絶望

うるえ

決壊

きっかけはいつも、些細なことだ。


「あ、これ、ダメなやつだ」

いつも通り笑えているはずなのに、涙だけが止まらなくなる。拭えば拭うほど、指の隙間から溢れ出す。


例えば、そう──自動販売機が100円玉を読み取ってくれなかった時。或いは、コンビニでお気に入りのものが売り切れていた時、など。

本当に他愛もないことが、その時々で大きなトリガーとなってわたしを襲う。

そしてそれは大抵、「誰も悪くない」こと。


いつもだったら流せることも流せず、そのことがきっかけで張り詰めていた糸がぷつんと切れ、涙や絶望となって溢れ出す。

そんな感覚をいつも覚える。

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絶望 うるえ @Fumino319

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