第3話

俺は今、友人である佐藤雄介と一緒にゲームをしている。

このゲームは、最近発売されたばかりのVRMMORPGというジャンルのゲームだ。

ちなみに、俺とこいつはβテストの時から参加している。


俺の名前は神木真司。職業は盗賊だ。

そして、こいつこそが佐藤雄介。俺の親友であり、同じギルドに所属している仲間だ。

俺たちはいつも二人で行動していた。

そして、

「なぁ、雄介。やっぱりこのキャラやめようぜ」

「なんでだよ。結構強いし可愛いじゃん」

「だってこの子女だろ?俺男だし」

「そうだけど、別にいいじゃないか。それに、性別関係なく使えるスキルとかもあるんだぞ」

「それは分かってるけどさぁ……」

俺はどうもこのキャラクターに愛着が湧かない。

正直、雄介の方が似合っていると思う。


今回はベータ版から販売版をダウンロードした訳だ。

しかもインストールに1時間も掛かるという。

(はあ……しばらくは雄介と話でもしてるかな)

俺達はある事件で死に死後の世界に落ちた存在だ。



だが何故かこの死後の世界とやらは至って現代に近いような感じである。

それで普通に生活しているだけでいいとこの世界の政府から言われているのだ。

それでいま俺達は

VRMMORPGというジャンルのゲームを

俺達はβテストの時から参加しているという訳。


「まぁ、とりあえずやってみたらどうだ?」

「わかったよ。やってやるよ」

俺は半ばヤケクソ気味に返事をした。

それから1時間程でそのゲームのダウンロードは完了した。


「よし!インストール完了だ!」

「じゃあさっそくログインするか」

「そうだな。早速始めますか」

そうして俺達はそのゲームを始めた。


すると、いきなり目の前に画面が表示された。その画面には プレイヤーネームを決めて下さい。

と書かれていた。

そして、その下にはキーボードが映し出されている。

これは名前を打ち込めということだろうか。

まあ、考える必要もないな。

名前はもう決めてある。

シンジっと。

これで決定を押した。

すると今度は

初期設定を始めます。


「おっ、やっと始まったか」

「いよいよだな」

そう言った瞬間、目の前が真っ白になった。

「うわっ!なんだこれ」

「眩しい……」


それから数秒ほどすると目の前には草原が広がっていた。


「おお、すげー!」

「ほんと凄いな」


周りを見渡すと他にもプレイヤーが沢山いた。

その時、 ピロンッ と音が鳴った。

ステータスをご確認ください。

そこにはこんなメッセージが書いてあった。

早速見てみる。

名前:シンジ

レベル1 種族:ヒューマン

職業:盗賊 HP100/100 MP10/10 攻撃力20 防御力15 魔力3 素早さ25 精神力5


「おー、なかなかバランス良いんじゃないか?」

「確かに、悪くはないな」


そう言いながら、自分のステータスを見ていて気づいた。

「ん?なんか変じゃない?」

「どこが?」

「いや、まず名前がおかしいでしょ。あと、レベル1なのに能力値が高すぎる気がする。それと、職業が盗賊ってなってるし」

「ああ、それか。実はこのゲーム……ベータ版参加者はその時に使っていた職業がそのまま職業で初期登録されるんだよ」

「あ、なる……俺盗賊で登録してたわ」


俺は納得したと同時に少し落ち込んだ。

何故なら、せっかくならカッコイイ職に就きたかったからだ。

だが、今は落ち込んでいても仕方ない。

そう思い、気持ちを切り替えることにした。

しかし、やはり気になるのはこの世界についてだ。

そこで、俺はメニューを開き、ヘルプの項目を開いた。

そして、調べてみると、この世界のことについて色々と載っていた。


それによると、

「ここは死後の世界ではない……だと?」

「ああ、違うらしい」

「どういうことだ?」

「それが分からないから今こうしてるんだろうが」

「それもそうだな」

俺達は一旦情報を集めるために、街に向かうことにした。


「ところでお前のステータスどんな感じだった?」

「俺は攻撃力と素早さが少し高いくらいだな」

「そうなのか?俺は防御と魔力が高い」


そんな話をしているうちに俺達は街に着いた。

そこは中世ヨーロッパのような街並みが広がっている。

そして、道行く人々はみんな武器を持っていたり、防具を身につけていたりと物騒な雰囲気だ。

だが、俺達にとっては好都合だ。


俺達は情報収集のために酒場に行くことに決めた。

そして、俺達はこの世界の事を知ることが出来た。

この世界は所謂剣と魔法のファンタジーの世界であり、モンスターが存在する。


そして、

「魔王がいるのか……」

「そういう事だ」

「マジかよ」

「どうやら本当みたいだ」

「そういえば、この世界に落ちた時、天使みたいな奴らが何か言ってたな」

「なんて言ってたんだい?」

「確か、『あなた方には勇者となっていただきたい』とかなんとか」

「そうか、僕にも同じようなことを言ってきたよ」


「じゃあ、やっぱりあれは夢じゃなかったってことか」

俺達が落ちたあの場所は明らかに現代ではなかった。それに、死んだはずの人間が生きているという時点で既におかしな話だ。


俺達はその後、街の外に出てモンスターと戦ってみる事にした。

俺達は近くの森に来ていた。

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