第2話 中学生になって

中学生2年生になった、俺とシロは順調にすくすく成長した。

シロは俺が想像した通り、美少女に成長した(ドストライクここ重要)


ちなみにシロは中学に上がってそうそうマギアの入隊試験を受け、ぶっちぎり一位通過の成績を叩き出した。現在は見習いベノムマギアとして活躍中である。


ベノムとの適合率80%という過去最高値に匹敵する数値を出したため、シロの周りはいつも騒がしい。


男子にも女子にもモテモテである。


この世界にいる男子にすらモテるカリスマ性と強さがそこにあるのだろう。

この前だって学校で俺よりイケメンな男子に告白を受けていた、嫉妬はしたが別に恋愛は自由である。


ただ中学になるまで生活していて思ったことが一つ…


この世界はクソである


なんで毎週のごとくベノムが襲撃してくるのだろう?あの街の外壁はなんなんだ?意味ないだろ!簡単に乗り越えて襲ってくるベノムに毎週イライラしている。


しかもベノムどもは執念に俺を狙ってくる、一度シロが狙われているのかと疑って距離をとった事があったが、危うく死にかけた。


その時のシロの表情は凄かった。いつも全く変わらない顔が焦ったような怒った表情になって、この数年間手すら握られなかったのに俺の胸ぐらを掴んで怒鳴ったのだ。


そう、俺はこの数年間全くシロに触れていない。べつに接触チャンスが無いわけじゃないし?ただ俺が、童貞を拗らせた思春期チキンなだけなんだよ!((((早口))))



性欲は有り余りほどある、ただ俺がチキンなのだ。そのくせ着替えなどは平然と目の前で始めるし、向かいの家に引っ越してくるし、毎朝起こしに行くと、とても無防備に寝ていたりするので俺の情緒は荒らされ放題である。


シロは優秀なマギアらしく、しょっちゅう任務に駆り出されていて忙しい。


それと討伐に出向いたあとの日は割と休みがちになった。本人は副作用で体がだるいから休んでいるらしいが、そんなに辛いものなのかと毎回心配になる。


今日もシロを起こしに俺は家を出た。

といっても歩いて数歩だが…


いつものようにチャイムを鳴らすべくドアホンに手をかけかけたところで、違和感に気づいた。

鍵がかかっていないようだ、シロの親が帰ってきたのかと思ったが、すぐに違うと判断した。シロの両親はお偉いさんらしく家に帰ってくることが少ない。そのため基本はシロ一人で生活しているわけで、鍵の戸締りはきちんとする子だ。両親が帰ったら帰ったで騒がしくなっているはずである。


「シロ?起きてるか~?学校だぞ!てか家に居る?」


返事はない


仕方がないので靴を脱いで階段を上がる。

階段を上がってすぐ右側の部屋がシロの部屋だ、扉には[シロの部屋]と可愛らしい看板がかかっている。


俺はまた寝坊かと思いながら、シロの部屋のドアに手をかけようとした。


が、開いている


換気をしばらくしていないのだろう。隙間風が俺の肌を煽り、ムワッとした湿気の匂いが鼻をくすぐった。臭くはないがなんと言うか、…蒸し暑さが少々癪に障る。


意を決して一歩踏み込むと、脱ぎ散らかされたマギアのスーツ【ボルト二式】と全裸で爆睡しているシロの姿があった。


「何してんだコイツ」


真っ先に出た感想はソレだった。

普段は整頓された部屋も、今はスーツやらブラやら、カバンから筆記用具やらが散らかっている。さらには何かの薬と思われる袋も辺りに散らかっていた。


この薬は副作用とやらを抑えるものらしく、かなり強力なようだ。

説明書が袋に入っていたからわかったことであるが、服用数は一日2錠まで。

しかし明らかに二錠以上の数が昨日使用されているようだ。その証拠にカプセルの袋が6錠だけ乱雑に投げ捨てられ、床に散らばっている。


困惑する俺をよそに、丁度シロが目を覚ましたのかモゾモゾと起き上がった。


「ん…おはよ」


平然と全裸で朝の挨拶をかますシロは、俺に見られているにも関わらず眉ひとつ動かさない。


ちょうど胸は髪ブラによって先端は見えないが、下半身の大事な部分はモロ出しである。髪ブラに貧乳は非常にえっちでいいと思う、存分に見せて欲しい。ただ下半身は隠してくれると俺は助かります。


もう視線が下に吸われてしまうのだ、綺麗なスジまゲフンゲフン綺麗な肌に俺は負けてしまいそうだ。


「服ちゃんときなきゃダメでしょ」

「仕方ない、これは副作用、どうにもならない仕様」

「副作用って…、何でもかんでも副作用のせいにするのは辞めなさい。てか無理してないか?」

「…バレた。でも無理してるのは事実、カウンセラーに行かない私が悪い」

「ちゃんといけよ…」

「ヤダ、私は裏切りが嫌い」

「…?」


とりあえず服を着せ、今日も元気に二人で登校した。

俺達が通う学校は電車で三駅離れた中高一貫の学校であり、マンモス校だ。


電車内はぎゅうぎゅうという言葉が生ぬるいほど人でごった返しになっており、そのほとんどが女性なので俺は毎度理性と戦う羽目になる。


男性専用車両とかあるらしいが面倒だし、シロが拗ねるので乗らない。三駅のがまんだ、しかしもう少しシロが早く起きてくれればこんな満員電車に乗らなくてすむんだがな…


電車内ではシロが俺をドアと挟むようにして陣取っている。

俺の常識だと構図が逆だったので少し恥ずかしいが、シロの目がガチなので大人しくしておくに限る。


表情筋がピクリとも動いていないのがまた恐ろしい、だって何考えてるかわからないからな。


さて、制服には夏服と冬服があるのはみなご存知だろう。いまは夏、ベノムの研究や対策により科学力だけは無駄に上がり、元の世界ほど暑くはない。いつだって人類を進歩させるのは強敵であり障害だ。


俺の目の前にも壁はそり立っている、随分とまぁ柔らかそうな小さな丘も……


話を戻そう。


当然ながら季節に合わせて服装が変わるのは必然、夏なのだから薄着になるのは当然と言えよう。


ではここが貞操概念が逆転し、男が少ないと言う小説でよくありがちな世界であるなら、女子の服装も変わってくるのではないだろうか。


長々と話してすまない


つまり何が言いたいのかというと、この世界の女子はワイシャツ姿で平然と過ごしている。下にスケ防止の物などきているわけもなく、下着が透け放題の薄めのワイシャツを着ているのだ。逆に男子は学ラン制服姿は当たり前、暑さは謎のテクノロジーでそれほどまだではないが暑いのは変わりない。


男子は肌や下着が透けぬよう生地が多少厚くなって、さらに何かしらの工夫として下着の上に見せるようの下着を着たりする。

見せパン、見せブラ的なやつ?かと思われる。

俺は当然めんどくさいので着てないが…


男の事情なんて聞きたくないよな

女子の方は性的視線の配慮なんぞ考えられていないので、通気性抜群の薄生地であることをここに記しておこう。


もう誘ってんだろ‼︎

目の前に広がる理想郷(スケブラ)に俺は毎日精神を削られている。(ここで神を子と見間違えた奴挙手)


(今日は黒なんだ…えっちすぎる)


毎日こんなキモイことを考えるレベルで俺は精神を参っていた。


別にこの世界の男が女子の胸を触るのは、男子の胸を女子が興味本位で触るのと同レベルであって?


全くの赤の他人ならともかく俺とシロの仲らな腹筋割れてるね〜とかと同等におっぱい形いいね〜みたいな感じで触れると思うんだよね。(童貞思考)


考えてみてほしい。

仲の良い幼馴染から、『おー〇〇君鍛えた?ガッチリしてきたね!腹筋触らせてもらっていい?』


行けそうである。

前の世界でそんな光景見たこともないが行けそうである。


しかし俺はヘタレ童貞であるからしてそんなハードなことはできる訳ござーせん…


「なんちゃって、我慢の限界にも程があるんだよなぁ」


俺は揉んだ


ここ数年顔を合わせて生活しても触れることができなかったシロに、触れた…


う、うぉぉぉ‼︎ついにやったぞ!

ブラ越しのさらにシャツごしだが触った!柔ケェ


「いきなり、なに?」


表情は変わらず無表情

冷たい瞳が俺を見据える


「え、あ、いやその俺にはついてないからどんなのか気になって…」


我ながらキモすぎる返事だ


「ん、好きにしていいよ。減るもんじゃない」


とてつもなくフラットな返しがきて驚いたが、本人が気にしていないようなのでありがたく堪能させてもらう。あんなに冷たい視線を送ってきていたのが嘘のようにあっさりと触らせてくれた、その事実の方が驚きである。


もにゅもにゅと小さなお胸をもみながら視線を少し上へと上げると、変わらず冷たい視線というか無表情が広がっていた。


長い付き合いなのでなんとなく機嫌や感情がわかる時はあるが、ほとんど表情が変わらないので何をどう思っているかわからない時のほうが多い。

それでも彼女の口角がほんのり上がっていたことに、俺は少しだけ不思議に思いながら今日を過ごすのだった。

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