第18話  修司、桔梗と共に戦う!

「要するに、どっちがイイ女なのか? ハッキリさせたらいいんでしょう?」

「それでもいいけど、どうやってハッキリさせるの?」

「街頭インタビューでいいんじゃない? 私とあなた、一般人がどっちを選ぶか? どちらをキレイだと思うか? それでわかるでしょう?」

「つまらない勝負ね。まあ、私は構わないけど」

「え! 桔梗さん、マジでやるの?」

「ここで逃げるわけにはいかないでしょう?」

「いい度胸ね。私と美しさを競うなんて。じゃあ、人通りの多いところまで移動するわよ」



 人通りの多い商店街。


「桔梗さん、何もそこまでやる必要は無いと思うんだけど」

「ダメよ、修司さんは男性を連れて来て」

「……」


「すみません、アンケートなんですけど、この2人、どちらが美人ですか?」

「左」

「ありがとうございました」


「すみません、アンケートなんですけど、この2人、どちらが美人ですか?」

「左」

「ありがとうございました」


「10人に聞いたよ、桔梗さんを選んだのは8人、聖は2人だったよ」

「悪いわね、私が勝っちゃった」

「修司、10人じゃダメよ、あと10人」

「……」


「すみません、アンケートなんですけど、この2人、どちらが美人ですか?」

「左」

「ありがとうございました」


「すみません、アンケートなんですけど、この2人、どちらが美人ですか?」

「左」

「ありがとうございました」


「更に10人に聞いたよ。これで、桔梗さんが17人、聖は3人だよ」

「状況が悪化してるじゃないの、あと10人」

「いい加減にしてくれよ」

「あと10人、最後の10人」

「子供からお年寄りまで、年齢層も幅広く聞いてるんだけど」

「あと10人、これで終わりだから」

「……」


「すみません、アンケートなんですけど、この2人、どちらが美人ですか?」

「左」

「ありがとうございました」


「すみません、アンケートなんですけど、この2人、どちらが美人ですか?」

「左」

「ありがとうございました」


「これで30人。トータルで桔梗さんが27人、聖は3人」

「むむむ……私は人気AV女優なのに」

「聖、相手が悪いよ。桔梗さんには勝てないよ」

「何よ、修司! 意地悪ね。種をくれるだけでいいのに。私と抱き合えるのに、なんで断るのよ。私を妊娠させられるのよ、普通なら喜ぶところよ」

「僕は聖と違って、桔梗さん以外は抱かないよ。僕は浮気したくないから」

「何よ、あの時、“何があっても愛してる”って言ってたじゃない! 浮気をしても愛してよ!」

「いや、それは出来ない」

「何故? 何故なの?」

「わからないなら、もういい。聖、帰ってくれ。僕は桔梗さんしか見えない。君とは、勿論、結婚もしないし、種を与えることも出来ない。僕の子供は、桔梗さんに産んでもらうんだ」

「私は諦めないから」

「なんで? 僕と桔梗さんは結婚するんだよ」

「絶対に別れさせてやる」

「どうやって?」

「決まってるじゃない、私の魅力で別れさせる。寝技に持ち込めたら、私から離れられなくなるのよ」

「たった今、街頭インタビューで負けたじゃないか。君の魅力はその程度なんだよ」

「ふん!」


 ようやく、聖は去って行った。



「桔梗さん、ありがとうございました」

「いいのよ、言った通り、1つ貸しだからね」

「はい、わかっています。1つ借りが出来ました」

「でも、修司さんの婚約者の役だったから楽しかったわ」

「そうですか」

「修司さん、飲みに行きましょうか?」

「はい、この近くによく行く店があるんです。まあ、居酒屋ですけど。いいですか? それとも、もっとお洒落な店がいいですか?」

「お洒落な店は、また今度でいいわ、さあ、行きましょう」



「いやー! “桔梗さん以外は抱かないよ”って台詞に痺れたわ」

「そうですか?」

「それと、“僕の子供は、桔梗さんに産んでもらう”っていのも嬉しかった、感動して泣きそうだったわ」

「いやいや、それは」

「わかってるわよ、嘘でも嬉しかったの。本当に、そう言ってもらえるように頑張るわね」

「いえ、そこは頑張らなくても」

「いいのよ、私が勝手に修司さんと結婚したいって思ってるだけだから」

「ありがとうございます。お気持ちは嬉しいです」

「私、“私も真剣に好きになれる男性がなかなか現れなかった。でも、修司さんと出会えた。私は修司さんのおかげで満たされることが出来た”って言ったの、おぼえてるかしら?」

「うん、言ってましたね」

「あれは私の本心よ。なかなか好きになれる男性が現れなくて、修司さんと出逢ってようやく私は恋をすることが出来たの」

「え! そうなんですか?」

「だから修次さんのことを狙っているのよ。私、本当に修次さんの妻になるからね」

「そんな宣言をされても……」



「わ! 修司さん、やっぱりやつれて帰って来た!」

「弥生ちゃん、今日は寝るよ。つ、疲れた~!」

「聖さんはどうしたんですか?」

「うん、桔梗さんのおかげで帰ってくれた、とりあえず平穏な日常が戻って来るよ」

「そうなんですか? 良かったですね」

「詳しいことは、明日、話すよ」



 修司はベッドに潜り込んだ。







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