第6話  舞子、宮中生活!

「サヤカ、私は決めたの」

「何を決めたんですか?」

「今まで、元が平民だから恐縮していたけど、今の生活を楽しむことにしたのよ」

「いいことだと思います」

「サヤカ、これからもよろしくね」

「はい。あの……どうして、私などを友人に選んでくださったんですか?」

「私は、人の心がわかるの。あなたが善人ということは最初に会った時からわかっているのよ」

「そうなんですか?」

「そう、これは私の能力、テレパシーみたいなものよ」

「そんな能力があったんですね」

「あなたは素敵な女性よ、とても性格がいいわ」

「ありがとうございます」

「もっとラフでいいわよ、それに私はかわいい妹が欲しかったの」

「妹ですか?」

「そう、あなたのような素直でかわいい妹!」

「ありがとうございます」

「サヤカは何歳なの?」

「19歳です。もうすぐ20歳です」

「後で、誕生日を教えてね」

「あ、はい」

「チャールズ様と一緒にいられない時は、サヤカと2人ね。サヤカといると楽しいわ。元の世界は嫌だったけど」

「元いた世界は嫌だったんですか?」

「嫉み、敵意、悪意、人間の嫌な部分を沢山見てきたわ」

「この世界はどうですか?」

「みんな良い人ばかり」

「そうなんですか?」

「チャールズ様も国王陛下も王妃様も、みんな良い人!」

「そうなんですね。良かったです」

「あ、そろそろチャールズ様とランチね。行きましょうか?」

「はい、舞子様」

「様はやめてね」

「はい、舞子さん」



「え! 舞子さんって剣術の心得もあるの?」

「はい、剣道と薙刀を少々」

「薙刀?」

「東洋の島国の武器なのですが」

「興味深いね、スグに武器商人かた取り寄せるよ」



「舞子さん、薙刀と剣の用意が出来たよ」

「ありがとうございます。あ、剣は細身の長剣なんですね」

「これでいいかな?」

「はい。ありがとうございます。少しでもチャールズ様をお守りしたいんです」

「僕が舞子さんを守りたいんだけど。あ、そうだ、手合わせしてもらえないかな?」

「ええ、構いませんよ」

「じゃあ、防具を着けて、練習場へ行こう」

「はい、ついていきます」


「じゃあ、構えようか」

「はい」

「サヤカ、“はじめ!”の合図だけ頼むよ」

「はい、では、“はじめ!”」


 結論から言おう。剣対剣。2人の腕はほぼ互角だった。正確に言うと、少しだけ舞子の方が強かった。だが、チャールズの顔を立てるため、舞子はまた少し手を抜いた。チャールズには、手を抜いたことはバレていないようだった。


「舞子さん、強いね!」

「いえいえ、ですが、ほぼ互角でしたね」

「そうだね、舞子さんは頼もしいよ」

「これで、チャールズ様が戦場に行かれる時は、私もご一緒出来ますね」

「え! どうして?」

「だって、チャールズ様と互角なんですから、私もチャールズ様と一緒に行きます」

「うーん、あ、薙刀の腕前も見たいな。いいかな?」

「はい!」


「いやぁ、やられた、やられた」

「すみません。薙刀の方が得意なんです」

「そうだね、戦場は危ないから一緒に行くのは気が進まないけど、一緒に行ってもいいかもしれないね」

「私専属の親衛隊、薙刀部隊を作りたいです。最初は200騎くらいで」

「舞子さんが自分の親衛隊を作るのには大賛成だよ。募集の手続きについては、僕から軍司令部に伝達するから」

「はい、お願いします」



「そうそう、明日の晩は婚約パーティーだよ!」







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