第50話 配下復活


「そういえば私は結構レベルが上がったわよ。二人はどう?」 ヨゾラさんが聞いてきた。

「私も上がりました。」 ユリアさんも上がったようだ。

「まだ見てなかったので見てみます。」


 俺はステータスを開いた。


ーーーーー

名前 ユージ

種族 人間Lv35

年齢 19

職業 死霊術士Lv35 聖騎士Lv15 神官Lv15

HP 1825/3641

MP 4213/6415

身体能力 47

物理攻撃 284

物理防御 518+100

魔法攻撃 914

魔法防御 1093

ユニークスキル

 死体収納

スキル

 配下作成

 配下解放

 配下回復

 配下探知

 配下情報

 遠隔命令

 配下召喚

 配下復活

 ディバインフォートレス

 光魔法

 ホーリーシールド

 ホーリーウエポン

 説法

 瞑想

 状態把握

配下

 上級アンデッド 381

 キメラゾンビ 61

状態

 聖女の加護

ーーーーー


 人間と死霊術士が3レべル、聖騎士と神官が9レベルも上がった。ソロ討伐じゃないのにこれだけ上がるとはやはりかなり格上の相手だったのだろう。

 黒竜を見たあとだとショボく感じるがステータスが結構上がっている。特にHPはだいぶ増えたし、物理防御も上がってきた。順調に俺の弱点だった防御系が上がっている。

 そしてスキルだ。配下復活だ。これはもしかして。


ーーーーー

配下復活 消費MP200

 魔石を破壊され倒された配下アンデッドを復活する。

ーーーーー


 やった!

 やられた配下が復活できそうだ!

 さっそくさっきやられた上位の人間配下達を復活させよう!14人だからMPも足りる。


 まずは聖騎士だ。配下復活!


 暗く光る魔法陣が地面に現れ、黒い光が徐々に集まっている。


 結構時間がかかるみたいだな。連続使用できるかな?


 女騎士を配下復活! 魔法陣が現れた。


 連続使用もできるみたいだ。楽で良いな。全員復活させよう。


 配下復活!配下復活!配下復活!配下復活!・・・・


 たくさんの暗く光る魔法陣が並んだ。


「何やってるの?」 ヨゾラさんが聞いてきた。

「レベルが上がって配下復活というスキルを覚えたんです。やられた配下を復活できますよ!」

「それは良かったじゃない!」 ヨゾラさんも喜んでくれた。 

「良かったです。」 ユリアさんも喜んでいる。

 やられた配下は結構重要だったからな。特に火魔法使いや人妻エルフさんやドワーフは戦闘以外でも重要な存在だった。火魔法使いはお風呂を沸かす役だったし、人妻エルフさんは水着を作ったりできたし、ドワーフは武具の調整や手入れができた。一番重要なのは風呂だな。危うく野営で風呂が入れなくなるところだった。

 ギルバーンなど以前魔石を砕かれた配下も復活できる。MPが不安だから弱い配下は後まわしにしよう。


「わっ!!」「きゃ!」 二人が突然声を上げた。

 何事かと慌ててそちらを見た。


 配下達が復活していた。


 配下達は全裸だった。


 ・・・考えてみれば当たり前だ。消し飛んだ服までは復活しないよな・・・


 二人も顔を赤くして驚いている。野郎どもが裸でブラブラさせながら立っているからな。

 女騎士と女火魔法使いと人妻エルフさんもいるが、シュールすぎてエロい気分にならないな。

 いや女騎士は引き締まった良いスタイルをしているし、女魔法使いは華奢で女性らしくて良い感じだ。人妻エルフさんも前に水着は見たが俺好みの良い感じのスタイルだ。

「ちょっと!!何ボーっと見てるのよ!!」 ヨゾラさんに怒られてしまった。


 とりあえず馬車を出して配下に服を着させた。

 移動するのも面倒なので今日はここで野営をしよう。カイザーがいれば大丈夫だろう。カイザーにビビッて何も寄ってこない可能性も高い。


「まったくいやらしい!!」 ヨゾラさんが睨んできた。

「いや事故ですし、そんな気分にもならない感じでしたよ。」 俺は慌てて言いわけをした。

「女性三人をじっと見ていたじゃない!」 うっ、よく見てるな。

「驚いてつい固まってしまっただけですよ。見慣れないものを見て固まってしまったんです。二人も男たちを見て固まってたじゃないですか。」 だが俺は言い訳は得意だぜ。

「べ、別に見てないわよ!」 ヨゾラさんは赤くなって言いわけしている。言いわけが下手だな。

「え? いや見ていましたよね。ねえユリアさん。」 ユリアさんにも聞いてみる。

「え、み、見てません。」 ユリアさんも赤くなって否定した。かわいい反応だな。

「まあ、事故の時にまでそういうことをうるさく言うのは良くないですよ。ミスや対応の遅れにつながりますから。ヨゾラさんもそう思いませんか?」

「もう!そうだけど!適当なこと言ってごまかしているでしょ!」

「いえいえ適当だなんて。皆のために言ってるんです。」

「まったく!」 ヨゾラさんはまだプリプリしている。

「ふふふ。事故なんだしいいじゃない。」 ユリアさんはいつも通りに戻ったようだ。

「わかってるわよ!」 とりあえずOKなようだ。


「今日は色々あって大変だったので、ここで野営しましょう。」

「そうね。」

「はい。」


 俺は休憩しながら新たに覚えた他のスキルも確認した。


ーーーーー

ホーリーシールド 消費MP20

 宙に浮かぶ光の盾を生み出す。


ホーリーウエポン 消費MP40

 宙に浮かぶ光の武器を生み出す。


説法 消費MP2

 周囲の人に声を聞こえやすくする。


瞑想

 目を瞑って座りHPとMPをゆっくりと回復する。


状態把握 消費MP2

 対象のHPと状態を把握する。

ーーーーー


 ホーリーシールドとホーリーウエポンは気になるな。試しに使ってみよう。

 ホーリーシールドは、目の前に光る盾が現れて自分の近くならある程度自由に動かせた。

 ホーリーウエポンは、武器の形を変えられるようだ。試しに槍を出してみた。手に持って使うこともできるし、宙に浮かせて攻撃することもできた。

 試しに火の魔法槍を振りながら、光の盾と光の槍を使ってみるが結構難しい。でも練習すればやれそうだ。

 難しいが使いこなせれば接近戦がかなり強くなりそうだ。武器を持っていない時に武器を生み出せるのも良い。風呂入っている時に襲われても戦えるな。まあ俺は接近戦では死体収納するから防御用だが。


「ユージ。その光る槍は何?」 ヨゾラさんが聞いてきた。

 見るとヨゾラさんとユリアさんもホーリーシールドを試していたようだ。ホーリーウエポンは出していない。まだ覚えていないのかもしれない。

「ホーリーウエポンというスキルです。ホーリーシールドの武器版で多分聖騎士レベル15で覚えるスキルですね。」

「そうなのね。私とユリアはまだ覚えていないわ。でもそのスキルは良さそうね。私にはシールドより使えそうだわ。」

 ヨゾラさんは防御は不要だからな。攻撃スキルが欲しいのだろう。逆にユリアさんはシールドの方が重要だろう。俺もだな。


 他のスキルも一応試した。まあそのままだったが、状態把握は結構効果時間が長く仲間に使っておけば戦闘中の仲間のHPや状態異常を把握できるらしい。ヒーラー役には重要スキルだそうだ。診察にも使うそうだ。まあ俺達はいらないか。心配な時はエルフ神官が使えば良い。


 ドラゴンの前に倒した赤いゴリラも配下にした。ボンバーレッドコングという魔物で、ノワリンより少し弱いくらいのステータスだった。ノワリンは戦士と神官も覚えているし、レベルも多少上がっているから普通のAランク魔物より強いのだろう。それでもこいつは爆発攻撃ができるので攻撃の破壊力はノワリンより上だろうから役に立つはずだ。ノワリンとは戦闘ポジションが違うしな。こいつは正面アタッカーだ。まあカイザーが入ったから正面アタッカーはいらない気もするが、戦場は一つとは限らないから強い配下はいくらいても良い。

 配下が倒した白い虎は、ゾンビにしかならないので町で売ろうと思う。Aランクの魔物を売ったら騒ぎになるかもしれないが、もう聖女を倒した死霊術士として騒ぎになっているから一緒だろう。一応帰ったらヨーマ君経由でヨーラムさんに相談してから売ることにする。ヨーラムさんが欲しがったらヨーラムさんに売っても良いしな。


 ちなみにドラゴンはSランクだ。当然最高ランクだ。といってもSランクが全部ドラゴン並みに強いわけでははなく、Aランクパーティーで倒せない魔物は全部Sランクだ。ノワリンよりちょっと強いくらいの魔物もドラゴンも同じSランクなので、Sランクの強さはあてにならない。


 今回俺はAランクと戦うつもりでここに来たが、当たり前のようにBランクの次はAランクが出ると思い込んでしまっていた。そんなゲームのような決まりがあるわけではない。反省が必要だ。今後は未知の魔物はSランクかもしれないという前提で対応しよう。ノワリンの時も似たようなことを反省したのに忘れていた。どっかに今までの教訓をメモっておいた方がいいかもしれない。 ・・・面倒だな。配下にさせれば良いか。配下が俺のメモ代わりだ。誰にしようかな。ジミーでいいか。頼りになるし前線で戦わないから死ににくいしな。お気に入りだし。執事達の方が得意そうだが、ジミーなら戦いの場にもついてこられるからな。よし!ジミーはメモ係だ。・・・メモ係だとパシりみたいでイマイチだな。記録係にするか。いや、書記だ。ジミーは俺の書記官に任命だ。



 その後、木が吹き飛び地面が抉れてボコボコになった戦いの跡地で俺達は野営をした。


 ドラゴンの巨体が、月明りに照らされ、幻想的な雰囲気を作り出していた。


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