小説の1ページに

ヨイクロ

途中の一ページ

 春の陽気に誘われるように、桜並木の下を歩く二人。彼は少し緊張した面持ちで、隣にいる彼女の顔をちらりと見る。彼女はいつものように明るい笑顔で、何か楽しい話でも始めようとしているようだ。彼は思い切って口を開いた。


「ねえ、最近読んだラブコメ小説が面白くてさ、会話文が多めでテンポが良くて...」


 彼女は目を輝かせて反応する。


「え、どの小説?私も読みたい!」


 彼女の予想以上の反応に、彼は嬉しそうに答える。


「カクヨムで人気のある作品で、同窓会から始まる一つの付き合いがテーマのやつなんだ。会話文が多くて、キャラクターたちの掛け合いがとても自然で...」


 彼女は興味深そうにうなずきながら、彼の話に耳を傾ける。


 彼らの会話は、、生き生きとしていた。


 彼は続ける。


「この小説、実は会話文が多いのが特徴で、登場人物たちの日常のやり取りが丁寧に描かれていてね。それでいて、ストーリーが進むにつれて、彼らの関係が少しずつ変わっていくんだ。」


 彼女はますます興味を持ち、


「そうなんだ。会話文が多いと、キャラクターの個性がよく出るもんね。私もそういうの好きだな。」


 と言い、彼の話に共感を示す。


 二人はそんな話をしながら、桜の花びらが舞い落ちる中を歩き続ける。彼女はふと、


「ねえ、その小説の中で一番好きなシーンはどこ?」と尋ねる。


 彼は少し考えてから、


「やっぱり、主人公たちが初めてお互いの気持ちを認め合うシーンかな。たった一ページしかないシーンだけど、とても心に響いたんだよね。」


 と答えた。彼女は微笑みながら、


「私もそういう瞬間が好き。読んでみたいな。」


 と言い、彼の推薦する小説への期待を膨らませる…


  そして、この春のひと時、二人の会話もまた、彼らの小さな世界小説を彩る一ページとなったのだった。


 彼らの足元には、桜の花びらが穏やかに降り積もり、新しい季節の始まりを告げている。

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