ゴブリン

まず初めにゴブリンというモンスターの観察記録を公開しようと思う。


このゴブリンというモンスター。

地球では気難しく悪さばかりする妖精や有効的だが気に入らないといたずらをする妖精として伝承で語られているらしい。


ジーダイスガムではそういった存在ではなかった。


はじめに結論を書いておくと、ゴブリンとは雑食であり、独自に言語を持ち、群生層と単生層の2つに分けられ、非常に異常な状態を持つ場所でなければあらゆる場所に適応ができる生物である。

という結論に私は至った。


では、ここからは詳しく書いていく。


はじめにゴブリンの見た目。

ゴブリンはライトノベルや漫画を読んだりゲームをよくプレイする人なら想像は容易にできると思う。

 緑色の肌に尖った耳と鼻。出来物が体中に有り中には膿んでいる物もある。目は大きく頭の三分の一を占めるが瞼が太く大きいため実際よりも小さく見えている。

口はほぼ人間と同じだが犬歯が発達している。全体的に痩せて見えるが実際は筋肉が非常に密となっていて、腹筋なども割れている。

 ゴブリンの討伐依頼を行っていた際に金属の刃が腹筋に止められたときはとても驚いた。


しかしそれらは基本的な種類である平原ゴブリンと呼ばれる種類だ。

ゴブリンには地域によって見た目や行動に大きく差が出るのだ。

 例えば雪原や高山地帯といった比較的涼しいもしくは寒い地域に住むゴブリンは、背が高く肌が青白い個体が多い。脂肪も多く太っている個体も多い。

 対して砂漠や熱帯雨林といった比較的温かいもしくは暑い地域に住むゴブリンは、背が低く肌が赤黒い個体が多い。脂肪は少なく筋肉質な個体も多い。


さて次にいこう。

ゴブリンの性格についてだ。

 ゴブリンは全体的に傲慢で強欲、自身の感情や欲求に素直な個体が多い。

 例えば、これはゴブリンが群れで狩猟を行っている所を観察していたときの出来事だ。

ゴブリン達はアイアンヘアボアと呼ばれる非常に毛が硬い猪豚を狩猟していた。


リーダー格の1体が少し離れたところで指示をして、1体がアイアンヘアボアを引き付け4体で植物のツタで作った縄を使い転ばせる。その群れには魔法が使える個体がいたので魔法を利用して硬い毛を処理する。

処理をした場所に3体で石の槍を突き刺し心臓を破壊することで狩猟を終えたのだが、狩り終えたアイアンヘアボアを住処に運ぶ所で争いがおきた。



はじめにリーダー格はアイアンヘアボアに近づき何かを喋った。 その時は残りのゴブリン達はまるで賞賛するかのように拍手などをしていた。


次に魔法使いのゴブリン。この個体が喋ると2体のゴブリンが不満があるような表情と声色で喋った。しかしリーダー格が何かを喋るとその2体も渋々納得した様な雰囲気で短く喋った。


次に運ぶ位置だ。ここで争いが起きた。

頭の方は牙があり脳がありととても重い。長距離で物を運ぶ際、重いものを持つのは嫌だろう。それはゴブリンも同じだ。自分は嫌だ自分も嫌だと言い争いが始まり最終的に殴り合いにまで発展したのだ。

しばらく殴り合いは続いたのだがリーダー格が大声で叫んだ後何かを語ると全員が納得したようにスムーズに住処へ運んでいった。


他にも雄ゴブリンが雄ゴブリンをレイプしたり、空腹だったのか木の皮や落ち葉を食べ始めたりと色々なことがあった。



次にゴブリンの食生活。

はじめに書いたようにゴブリンは雑食である。上でも書いたように木の皮や落ち葉を食べたり肉を食べたりする。

 しかしこれは地域によって差が出てくる。

例えば温熱ゴブリンの1種である砂漠ゴブリンは、サボテンを主食に砂ネズミやサソリを食べる。大型生物の狩猟の行うがそれは群生層であり戦闘が可能な個体が多い時に限られる。その為、単独で多く獲得できる、容易で小さい物を好む。

 対して寒冷ゴブリンの1種である雪山ゴブリンは罠を使い、大型から小型生物を狩猟する。例えばグランデベアと呼ばれる熊をナッツエクスプローラーと呼ばれるリス数匹を餌に植物の蔦で捕縛し、姫殺しと呼ばれる花の蜜に含まれる毒を使い殺す。

どうやら雪山ゴブリンには植物の毒に対する耐性があるらしく、何も解毒処理をせずに食べていることが多い。


稀にだが金属を食べることにより身体の一部を食べた金属と同様に変化する能力を持つ個体が現れていたので、ゴブリンは言葉通りの意味で雑食である可能性が高い。


次に群生層と単生層について。

 ゴブリンには群れで生きる個体と単独で生きる個体が存在する。

群れで生きる個体を群生層、単独で生きる個体を単生層と現地人は呼んでいた。

 まずは群生層について。

群生層のゴブリンは体の一部に群れの証である何かをつけている。例えば花を編み込んだ耳飾りだったり、骨に糸を通したネックレスだったりというものだ。

 ゴブリンには独自の言語が存在し、その言語は1単語が短く、冠詞はなく、名詞は雄雌、上位下位、エンペラーやホブなどの種類を表すもの、物を表すものなどがあり1個体を表すものは無い。これより詳しくはわからないのだが、少し目を通したモンスター言語学者の本によるとオノマトペも存在するらしい。

 住処は洞窟や洞穴広げたものが多く、稀に木の柵を使って領域を造り建築を行い住処を作る群れも存在する。

 群れには幾つかの段階があり、15体以下は集団、16体以上30体以下は群集、31体以上は国家、国家にゴブリンエンペラーと呼ばれる個体がいれば帝国と呼ばれる。

 ゴブリンには生息地域による種類の他に同一種類での能力や体格による差で種類を分けられている。

まずは普通のよく見る個体、ゴブリン。

 次にゴブリンよりも体躯が大きく筋肉が発達している、ホブ。約ゴブリン2体分の身長に約ゴブリン3体分の体重があればホブに認められることが多い。

 次に魔法を使える個体、魔法使い。魔法使いは木の枝に植物のツタを巻き付け、リスの頭骨をつけた飾りを付けている事が多いので分かり易い。

 次に神聖術が使える個体、神官。神官は十字架を持ち、布を身体に巻き付け肌の露出を少なくしていて、住処の入口に十字架を建てている個体が多い。これは人間の主教であるハルマナム教の教えに酷似していて、モンスター学者はなにか関連があるのではないかと多くの者が調べていた。

 次に主に狼や走り鳥に乗って狩猟を行う事が多い、ライダー。

 次に住処で育児と教育を行う、ティーチャー。

 次に戦闘や住処の指揮者をしている、リーダー。

 最後にリーダーがホブゴブリンよりも大きく植物や鉱石で作った王冠を被りマントを付け、巨大な武器を必ず一本所有した個体の、エンペラー。

このエンペラーは知能が人間並みにあり戦闘力に関しては1体で上位でも上澄みの冒険者や国の軍の大隊並みの戦闘力を持つ。


これらの種類のゴブリンは一部を除き、群生層でのみ発生する個体である。

その一部と言うのがホブとライダーだ。


単生層の殆どはホブであり、流れと呼ばれ傷だらけで凶悪な雰囲気を持つ。

 たまにライダーが存在し、ホブが一部の狭い地域内で移動しながら生活するのに対して、ライダーは広い地域を移動しながら生活している。

 稀にゴブリンの単生層がいるが、それは八分にされた個体か異常な特殊個体かのどちらかなので、万が一の為に複数人での戦闘と冒険者ギルドへの報告義務が存在する。


最後にゴブリンの繁殖について。

ゴブリンの繁殖は群生層のみが行い単生層は行わない。稀に単生層が慰み用に人間やエルフの雌を襲った時に孕ませることがあるが、そのまま放置して行ってしまう事がほとんどだが、しかし稀に特殊個体の単生層が他種族の雌を孕ませ、群生層となることがある。


以上が私が観察した内容である。

他にも特徴はあるだろうがそれはもう想像することしかできない。私は転移魔法は使えないのでね。


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