SCENE-003 探索者適正◎
ダンジョンへ入るには探索者免許がいる。
探索者免許が発行されるまでの流れは自動車免許のそれと似ているらしい。私は時間的な制約でどちらかしか取得できないとなったとき、迷わず探索者免許の方を選択したから、自動車免許の方の実態は知らないけど。
放課後や週末に教習所へ通って試験を受けて、
ダンジョンに入って〝はじめてのモンスター〟をぶち殺し、Dタグを入手してしまえば半人前でもジョブ持ちの探索者だ。
教習所に通っていて、卒業検定に合格してしまえば、本試験は適性検査と学科試験だけで済む。
だから頑張って免許は取るけどダンジョンはもういいや、という同級生は意外なほど多かった。
私はどちらかというと、モンスターを倒せば倒すほどレベルやスキル熟練度が上がってできることが増えていく感覚が楽しかったから、高校を卒業して大学に通いはじめてからもアルバイト代わりにダンジョン探索をこなそうかな、と。今のところはそんな心持ちでいる。
探索者として生計を立てていくのは難しいという話は聞くけど。同級生と比べて体格に恵まれていて、喧嘩慣れもしている狼と仁が一緒でも探索者が続けられない、と感じるほど危ない目に遭うこともなかったし。二人は大体いつも、私がやるなら付き合うと、そんな調子だから。
高校を卒業した翌日。最速で受験した本試験にも問題なく合格した私たちは、引越しだのなんだの、大学への入学準備に追われながらも息抜きがてら近場のダンジョンに通い詰めて。新年度が始まる頃には、三人揃ってセカンドジョブを獲得していた。
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