第85話 R18!? 魅惑の足ツボマッサージタイム
カザン王国までもう少しのところまできたキモヲタ一行。
今晩も焚火を囲んで、旅の疲れを癒しておりました。
夜食後は、キモヲタによる【足ツボ治癒】(ソフトタッチバージョン)タイムです。
モミッ! モミッ!
「あっん❤ う゛ぅぅぅ気持ぢいぃいいわぁ❤」
足ツボを軽く刺激されたエルミアナが、艶やかな声を上げていました。
その全身は薄い緑の光に包まれていました。
マッサージが終わると、エルミアナは思い切り身体を伸ばします。反らした身体のラインが、火の光に照らされて地面に美しい影を作り出していました。
「んーっ! とても気持ちが良かったですよ。ありがとう、キモヲタ殿」
続いてユリアスが、キモヲタによる【足ツボ治癒】(ソフトタッチバージョン)を受けました。
モミッ! モミッ!
「あはんっ❤ んっ❤ くっ❤ ころぉぉ❤」
キモヲタが常日頃から憧れているくっころ女騎士を頑張って演じるユリアス。その全身が暖かい緑の光に包まれていました。
マッサージが終わると、ユリアスはキモヲタの手を取って感謝の言葉を述べました。
「ハァ……ハァ……キモヲタ様のくっころマッサージ……相変わらず最高でございました」
続いて、セリアがキモヲタによる【足ツボ治癒】(ソフトタッチバージョン)を受けました。
モミッ! モミッ!
「んっ! くっ❤ くっ! くうぅぅっ❤」
意地でも変な声を出すものかと、必死に声を抑えるセリア。それでもたまらず漏れ出る声は、とても艶めかしく、ユリアスよりよほどくっころ騎士になっていました。
「はあぁああん❤」
セリアの全身が、エルミアナやユリウスとは違って紫色の光に包まれていました。
キモヲタのフィニッシュ親指が決まると、セリアは背中をのけぞらせて、その黒く長い髪を振り乱しました。
「「「ゴクリ……」」」
あまりにもエロいセリアの姿に、女性陣が口を揃えて唾を飲み込むのでした。
そしてキーラが最後に、
ポンッ! ポンッ!
と、キモヲタの耳栓を抜いて、
「キモヲタ、お疲れ様!」
と、言いながらキモヲタの目隠しを外すのでした。
「はぁ……ようやく終わったでござるか」
先ほどまでの女子勢の生々しい姿態も、R18エロボイスも、一切見てなかったキモヲタは、ただドット疲れただけでした。
「キーラたんも、足ツボいっとくでござるかな?」
「うん! お願い!」
キーラが犬耳をピコピコ、尻尾をくるくる振りながらキモヲタに頷きます。
「それじゃぁ、ハイっ!」
「はいはい。ちゃんと付けるでござるよ」
そう言ってキーラから渡された耳栓と目隠しを、再びキモヲタは装着するのでした。
~ 見張り番 ~
キモヲタがキーラの代わりに焚火の見張り番をしているとき、エルミアナが目を覚まして焚火の前にやってきました。
「今夜のように月が明るい夜は、なかなか寝付けなくて。あの、ここに座っても?」
「もちろん! 美しいエルフの女王様の席は、いつでも我輩の隣に空いてござるよ」
そう言ってキモヲタは、エルミアナが座れるよう、倒木の思い切り端っこにピョンと移動しました。
キモヲタの奇妙な行動に驚いて、エルミアナが声を掛けます。
「あっ、いや、それほど離れなくても……というかそこでは焚火から離れすぎでは?」
エルミアナとキモヲタの間は1メートルくらいの距離がありました。
「キモヲタ殿、どうぞ焚火の前へ」
そう言ってエルミアナはトントンと自分の隣を指で叩きます。
普段なら喜んでエルミアナの隣に這いつくばっているキモヲタ。しかし、夜空に浮かぶ二つの月があまりにも綺麗で、その光に照らされるエルミアナの金色の髪が、魔法のようにきらめいていて、焚火に照らされる緑の瞳が、あまりにも幻想的だったので、簡単に言うとキモヲタはビビッていたのです。
今のエルミアナは、Web小説やアニメに出てくる美人ながらもどこかギャグ成分が入ったエルフではなく、予算数百億かけたハリウッド映画に登場する化粧も衣装もライティングも完璧な美人女優(日本人受けする顔)のような、実写版エルフに見えたからです。
「わ、我輩のような羽虫が、あ、あ、あまり近づきすぎると、エ、エルミアナ殿の崇高な瞑想の邪魔になるでござる。」
キモヲタの目にはあまりにも神々し過ぎて、エルミアナをまともに見ることも、まともに話すことも難しく、もちろんいつものセクハラトークは完璧に封印されていました。
「邪魔になんてなりませんよ。それにご自身を羽虫などと、キモヲタ殿はどうも自分を卑下し過ぎです。さぁ、こちらへ」
エルミアナは再び自分の隣をトントンと白く長い指で叩きました。
「そ、そそ、それでは少しだけ……」
キモヲタは、エルミアナの方に向って5cmだけお尻をずらしました。
「もう少しこちらへ」
トントン。
「そ、そそ、それではもうちょっとだけ……」
また5cmだけキモヲタは移動しました。
「もう! キモヲタ殿、どうしたのですか? いつもなら一瞬で私の隣に座っていそうなものなのに! もう!」
そう言って立ち上がったエルミアナは、キモヲタの腕を引っ張って、強引に自分の隣に座らせました。
「私はあなたと話がしたいのです」
「はっ、はひ……よ、よろこんで!」
二人のやりとりを聞いていた、ユリアスとセリアは、キモヲタとエルミアナのやりとりにうっすらとラブ波を感じて、息を潜めて盗み聞き決め込みます。
スピーッ! スピーッ! スピーッ!
キーラだけはぐっすりと夢の中なのでした。
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