龍の導きと奇跡の旅

第14話 隠された遺跡

淡路島の古老から得た啓示と勇気を胸に、康平は島の未探索の地を目指した。古老が言及した龍神に関連する遺跡を見つけることが、彼の使命の次なるステップであると彼は信じていた。この遺跡は一般には知られておらず、古老の家族だけが世代を超えてその秘密を守り続けていた。

康平は地図と古老の言葉を頼りに、島の奥深くに位置する森へと足を踏み入れた。この森は古くから「龍の棲む森」と呼ばれ、多くの地元の人々も近づくことをためらう場所だった。しかし、康平はアヌビスとの約束、そして古老の信頼を胸に、恐れを振り払い進んでいった。

数時間のハイキングの後、康平は小高い丘の上に立ち、その先に広がる開けた土地を目にした。そこには、古代の石造りのアーチと壁が一部露出しており、周囲には高い草木が生い茂っていた。彼はその場所が、古老が言及した龍神の遺跡であることを直感的に感じ取った。

康平は遺跡の中心に向かい、そこで見つけたのは大きな石造りの祭壇と、壁に彫られた龍と太陽を象徴する複雑な彫刻だった。彫刻は時間の影響を受けていたが、それでもその細部にはかつての職人の技が感じられた。康平は祭壇の前に立ち、手を合わせて深く祈った。

祈りの最中、突如として風が吹き草木がざわめき、康平は再び龍神の存在を感じることができた。風は彼の周りを巻き、耳元で「真実を見極め、バランスを取り戻せ」という言葉が聞こえた。これは龍神からの直接のメッセージであり、康平にはその言葉が神々の争いを解決する鍵であることがわかった。

遺跡を後にする際、康平はこの場所とその神秘に改めて敬意を表し、自分がこの遺跡を訪れることが許された意味を深く噛み締めた。彼はこれまで以上に自分の使命に対する責任と、それを遂行する決意を新たにした。

康平は遺跡から得た知見と龍神の言葉を胸に、次なる行動を計画し始めた。彼は知ることによって、自分だけでなく周囲の世界にも影響を与える力を持っていることを確信し、その力を使って神々の争いを解決し、世界に調和をもたらすために動き出した。