第62話 目覚めたときには亀甲縛り! そして明かされた真実!

 ミミとノノアによって注がれた「アーシェの生乳搾りラッシー」には、睡眠薬が仕込まれていました。


 爆睡したキモヲタが再び意識を取り戻したのは、キーラが必死で呼びかける声が耳に入ってきたときでした。


「……起きて! キモヲタ! 起きて!」


「んっ……またトイレについて行って欲しいでござるか……まったくキーラ殿はお子ちゃま……」


「違うよ! っていうか、ボクそんなことキモヲタにお願いしたことないよね!」

 

 それもそうだと思ったキモヲタがハッキリと目を覚ましました。ところがどうしたことか、眠たい顔を擦ろうと思ったら、手が動かないのです。


「ん? 手が後ろに……ってなんじゃこりゃあぁああああ!」


 キモヲタが目を開くと、遥か下方でミミとノノアたち小人がこちらを見上げている姿が見えました。身じろぎをしようとすると、プラプラと身体が回転していきます。


 くるっと回転したキモヲタの目には、緑の蔓で全身を縛り上げられたユリアス、セリア、エルミアナ、そしてキーラの姿が映りました。

 

「ど、どういうことでござるかぁー-!」


 彼女たちは全員が下着姿で、全身が亀甲縛りで吊るし上げられているのでした。亀甲縛りというのは、元々は荷造りだった縄縛りの技術を応用して、人間を縛り上げる方法です。そのバフ効果は、女体のエロ度を10倍に引き上げると言われています。※諸説あり。性癖にもよります。


 そしてオールラウンドプレイヤーであるキモヲタは、もちろんそのバフ効果を受けていました。


「キ、キモヲタ、よかった気がついたんだね!」


「キーラ殿!」


 自分と同じように吊るされているキーラを見て、キモヲタはまず彼女が無事だったことに安堵しました。


「……っ! キーラたぁぁぁぁぁあんん!」


 続いてキモヲタが上げた絶叫は、亀甲縛りにされた下着姿を見て、そのド級のエロさに歓喜するものでした。


 上半身は白いシャツで覆われているものの、亀甲縛りの亀甲によって縛り上げられた、普段はつつましい胸が、これでもかというくらいに存在感を強調していました。


「キーラたんの胸が! キーラたんのポッチがあんなにはっきりと、浮かんでござるぅ!」


「いやぁぁぁ! キモヲタ見ないで! こっち見ないで!」


 そう叫んで身悶えするキーラの身体がゆっくりと回転し始めます。


 ほぼ水平に吊るされたキーラの身体が、その後ろ姿をキモヲタに向けた時――


「ぶぼあぁぁああっ!」

 

 キモヲタの鼻から大量の血が噴き出しました。


「いやぁぁあああ!」


 キーラが涙の大絶叫を上げる中、キモヲタは下にいる小人たちに向って怒鳴りました。


「よくもこんな酷い(エロい)ことを! 絶対に許さん(ナイス)でござるよ!」


「キモヲタ殿! 怒っているつもりなのでしょうけど、本音が漏れています!」


 エルミアナの声が聞こえてきました。エルミアナはキモヲタよりも少し高い位置に吊るされているようでした。


「ふふふ。お前たちが賢者の石を狙っているのが悪いのじゃ。ウドゥンキラーナ様は、悪を許さぬ御方、邪悪な者たちがどのよう……」


「しばし、待たれぇええい!」


 下から、白髭小人村長がキモヲタに向って、現在の状況について丁寧に説明しようとし始めたところを、キモヲタが怒声を上げて制止しました。


「えっ?」


 村長や小人たちが何事かと驚いている中、キモヲタは身体をクィックィッと小刻みに揺らして、自分の身体をゆっくりと回転させ始めました。


「ほうほう……ほほぉ……これは絶景でござるな」


 キモヲタの意図に気が付いたミミが村長に声を掛けます。


「なっ! こいつ! 自分の仲間が危険にさらされているのに、下着姿で縛り上げられている姿をじっくり観賞しようとしてますよ!」


「「「「!?」」」」


「そのとぉおおおりでござるぅぅ!」


 二度目の回転に入ったキモヲタは、吊るされた仲間ひとり一人にエロい視線を向けていくのでした。


「こ、こやつは……やはりオークじゃったか」


 村長の言葉に同意するように、ミミとノノアが頷きました。


「ふーはっはっはっ! それじゃまずエルミアナたんからでござる! さすがはエルフ! もともと細い身体で乳が強調されてござったが、亀甲縛りでカップが3つくらいアップしているように見えますぞ!」


「キモヲタ殿! や、やめろ! こっちを見るな! キモヲタ! このオークめぇええ!」


 じっくりとエルミアナの肢体を観賞したキモヲタ、次の回転に入ります。


「ふぉおおお! セリアたん! これは反則でござる! ぬばたまの黒い髪に青磁のように真っ白な肌、そこに浮かぶ緑の縄!! エロ過ぎて、我輩もうたまらんでござるぅぅ!」


「邪悪なオーク! 絶対に殺す! マジ殺す!」

  

 セリアの怒気に触れても気にすることなく、地面に大量の鼻血を巻き散らしながら、次の回転に入るキモヲタ。


「ふほほほ、ユリアスたん、まさに今こそ姫騎士最強の技にして止めの一撃、くっころを発動するときですぞぉおお! それにしてもやはり姫騎士、筋肉質なお身体……」


 ユリアスの身体を眺めていたキモヲタは、思わず言葉を呑み込んでしまいました。


「ユ、ユリアスたん……」


「い、いや……見ないで……。私を見ないでください……キモヲタ様……」


 ユリウスがガックリと首を下に垂らして、静かに泣き始めました。


 キモヲタは目を伏せ、それから三回転の間、ずっと沈黙を保っていました。


 キモヲタが沈黙した理由、


 それは下着姿のユリアスが、キモヲタにプレゼントされた縞パンティを履いていたことに気が付いたからではありません。


 それは、ユリアスの縞パンが、薄緑のストライプが、ユリアスのもっこりしたそれを、|がひとつと○がふたつあるそれを強調していたからでした。


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