第19話 湯浴みとからかい
テントを組み立て、そこを湯浴みとトイレスペースにすることにした。湯浴みといっても桶に水を入れ、体を拭くだけにする。しかし、中が透けて影が見えるので、俺は背中を向け、ミカとカナエのどちらかと話をすることにした。
「やまっち、体重操作で得たポイントの割り振りはどうしたらいいかしら?私、あまりゲームとかしたことないからよくわからないわ」
カナエが問うてきた。
「そうだな。まずは体力や持久力に割り振って、今後の旅に備えるのがいいかもしれないね。防御力も重要だし、スキルにも使いたい」
俺は考えながら答えた。
「そう、わかったわ。ありがとう」
カナエはそう言って湯浴みに向かった。俺とミカの位置取りは、カナエの影がテント内で透けるのを俺が見えない位置にするが、ミカはわざと逆をしようとするから困った。
「やまっち、佳苗のこと好きなんでしょ?」
突然、ミカが不意を突くように聞いてきた。
「な、何言ってるんだよ!そんなことないって!」
俺は驚きつつ、赤面しながら答えた。
ミカは楽しそうに笑った。
「本当かな?でも、やまっちの反応見てると面白いわ」
俺は背中を向けながら、さらに赤くなった顔を隠した。
カナエが湯浴みを終えてテントから出てくると、次はミカの番だった。彼女の頬はほんのりと赤く、リフレッシュした様子が伺えた。
「次はミカの番だな」
ミカが嬉しそうにテントへ向かったが、テントに入ると顔だけ出して再びからかってくる。
「やまっち、一緒に入らない?」
「だから冗談はやめろって!」
俺は再度驚いて叫んだが、ミカは笑いながら顔を引っ込める。
「やまっちの反応、本当に面白いわ」
美佳がテントに入ると、カナエが俺の横に座り、肩が触れた。
「やまっち、ミカと仲良くやれそう?」
俺は少し考えてから答えた。「うん、仲良くやっていけると思うよ。彼女は明るくて楽しいし、いい仲間になりそうだ」
カナエは微笑みながら頷いた。「よかった」
ミカが湯浴み中に何かが滑り、彼女が「キャッ!」と叫んだ。慌ててテントに行くと、そこには服を着た美佳がいた。
「ふふふ、服着てるわよ。ひょっとして今残念って思ったでしょ?アタシこんなだけどさ、安売りしないから。濡れた床に足を滑らせただけよ。ここ濡れるとものすっごく滑るから、気をつけなさいよ!」
俺は首を傾げた。
「残念って、そんなこと思ってないよ」
美佳はにやりと笑いながらお腹を出して服を整えたものだから、俺は背中を向けてさらに赤くなった顔を隠した。
湯浴みを終えた美佳がテントから出てくると、すっきりした表情だった。
「やっぱり体を拭くだけでも気持ちいいわ!ほら、やまっちも拭いてきなよ」
俺は頷くと湯浴みをしたけど、2人の会話がなんとなく聞こえるけど、仲が良さそうでホッとした。
俺たちはポイントの割り振りをするために集まった。
「さて、ポイントの割り振りだけど、どうしたい?」
俺が問いかけると、カナエとミカがそれぞれの考えを述べ始めた。
「私は体力、知恵、魔力、敏捷の4項目に均等に割り振ろうと思っているわ。バランスが大事だし、どの場面でも対応できるようにしたいから。どうかしら?」
カナエが意見を出した。
「そうだな。まずは200ポイントを持っていたから、それに今回得た2000ポイントを加えて合計2200ポイントだ。1000ポイントを残して、残り1200ポイントを均等に割り振るってことだな」
俺はカナエのステータスを確認しながら、割り振りを始めた。
**南川 佳苗 (みなみかわ かなえ)のステータス**
名前:南川 佳苗
(身長158cm、体重40kg、年齢15)
1. レベル: 1
2. クラス: 無職(異世界召喚者)
3. 能力値
- 力: 100
- 体力: 375 (75 + 300)
- 知恵: 520 (220 + 300)
- 魔力: 520 (220 + 300)
- 敏捷: 400 (100 + 300)
- 幸運: 62
- 魅力: 80
- ポイント: 0
4. スキル: 魔法コピー(新規取得)
5. 特別スキル: 魔法創造(Lv. 1)
「次は私だね。ポイントの割り振りはやっぱり均等にしようかな。でも、スキルはどうしようか悩むなぁ。状態異常耐性も捨てがたいけど、格闘スキルも気になるし」
ミカが悩みながら言った。
「ミカ、君も2000ポイントを加えて、合計2150ポイントだね。1000ポイントを残して、残り1150ポイントを均等に割り振ろう」
俺はそう言いながら、ミカのステータスを確認した。
**神原 美佳(かんばら みか)のステータス**
名前:神原 美佳
(身長165cm、体重48kg、年齢15)
1. レベル: 1
2. クラス: 無職(異世界召喚者)
3. 能力値
- 力: 60
- 体力: 367 (80 + 287)
- 知恵: 408 (120 + 288)
- 魔力: 487 (200 + 287)
- 敏捷: 368 (80 + 288)
- 幸運: 70
- 魅力: 90
- ポイント: 0
4. スキル: 状態異常耐性(新規取得)
5. 特別スキル: ノヴァ(Lv. 1)
ミカがスキルについて悩んでいると、カナエがアドバイスした。
「ミカ、やまっちの話からすると、状態異常耐性は今後の戦闘で重要になると思うわ。特に、未知の敵に対する対策として持っておくと安心できるかもしれない」
ミカは少し考えてから頷いた
「そうだね、カナエの言う通りよね。状態異常耐性を取ることにするわ。フフフ。やまっちとお揃いね!」
こうしてポイントの割り振りとスキルの選定が終わり、俺たちはようやく寝る準備が整った。
「さて、そろそろ休もうか。明日からまた新しい挑戦が待っている」
俺がそう言うと、2人も頷いた。
「うん、おやすみ、やまっち」
「おやすみ、カナエ、ミカ」
とりあえず毛布を寝床とし、買っておいたボロ布を掛け、服をくるんで枕にする。これでもかなりましだ。何故か俺が真ん中で寝る。
こうして、俺たちは安全地帯での一夜を過ごすことになった。明日からの新たな挑戦に向けて、心の準備を整えながら眠りについた。旅路は厳しいだろうが、仲間と共に歩むことで、俺は心強く感じていた。2人は不安なのか、俺の腕にしがみついてきた。
ドキドキしてなかなか寝られません!
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