人の恋の悩みを解決しようと「恋愛相談部」に入ったら、自分のラブコメを作ってしまった

@Terrible_Writer

第1話 クラブへようこそ

板倉大地


私はしばらくドアの前に立ち、自分の決断を考え直した。 壁に貼られたポスターに目をやると、こう書かれていた:


[恋愛相談クラブ: 恋愛のことなら何でも相談にのります。 ここは完璧な場所です!】。


まず第一に、どうしてこんなクラブが存在するのだろう? 第二に、ここは本当に私にふさわしい場所なのだろうか?


朝、圭一に言われたことを思い出した。。。。。。。


----------フラッシュバックが始まる。


「またフラれたのか?」(圭一)


私は何も答えず、机に顔を埋めた。


「これで3回目?」 (圭一)


「4回目。。。」(板倉)


「くそっ。。。悲しいな」(圭一)


圭一は携帯を見ながら微笑んだ。 間違いなく彼女とチャットしていた。 ムカついた。


「この野郎! 一度でいいから、ガールフレンドと話すのをやめろ!」(板倉)


「俺の彼女がこんなに可愛いんだからしょうがないだろ?」 (圭一)


「嫉妬しちゃうよ!」(板倉)


「ところで板倉、恋愛相談部に行ってみたら?」 (圭一)


「何のクラブ? 」(板倉)


「恋愛相談クラブ。 リッカに告白する方法についてアドバイスをもらったのと同じクラブだ。 見てください、このラブラブっぷり。」 (圭一)


「本当にアドバイスが必要だったの? ハンサムすぎるよ。 どうせ誰にも振られないよ。」 (板倉)


確かに圭一はクラスでも屈指のイケメンだ。 だから、彼が女の子にどう告白しようが関係ないと僕は思う。 付き合うつもりのない子でない限り、振られることはないだろう。


しかし、圭一は「リッカ」という女の子にすっかり恋をしていたのも事実であり、リスクを冒すつもりはなく、アドバイスを求めるためにクラブを訪れたのです。


「板倉、どう思う? 信じてください、そこでは適切なアドバイスがもらえますよ」 (圭一)


「本当に? あのクラブで誰が働いているんだ?」 (板倉)


「先輩が2人います。『 橘美里』と『肇幸二郎』。 とてもいい人たちですよ」。 (圭一)


「なるほど。 じゃあ、ちょっと行ってみます」(板倉)。


----------フラッシュバック終了


中学のときから、仲のいい友達はみんな彼女ができた。 僕だけだった。 告白しても、ことごとく断られた。


最初は「振られるのは相手の損だ」と男らしく振る舞っていた。 しかし、徐々に自分が魅力的でも面白い男でもないことを理解した。 ルックスは並、勉強は並より少し上、スポーツは並以下。

そしてつい数日前、またしてもフラれてしまった。 振られることは予想していた。 でも、まさか彼女がこんなにぶっきらぼうに言うとは。。。。。。。


「大地さんには悪いけど、私はあなたに何も魅力を感じない。 私が嫌な奴なだけかもしれないけど。。。。。。。 だから気にしないで、私のことは忘れて」。


私はピエロのように立ち尽くし、彼女が去っていくのを見送った。


さて、話を現在のシナリオに戻そう。


私はまだこのクラブに行くかどうか迷っていた。 女の子にフラれたことを話すのはちょっと恥ずかしいし。 それに、そのカウンセリングがうまくいくかどうかは別問題だし。。。。。。。


「あれ?」


そんなことを考えながら廊下をウロウロしていると、ふと誰かのイDカードを発見した。 私はそれを拾い上げ、名前を読んだ:


橘美里、3年。


恋愛相談部の部員ではないか。 だとしたら、彼女に返さなければならないのだろうか。


なるほど、とにかく部屋に入らなければならない。


私は慎重に部室のドアをノックした。


「どうぞ」。落ち着いた女性の声が返ってきた。


「失礼ですが、橘先輩はいらっしゃいますか」と私は部屋に入った。


二人の少女がテーブルの両側に座り、コーヒーを飲んでいた。 そのうちの一人は、長い黒髪で眼鏡をかけた大人しそうな女の子だった。 言うまでもなく、彼女は橘先輩だった。


そしてもう一人は......キュートなショートヘアのとても美しい女の子だった。 私は一瞬、彼女の美しさに魅了された。 この子が誰なのかは知らなかった。


「あ、お客さんですか?」


「うーん、実はこれ、廊下に転がっていたんです」と私はIDカードを見せた。


「あ、これ私の? ありがとうございます! ありがとうございます!どこかで落としましたか? 彼女は笑顔で続けた、」


「私たちと一緒にコーヒーを飲まない?」


「そんなに気を使わなくてもいいじゃない。」


「さあ。 どうせ退屈なんだから。 そうでしょ、舞ちゃん?」


「舞ちゃん」とは、明らかにもう一人のかわいい女の子のことだ。 その時、彼女はすでにコーヒーをおかわりしていた。 彼女はキュートな笑顔で私を見て、横の空いている椅子を示しながら言った。


「うん。 コーヒーを飲みましょう。 座って自己紹介しない?」


「板倉大地です。 2年B組です」、私は椅子を取って座った。 舞ちゃん」という女の子の横に座るので、少し緊張した。


「そうですか。 コーヒーをどうぞ。 矢波麻衣です。 同じく2年E組です」


「えっ、矢波さんって私と同じ年なんですか?」


去年、彼女を見た覚えはない。 あまり交流がないとはいえ、同学年の生徒はほとんど知っている。


「ええ、大地さんは私のことを覚えていないでしょうね、私は今年ここに転校してきたんですから」


「そうですか。 もうクラブに入ったんですか? 早いですね!」


「ふふふ。 実は橘先輩のおかげなんです。 彼女は私のいとこで、先輩でもあるんです。 だから、彼女のクラブに入るように強要されたんだ」。


「おい、いつ俺が強制したんだよ!」橘先輩は言い返した。


その時、ドアが開けられ、別の女の子が入ってきた。 この女の子はこのクラブのメンバーではなさそうだった。 私はその子が同じクラスの子だとわかった。


「ここでアドバイスを受けてもいいですか?」


「ああ、お客さん! そこにある椅子を取って、ここに座りなさい」先輩は彼女を示した。 彼女は言われた通りに自己紹介をした。


「三葉ななみと申します。 そして 私には好きな友達がいます。 彼はいつも私に優しくしてくれます。 何かあるといつも助けてくれる。 でも最近、彼はある理由で私を避けているんです」


ああ...恋する女の子が不安になる典型的なケースだ。 それに、私はヨシンのことを知っている。 私の同級生でもある。


「いつから三葉さんはヨシンに避けられてるんですか?」


「二日前からです」。


「二日前に何かあったんですか?」


「別に。 私が覚えている限りでは、彼は他の女の子とは話していません」。


私は彼女が間違った方向に進んでいることに気づいた。 男子として、私はここでヨシンの視点を理解することができた。 私はメンバーではなかったが、自分を抑えることができず、彼女に尋ねた。


「いや、ミツバさん、他の女の子のことは気にしないで。 ただ、何か変わったことはないですか?」


橘先輩も矢波さんも私の突然の言葉に驚いた。 しかし、私を止めようとはしなかった。

「私?...考えさせて」


数秒後、彼女の顔が少し赤くなった。


「うーん...。 ヘアスタイルをこのポニーテールに変えたの」


「なるほど。 どうして?」


「彼がポニーテールのマンガの女の子を褒めているのを見たから。 それで、この髪型にしたら、もっと気づいてもらえるかなと思って。 私の髪型が嫌いで避けられてるってこと?」


「いいえ、違います」、私は彼女に微笑みながら言った。「 彼はあなたのことを......あなたに恋をしているほど気づいていたのよ」。


「ええっ?」三葉ななみは顔を真っ赤にした。


「初めて恋をする男の中には、その場の勢いで告白してしまうかもしれないから、ときどき片思いの相手を避ける人もいるんだ」。


「でも...。 でも......告白してほしいんです 本当に私のことが好きなら、告白することに何の問題があるんだろう?」


「大きな問題があります。 彼はあなたに拒絶されることを恐れているのです」。


三葉ななみはようやく理解した。


「なるほど......それで、どうすればいいんですか?」


「告白してこい」


「えっ? 私にできる?」


「できる!」。 橘先輩は突然沈黙を破り、拳を突き上げた。 「他の女にさらわれる前に連れて行け」。


「なるほど! はい! 告白してきます! ありがとうございました。 絶対、ヨシンに告白してきます」そう言って、ミツバは部屋を飛び出していった。


「あの 橘先輩、矢波さん、お邪魔してすみませんでした。」 私は心から謝った。


しかし、橘先輩は私の謝罪も聞かずに別のことをしていた。


「気にしないで。 この用紙に記入してください」と、橘先輩はいきなり空の用紙を私に渡した。」


「これは何ですか?」


「このクラブに入るための正式な申し込み用紙だよ。 名前とクラスだけ書いてくれれば、あとは後で書くよ」。


「ああ、なるほど...。 ちょっと待って! 私がこのクラブに入るって誰が言ったの?」


「えっ、このクラブに入るために来たんじゃないんですか?」


「違うよ。」


実は、私自身がアドバイスを受けに来たんです。


「そうですか。 じゃあ、気が変わったの? 私たちと一緒にどうですか?」


「えっ、まだそんなことを言っているのですか? 僕は君の力になれる人間じゃないよ。 私自身、恋愛経験がないんです」。


「それは問題ない」


「それが一番の問題じゃない? ここは文字通り恋愛相談クラブだ。 私自身は未経験なのに、どうやって人にアドバイスできるんですか?」


「前の女の子にアドバイスしたようにね。 実際、女の子が苦手な男の視点が必要なんだ。 君はまさにそうだ。 男が苦手な女の子もいる。 例えば、舞ちゃんは2回も振られた。」


「プッ」


矢波さんはそれを聞いたとたん、コーヒーを吐き出した。 彼女の顔はトマトのように赤くなっていた。


「先輩! なんでお客さんの前で私をさらけ出すの!?」


「おいおい、舞ちゃん。 せめて大君がメンバーになったんだから。 大くん、登録用紙にサインして~」。


彼女は私のことを 「大くん」と呼んでいたのか。 こんな風に呼ばれたのは初めてだ。


「うーん... 矢波さんは何も問題ないですよね?」


「心配しないで。 大地さん、ようこそ。 先輩、心臓発作は勘弁してくださいよ」。


「ヤッホー、新入部員が入ったぞ」、橘先輩は興奮しっぱなしだった。


どうなんだろう...僕の日常にどんな影響があるんだろう...。

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