エピローグ
時は流れ、みかげはドラゴンフルーツに関する知識と経験を積み重ね、地域社会で認められる存在となっていた。彼女の開いたワークショップは、地元のイベントとして定着し、毎回新しい顔ぶれが参加するようになっていた。
彼女自身も成長し、小さな農園を開始する夢を実現させた。その農園では、ドラゴンフルーツだけでなく、他のトロピカルフルーツも栽培され、地域の新鮮な果物の供給源となっていた。みかげは、農園を訪れる子どもたちに向けた教育プログラムも手掛け、次世代に農業の楽しさと大切さを教える役割も担っていた。
ある日、彼女は農園を訪れた一人の少女と話す機会に恵まれた。その少女は、みかげがかつての自分と同じように、ドラゴンフルーツの鮮やかな色と不思議な形に魅了されたと話した。みかげは少女の目に宿る好奇心を見て、自分の過去を思い出した。
「ドラゴンフルーツはね、ただの果物じゃないの。それは冒険への招待状なのよ」とみかげは微笑みながら語った。「君もこの果物が教えてくれる世界を、存分に探検してみてね。」
エピローグの夕暮れ時、みかげは農園を一望できる小高い丘に立ち、遠くに広がる果実たちの海を眺めた。彼女の情熱が始まった一つのドラゴンフルーツから、今では多くの人々がその恩恵を受けるまでになった。彼女の冒険が多くの心に種をまき、新たな物語を育てていくことを感じながら、みかげは静かに未来への希望を抱いた。この果実が繋ぐ未来は、彼女が思い描いた以上のものになるかもしれない。
MY DRAGON FRUIT 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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