前のエピソード――第14話隠された遺跡

淡路島の隠された遺跡での啓示により、康平は自分が直面している使命の重大さを改めて認識した。彼は受け取ったメッセージを心に刻み、神々の争いに介入する準備を整えた。この争いは、古代の神々が持つ独自の力と彼らの間の不和に起因しており、康平はそれを調和させるために自らを犠牲にする覚悟を決めた。

康平は夢の中で再びアヌビスに会い、彼から古代エジプトの裁判の儀式である「死者の書」に基づく審判の場に立つよう指示された。夢の中でのアヌビスの案内に従い、康平は自身が精神的にも物理的にもその試練に耐えうる準備を整えた。

翌日、康平は特別な場所である地元の神社で瞑想を行い、その夜に予定されていた神々の審判の儀式に備えた。夜が深まるにつれ、康平は自らを取り囲む神聖な力を強く感じ始め、自分がこの宇宙の一部であり、その調和を保つために選ばれたことを実感した。

審判の儀式は、夢の中で行われた。康平は黄金の広間に立ち、そこにはオシリス、イシス、ホルスといった神々が集い、彼の前に現れた。彼らは康平に対して、人間界と神々の界の間で起こっている争いをどのように解決するかを尋ねた。康平は深呼吸を一つし、彼が学んだすべての神話の知識と、龍神から受けた啓示を基に答えを出した。

「神々の間の争いは、人間の心の中にも反映されています。私たちが心の中で感じる恐れや不安、欲望は、神々の力の影響を受けているからです。私たちは、自らの心を清め、調和を取り戻すことで、神々の争いも解決できると信じています。」

康平の言葉に、神々は沈黙した後、彼の提案に同意した。オシリスは康平の勇気と知恵を称え、彼にさらなる知識と力を授けることを約束した。この審判の結果、神々は新たな調和の約束を交わし、康平はその使者として人間界へ戻された。

康平は目覚めた時、自分が変わったことを感じた。彼は神々から与えられた新たな力と、人間と神々の間の架け橋としての使命を果たすために、その日から人々に対して教えを説く活動を始めた。彼の話は多くの人々に影響を与え、康平自身も深い満足感と平和を得ることができた。この審判は、康平にとってただの終わりではなく、新たな始まりの象徴でもあった。