第3話 幸せですか?

真島さんからの返信がいつにも増して冷たいです。

まぁいつもの事っちゃいつもの事ではあるけども、いつにも増して。

返信くるだけマシな方か。

もう二回セックスしちゃったんだから、素っ気ない返事ばっかじゃなくてもっとなんかあるでしょ。

この人ほんと今までどんな恋愛してきたんだろ。

人のこと好きになって、連絡が待ち遠しかったりしたことあんのかな。

奥さんとも恋愛結婚っぽくないしな。

そういやいつか真島さんが言ってたな。


「一番好きな人と結婚するより、二番目に好きな人と結婚する方がいいっていうけど、結婚する時その人が一番か二番かなんて分からないよな。俺なんて年齢的にそろそろ結婚しなきゃなぁと思って結婚したようなもんだし」


って。


「じゃあ一番目でも二番目でもない女と結婚してちょうどよかったんじゃないですか?」


とでも、言ってやれば良かった。

でも、子供が出来た後もしばらくはセックスしてたみたいだしな。

って、あーもう。

だから奥さんに嫉妬なんて不毛だっての。


「それって幸せなんですか?」


って聞いたら、


「君の言う幸せってなに?」


って質問を返された。

私、真島さんのこういう会話の仕方がすごく嫌い。

人を試すような、面接受けてるような、私の答えによっては鼻で笑ってまた馬鹿にされるような、こういう会話、好きじゃない。


しかし奥さんもよくやるよな、こんな男と日々ひとつ屋根の下で生活して。

なんで結婚したんだろ。

不憫だなぁと思いつつも、真島さんの奥さん嫌いだしどうでもよくなった。


「今度いつ会えますか?」


「毎日会ってるだろ」


「そうじゃなくて、また二人で」


「また連絡する」


もうこれ以降の連絡は不要ですと言われているような返事。

またっていつだよ。

いつ頃にって言ってくれたらそれまで大人しく待つよ。

ハチ公と張り合えるくらい健気けなげに待てるよ。

不安だから真島さんの『また』を信用できなくて焦るんだろうな。

東堂さんに同じ返事されても


「またっていつですか?」


って思わないもんな。

東堂さんのこと男として好きじゃないからかな。


真島さんとの二回目のセックスの時に枕元に携帯を置いて、こっそり録音しておいたものをオカズにオナニーをした。

なんでって?私の寂しいが怒ったから。

あ、録音の方?記念かな、まぁほぼ私の喘ぎ声しか聞こえないんだけどね。

もっと喘がせてみたいなぁ。

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