第2話 お風呂で楽しもう

 下校中。私はちょうちょぐらいの大きさで、可愛らしい妖精のアリサと出会った。


にわかには信じられない話だけど、魔法で姿を変えたり対象になった私の大きさを変えられる以上、信じるほかない。


そんな彼女が、私の家に居候する事になる。お父さんとお母さんにバレると面倒なので、魔法でうまくごまかすように約束した。



 夕食の時間になり、私はお父さん・お母さんと一緒に食べているところだ。アリサは魔法で姿を隠しながら、私の肩の上に止まっている。


妖精も食事できるみたいだけど、今は2人きりじゃないからできない。そのため、で私のエネルギー? を吸って補うらしい。でも、具体的な方法は教えてくれなかった…。


「あっ…」

慣れない感触に、つい声が出ちゃった。


「どうしたの? 百合ゆり?」


「何でもないよ、お母さん」


さっきから、アリサが私の耳を舐めたり甘噛みしてくる。こんなので本当にエネルギーを吸収できるの? ただ遊んでるだけじゃ?


私は何とか我慢して、夕食を食べ続ける。



 夕食後、私はすぐお風呂に入る。当然ながらアリサも付いてきた。


浴槽はアリサには大きすぎるので、洗面器にお湯を入れた“ミニお風呂”でフォローする。


「アリサ、さっきのは何なの?」


浴室なら、話し声がしても聴こえないよね。


「百合の体に直接触れれば何でも良かったの。でもそれだけじゃつまらないでしょ? だから気持ち良くしてあげたんだよ♡」


「…確かに気持ち良かったけど、お父さんとお母さんは私がレズなのを知らないの。だからやるなら2人きりにして!」


「え~」

駄々をこねるアリサ。


「アリサは魔法で何とかできるから、そんな事言えるんだよ。バレる私の事を考えて!」


「確かにそうだね。ごめんなさい…」


しょんぼりされると罪悪感が…。外見だけじゃなくて性格も子供だ。


「怒らせちゃったお詫びに、百合を気持ち良くするよ♡」


アリサはそう言ってから、魔法で体を大きくした。…初めて会った時に見た、小2ぐらいの幼児体型になる。


「よいしょ」


私が入っている浴槽に入った彼女は、私の足の上に乗って向かう合う。今のアリサの体は小さいから、2人同時に入る事ができる。


「ママ~。ミルクちょうだい♡」

彼女は無邪気に私の胸を吸い始める。


「…まだ、ミルク…は出ない…よ♡」


「あたしを赤ちゃんだと思えばイケるって」


いくら何でも無理…。と言いたかったけど、気持ち良すぎてそれどころじゃなかった。



 アリサとHした後、素早く洗ってお風呂を出た。彼女の姿は元のサイズに戻り、私の肩の上で待機中だ。


「百合、いつもよりお風呂長かったけど大丈夫だった?」


キッチンでお風呂上がりの水分補給をしている時に、お母さんに声をかけられた。


「大丈夫だよ、ちょっと考え事してただけ」


「そう。のぼせないように注意しなさいよ」


「わかってる。心配してくれてありがとう」


水分補給を済ませたので、私は自室に戻る。



 自室に戻った後は、すぐ部屋を暗くしてベッドに寝っ転がる。今日はアリサに会って色々あったから疲れたな~。


「ねぇ百合。明日の学校、あたしも付いて行っていい?」

枕のそばにいるアリサが訊いてきた。


「もちろん。ちゃんとバレないようにしてよね」


「わかってるよ。百合は心配性だな~」


まだまだアリサについて訊きたい事はあるのに、睡魔には勝てないなぁ…。


「アリサ、私もうダメ…」


「そっか。お休み、百合」


彼女の返事を聴いた後、すぐ夢の世界に誘われる…。

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