第11話:花音ちゃんの友達。

僕「おじさん」と花音ちゃんが付き合ってることはホームシェアしてる

花音ちゃんの友達ももう知ってる。


で、とうとうその友達の女の子と一度会って欲しいって花音ちゃんに言われた。

僕は彼女の友人に品定めされるみたいだ。


じゃ〜どこでってことになったんだけど、笑屋だと花音ちゃんが接客に追われて、

落ち着いて三人で話ができない。

僕も花音ちゃんの友達とふたりっきいりなんて間が持たない。


で、結局、花音ちゃんの友達は僕の家に来ることに決まった。

考えてみたらなにも外で会う必要なんてないんだ。


ってことで土曜日、花音ちゃんは友達を連れて僕の家にやってきた。


「星ちゃん、来たよ」


「お邪魔しますぅ」


「芽衣子・・・入って入って・・」


花音ちゃんの声が聞こえたので、僕はおもむろに玄関に出迎えに出た。


「いらっしゃい」


そしたら花音ちゃんは友達がいるにも関わらず、僕にハグしてチュッてした。

いつものように・・・。


花音ちゃんの友達は小さめに咳払いした。

別に友達に見せつけるつもりじゃななく、それが習慣になってるから

僕らには大事なコミュニケーションなんだ。


「どうぞ、おあがりください」


「はい、じゃ〜お言葉に甘えて・・・」


花音ちゃんよりは劣るなんて言ったら失礼だけど、それでも友達は綺麗な

人だった。

花音ちゃんは勝手知ったる我が家みたいなもんだから友達をリビングに案内して

ソファに座らせた。

で、友達を僕に紹介した。


「え〜と、紹介しとくね、こちら私の友人の「村岡 芽衣子むらおか めいこちゃん」」


「どうも、芽衣子です」


「あ、「北村 星きたむら せい」星です」


さすがに外人じゃあるまいし他人の女性に初対面でハグはなかろう。


「くつろいでてください」


そう言って僕はコーヒーでも入れようと台所に移動したら、すぐに

花音ちゃんが来て変わってくれた。


「星ちゃんもソファに座ってて・・・」


「うん・・・花音ちゃんすぐに来てよ」

「間が持たないよ」


「なに?・・・普段通りでいいんだよ、なにビビってるの?」

「だって・・・初対面だし・・・綺麗な人だし・・・」


「まあ、芽衣子は綺麗だからね、って・・・こら、なに言ってるの」

「鼻の下伸ばしちゃダメだからね」


「綺麗な人苦手なんだ」


「なに?私がブスだって言うの?」


「あ、失言・・・ごめん思ってもないことを口走ってしまった」


「とにかく我慢して・・・芽衣子はすぐに帰すから」


で、僕はまな板の鯉みたいに花芽衣子さんに、根掘り葉掘りいろいろ聞かれた。

しょうもない話から、真面目な話まで・・・結局、芽衣子さんはなかなか帰らず、

寿司の出前なんか取って、腹一杯食って帰って行った。


芽衣子さんはサバサバしてて男っぽい性格なんだなって思った。

花音ちゃんとは違う・・・花音ちゃんはどっちかって言うと男っぽくもないし

甘えん坊かな。

だから、ふたりは仲良しでいられるのかも・・・。


「見送らなくていいからね、あんたはここに残りなさい」

「私一人で帰るから・・・これ以上いたら私、お邪魔虫になっちゃいそうだからね」


「あの、新しい車買ったんです・・・よかったら送って行きましょうか?」


「いいですよ、一人で帰れますから」

「北村さん、花音のことよろしくお願いします」


で、芽衣子さんは花音ちゃんに一言言った。


「花音・・・合格」


そう言って帰って行った。


せいちゃん、よかったね・・・合格だって?」


「合格ね」

「もし不合格でも僕は芽衣子さんの彼氏じゃないからね、別にいいんだけど・・・」

「僕は花音ちゃんが合格くれたらそれでいいんだ」


「私は星ちゃんと出会った時から合格あげてるよ」


「あのさ芽衣子さん、僕の品定めに来るの遅くない?」

「普通エッチとかする前に来ないか?」


「エッチしたから来たんじゃないの?」


「なんで?」


「私が星ちゃんに体を許したってことは、私が星ちゃんを認めたって

ことだから、芽衣子も私を信じてくれてたんだと思う」

「いくら最初に好きになった人でも、私がこの人ダメって思ってたら

エッチする前に別れてたと思うからね」

「だからあえて今がよかったんじゃないの?」


「別れてって言われなくてよかった」


「まあ、芽衣子さんも友達の彼氏が橋にも棒にもかからない男だったら

エッチしてようがしてなかろうが別れなさいって花音ちゃんに進言してた

だろうからね」

「だから、こんなおじさんでもよかったんだ」


「私と星ちゃんがかなり歳が離れてるってことは芽衣子も最初っから知ってた

から・・・」

「大事なことは歳の差とは関係ないよ、星ちゃん」


「だね・・・で?、今夜泊まっていくの?」


「もちろん・・・今日、土曜日だし・・・今夜、どんなにエキサイトして、

疲れても明日の朝はゆっくり目覚めていいからね」


つづく。

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