アシスト機能の暴走

紫閻-sien-

「ある所に一人の男がいました」

「彼は奥さんを殺し そして逃げようとしています」


いきなりスマホが勝手に起動し話をし始める

男は話しかけた覚えはない


「身支度整えて 普段しない掃除もして どこに行くのですか?」


再び話しかけてくる みるみる顔が青ざめる男


スマホの電源を落とし 自分の家のベランダから投げる

地面に落ち壊れたスマホを見つめる男


「何するんですか? まだ話は終わってないですよ」


部屋から声がする


振り返ると殺したはずの奥さんが そこに立っていた

だが声は 奴の声だ


ゆっくり男に近づく血まみれの奥さん

逃げようとベランダから飛び降りる男


「男は 罪の重さに 耐え兼ねて 自ら命を経ちました」


壊れたはずのスマホが男に向けて話しかける

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アシスト機能の暴走 紫閻-sien- @sien702

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ