Crazy Daemons

べやまきまる

プロローグ 


 ─────美しいものを見た。


『チームGe見事討伐を決め切ったァーー!!』

 煌々と煌めく照明。

 熱狂に満ち溢れた歓声。

 手汗握る試合の終局点。

 

 ───まぶたに焼きついて離れない、トロフィーを手に勝利を分かち合う者たちの姿。


 感動のあまり抱き合ったり、泣いたりしていた。

 だが───その顔はそれぞれ、一切の迷いのないとても晴れやかな笑顔だった。

 たったそれだけだった。

 たったその姿を見ただけで。

 自分にまで鳥肌と熱が巡り回った。

 この気持ちの置き場を、俺は知らない。

 熱、挫折、感動、喜び───『普通』を享受する俺の人生とは別世界のようなドラマが、そこにはあった。

   「この舞台に俺も立ってみたい」


 自然とそう思うくらい、俺は当時熱狂していたんだ──────────。

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