「ローズ、マリー……?」


「私が私以外の者に見えるのか?」


「ローズマリーッ!!」



 その人物とは、ローズマリーだった。


 俺が見間違えるはずがない、本当に本当のローズマリーである。


 あまりにも嬉しくて俺は思わず抱きついた。



「ひゃっ♡ な、なんだ、レイシェル? 急に抱きついてきて……」


「こ、この柔らかさ、間違いなくローズマリーだ!!」



 相変わらずローズマリーのおっぱいは大きくて柔らかい。

 俺が思わぬ再会に感動していると、ローズマリーはどこか困った表情で笑った。



「朝からエッチなことはダメだぞ。早く朝食を食べろ。学校に遅刻してしまう」


「え? が、学校?」



 そこまで言われてから気付いた。


 ローズマリーはいつもの鎧ではなく、黒のセーラー服を着ている。


 めちゃくちゃ似合っててかわいい。


 ただ、長身のローズマリーにちょうどいいサイズがなかったのだろう。


 大きすぎるおっぱいのせいで胸部がパンパン、布が上の方に引っ張られておへそが丸出しになっている。


 スカートの丈も一般的には長い部類なのに、ローズマリーが履くと太ももが露出していた。


 そのムチムチな太ももを包み込む黒のニーハイソックスとガーターベルトが何とも素晴らしい光景だった。



「ロ、ローズマリー? その格好は?」


「む。学校の制服だが、どこか変か?」


「いや、大変お似合いです……」



 くっ、エッチすぎて愛刀が反応してしまう!!


 俺が股間を押さえていると、ローズマリーに気付かれてしまった。



「まったく、お前という奴は♡ 昨日あれだけ激しくシたというのにまだ足りないのか♡ 仕方ない奴め♡」


「え、あ、ローズマリー!?」


「手短に済ませるぞ♡ 早くしないと遅刻してしまうからな♡」


「!?」



 そう言ってローズマリーが俺の前で屈み、口を開けて下を出す。


 え、無理。我慢無理。


 俺は迷わず愛刀を取り出し、そのままローズマリーに気持ちよくしてもらった。


 一度や二度では満足できなかったので、結局そのまま二人でベッドイン。

 ローズマリーと濃厚なエッチができて大満足だった。


 しかし、時刻はすでに昼。


 完全に午前中をサボってしまい、ローズマリーは口では俺を叱りながらも頬を赤らめて満足そうにしていた。


 俺とローズマリーは二階の自分の部屋から階段を下り、一階のリビングに向かう。



「……懐かしいな……」


「どうしたんだ、レイシェル」


「あ、いや、何でもない」



 リビングも前世のままだった。


 キッチンやテーブル、テレビやソファーなどそのままである。



「私は先に学校へ行っているぞ」


「え? 一緒に行かないの?」


「ただでさえ遅刻だからな。……そ、そんな悲しそうな目をするな。私だってお前と一緒に行きたいが、今日は昼休みに委員会の会議があるのだ」


「……そっか」



 ローズマリーを見送り、俺はテーブルの上に置いてあった冷めた朝食をレンジでチンする。


 誰が作ったのか、とても美味しい。


 テーブルで黙々と食事していた、まさにその時だった。



「坊や」


「うおわ!? って、な、なんだ、アルカリオン、じゃなくてメイドリオン?」



 急に背後から声を掛けられて振り向く。


 そこにはメイド服を着た小さなアルカリオン、メイドリオンが立っていた。


 メイドリオンがずいっと迫ってくる。



「坊や」


「な、なに?」


「朝からローズマリーとエッチしていましたね?」


「あ、う、うん」


「学業を疎かにして淫行に耽るとは、健全な学生とは言えません」


「は、はい」



 何故か急に始まったお説教タイム。



「ですのでお仕置きです。坊やには今から私と沢山エッチしてもらいます」


「ええ!?」



 そして、何故か急に始まったお仕置きという名のご褒美タイム。

 俺はメイドリオンにその場で押し倒されて、夕方までエッチする羽目に。


 ローズマリーの時とは違って、俺から攻めるのではなくメイドリオンの方から攻めてくる。


 俺は抵抗できなかった。


 メイドリオンは単純に力が俺よりも強く、玉が空っぽになるまで搾り取られてしまったのだ。


 そうこうしてるうちに時間が流れ……。


 とっくに時刻は夕方、家の外ではカラスが鳴いていた。



「うわ!? もうこんな時間!? 学校サボっちゃった!!」


「ご安心を。私の方で出席名簿を改竄しておくので」


「なら安心――ってダメじゃない!?」


「問題ありません。私は坊やの通う学園の理事長ですので、生徒の記録を弄るなど朝飯前です」



 アルカリオン、理事長なのか……。



「では坊や、そろそろ第二ラウンドに――」


「レイシェル!!」



 と、ちょうどそのタイミングでローズマリーが帰ってきた。


 俺が学校をサボったことを怒っているのか、ローズマリーは明らかにご機嫌斜めといった様子でリビングに入ってきた。


 しかし、メイドリオンはローズマリーの機嫌など気にせず言う。



「おや、ローズマリー。ちょうどいいところに。今から坊やと朝までエッチするので、ご一緒にどうですか?」


「母上……。レイシェルを甘やかさないでください!!」


「母は徹夜仕事が続いて色々と溜まっているのです。ローズマリーだけ坊やとエッチしまくるのはずるいですよ」


「そ、それは……」



 この光景もどこか懐かしい。


 アルカリオンとローズマリーが俺を巡って喧嘩して、仲直りのハーレムエッチをする。

 今日もまたその流れを辿って、俺は朝までエッチした。


 ――こんな日がずっと続けばいいのに。


 そう思ってローズマリーとアルカリオンに密着されながら狭いベッドで眠りそうになり……。



「いや!! 冷静に考えてどゆこと!?」


「ど、どうしたのだ、レイシェル?」



 一日中エッチしてしまったが、俺は冷静にパニックに陥った。






―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「学校をサボってエッチしまくるとかいう一度は体験してみたかったシチュ。制服と長身美女のお腹の間に頭突っ込みたい」


レ「分かる」



「状況分からん……」「取り敢えずもげろ」「あとがきで笑った」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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