第4話 淡路島の謎
康平とグディーは、次の目的地として淡路島を選んだ。龍の雲が初めて現れたのが淡路島の方向だったことから、彼はそこに何か重要な手がかりがあるのではないかと考えていた。朝早く家を出た二人は、バスとフェリーを乗り継ぎ、静かな島の港に足を踏み入れた。
淡路島は、古くから多くの伝説が息づく場所であり、神秘的な雰囲気を持つ。島に到着してすぐ、康平は地元の図書館を訪れ、島にまつわる歴史や神話を調べ上げた。特に龍に関連する話がないかを探ったが、一日中調べても特に目立った情報は見つからなかった。
疲れ果てた康平は、小さなカフェで休憩をとることにした。カフェのオーナーは、康平の研究に興味を持ち、地元の古老と話をする機会を設けてくれた。その夜、康平は古老の家を訪れ、焚き火を囲みながら、島の古い話を聞くことになった。
古老は、淡路島に伝わる龍神について語り始めた。昔々、島を守る龍神がいて、その龍は島の平和と繁栄を守るために空を飛び、時には人間の姿を借りて島民と交流したという。また、その龍神は特定の人間に選ばれし者にのみ姿を現し、その人物を試練を通じて成長させると言われている。
康平は古老の話に心を奪われた。まるで自分の見た龍の雲が、この伝説の龍神であるかのような気がしてならなかった。古老はさらに、龍神が選ぶ者は大きな使命を持ち、その旅は決して容易ではないが、最終的には大きな恩恵を受けると教えてくれた。
「あなたは、もしかすると龍神に選ばれたのかもしれませんね。龍の雲を追い求めてここまで来たというのは、ただの偶然ではないでしょう。」
その夜、康平はほとんど眠れなかった。古老の言葉が頭の中で反響し、自分が本当に龍神に選ばれたのか、そしてその使命が何であるかを考え続けた。朝になり、康平は決意を新たに、グディーと共に島を一周する旅に出た。島の自然の中で、彼はさらに多くの示唆を求め、自分自身の内面と向き合う時間を持った。
淡路島での数日間は、康平にとって新たな自己発見の旅となった。島の神秘と古老の話は、彼の心に深い影響を与え、彼の旅の目的をさらに明確にすることになるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます