第10話:一緒に住まない?
セックスのある暮らしが普通になって、花音ちゃんとも順風満帆な
日々が続いていた。
そして花音ちゃんは一ヶ月あまりでめでたく、エクスタシーを感じられる体に
なった。
おめでとう・・・精神的、肉体的に充実した素敵な女性になって・・・。
それは花音ちゃんにとってひとつの喜びだったはず。
これでようやく僕だけの一方通行のセックスじゃなくなるね。
お互い同じ喜びを感じ合える。
理想的だ。
今度こそ、高級ホテルに連れて行ってあげるから・・・ロマンチックな
夜をふたりっきりで過ごそう。
そんなこともあって、僕は花音ちゃんにひとつ提案した。
「ねえ、花音ちゃん・・・無理にとは言わないけど・・・」
「笑屋のバイト辞めて僕の仕事の手伝いしてもらえないかな?」
「バイト辞めてって?・・・同棲ってこと?」
「そのほうがロスが少なく済むし、なにかと便利だろ?」
「花音ちゃんが商品の発送を手伝ってくれたら効率上がるし・・・」
「それはいいんだけど・・・」
「今まで、笑屋の大将や女将さんにはお世話になってるからね・・・」
「辞め辛いか?・・・」
「ならいいよ・・・そろそろ一緒に住んでもいいかなって思っただけだから」
「無理にとは言わない」
「ん?怒ったの?」
「なんで?」
「ちょっとぶっきらぼうに言ったように聞こえたから」
「なんでよ・・・イヤなんだと思ったからいいよって言っただけだよ」
「・・・なんか、釈然としないな」
「いちいち僕の言い方を気にすることないんだよ」
「いいよ、もうこの話は止めよう」
「なにかモノが喉につかえたみたいな感じ・・・」
「なに?僕の言い方が悪かったの?・・・気にしすぎだって・・・」
「あ、分かった・・・女の子の日だろ?」
「だから、そんなことでナーバスになってんだ」
「違う〜・・・近いけど」
「え?じゃ〜エッチしとかないと・・・生理が始まったら一週間お預けに
なっちゃうだろ?」
「うそ!!生理になってもしたがるくせに・・・」
「そんなに我慢できない?」
「心理的な問題・・・できないってなると余計したくなるの」
「って言うかさ・・・話がずれてるよ」
「
「まあ、とにかく僕の言い方が気に障ったのなら謝るよ」
「ごめんね」
「なんかぁ・・・私が謝らせたみたいでいい気しない」
「なんだよ・・・素直に謝っただろ?」
「いちいち人の言ったこと気にしてたらキリがないよ」
「もういいから、おいで・・・仲直りしよう」
花音ちゃんはすぐに僕の横に座った。
「ほら、チューして」
「あのね、笑屋辞めるって話・・・もう少し考えさせて?」
「その話はもういいから・・・」
「ほんとは星ちゃんの希望も叶えてあげたいって思ってるんだよ」
「だからぁ・・・もういいから」
「だって・・・」
「しつこい!!」
「確かめてないだけで、まじで生理になってんじゃないのか?」
「トイレに行って確かめて来れば?」
「大丈夫だよ・・・来たら分かるから」
「なんなら僕が確かめてやろうか?」
「いいよ・・・ただ見たいだけでしょ」
「分かってるんだよ・・・そんなこと言って、なし崩しにエッチしちゃう
気なんだよね」
「よく分かるね」
「スケベな星ちゃんの考えることなんか全部分かっちゃうの」
「ダメ?・・・」
「そろそろ帰んなくちゃ」
「え〜だからさ、一緒に住もうって言ってんだよ」
「あ〜それが本心なんだ?」
「一緒に住もうって言ったの、お仕事のお手伝いのためじゃなかったの?」
「そうだよ・・・あくまでビジネスの話だからね」
「笑屋より高給出すから・・・」
「ほんと?・・・じゃ〜考えてみようかな」
「高給って聞いて考えを変えるのはどうなのかな〜花音ちゃん?」
「なに?来て欲しいんでしょ」
「あ、はい、そうでした・・・僕が悪うございました」
なんだよ・・・結局、僕が謝るんだ。
主導権握れるのはエッチしてる時だけか・・・。
つづく。
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