異形の生き物に会った夢

2024.6.3


 ちょっと不思議な夢を見た。


 夢の中で、私はそれと遭遇した。

 場所は……確かキッチンだったろうと思う。ステンレス製の、やけに大きすぎる調理台の上。

 茶色い、つやつやもふもふ。遠目だとチャバネゴキブリに見え、私はびびった(ゴキブリはもふもふしてないという事実は、私の頭からすっかり抜け落ちている)。


 即座に行動。蛇口にホースを繋ぎ、例のつやもふに水をぶっかける。

 つやもふは水を受けたが、体が濡れるのみで動きに変化はない。

 

 調理台の上に置いていた、鶏の手羽先の甘辛炒めが狙われてしまった。つやもふが近付いていく。

 私は、甘辛炒めを盗まれる前に、再び水を発射。見事、つやもふの背中に直撃。しかし、まだ死んでない。


 虫は、特にゴキブリは、体を清潔に保つため、自身から分泌する油を体に塗る。そのために撥水性のコーティングで体を覆った状態となり、呼吸器官である気門には水が入らない。

 そのことを知っていた私は、油をはがすことを考えた。調理台に大量の洗剤をまく。つやもふが洗剤まみれになったところに水をかけて、窒息させようとした。


 つやもふがこちらを向いた。


 つやもふはゴキブリではなく、小さなジャッカロープ(角が生えた兎の幻獣)だった。

 

 ジャッカロープは洗剤をふんふん嗅ぎ、ペロリと舐める。そして、その味にびっくりして嘔吐した(本来兎は、体の構造上嘔吐できないらしいが、この時は嘔吐した)。

 もう一度なめ、嘔吐。

 更にもう一度やろうとしたところで、私はそれを止めた。


 よく見れば可愛いな、飼おうかなと考えながら、ジャッカロープを摘み上げた。


 そこで目が覚めた。

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