第7話 ステータスの詳細設定
俺は気合を入れなおして、この世界のステータスの詳細設定を調べることにした。
興味のないやつは読み飛ばしてもいいぜ。俺はこういうの好きだからしっかり読むがな。
俺はイマジナリーフレンドに心の中で話しかけながら本棚を見ていく。
とりあえず「ステータス解説」という本をとり、自分のステータスと見比べながら読んでみる。HPとMPはちゃんと回復していた。
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名前 ユージ
種族 人間Lv2
年齢 18
職業 死霊術士Lv2
HP 36/36
MP 42/42
身体能力 11
物理攻撃 11
物理防御 11
魔法攻撃 14
魔法防御 14
ユニークスキル
死体収納
スキル
配下作成
配下
上級アンデッド 1
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種族について、人間、エルフ、ドワーフ、獣人等がいて、人間はレベル1の初期値はHP20MP10それ以外が10で、レベルアップするとHP10MP5それ以外が1上がる。
職業について、さまざまな職業があり、長年の訓練などにより習得できる。稀に生まれつき職業を授かっている人もいる。レベルアップで上がる能力は職業によって様々であり、レベルが高いほど1レベルで上がる上昇値も大きくなる。複数の職業を習得することも可能だが、魔物を倒した時の経験値が分散されレベルが上がりにくくなる。そのため、一般的にはあまり職業を増やさない方が良いとされている。種族に比べると身体能力が上がりにくい。
つまり、死霊術士はHP、MP、魔法攻撃、魔法防御が上がるってことだな。特にMP上昇は大きいな。逆に身体能力、物理攻撃、物理防御は種族分しか上がっていないから、死霊術士では上がらないのかもしれない。
あと職業は普通は訓練で身に着けるのか、まあそっちの方が納得だな。ある程度職業選択の自由がないと色々な需要と供給のバランスが悪くなって経済が崩壊しそうだしな。
それとエルフとかドワーフとかいるんだな、まあいいや、続きを見よう。
HPについて、HPは体にまとっているHP障壁の耐久値を指している。HPがある生物は、目に見えない障壁をまとっており、軽い攻撃ならHPが減るだけで体が傷つくことはない。ただ、強い攻撃はHP障壁を貫通して体を傷つけるため、戦闘では貫通攻撃を受けないことが重要となる。貫通攻撃を受けた場合、軽い傷であればHPが消費されてすぐに治るが、重い傷は治るのに少し時間がかかり傷跡も残る。また、欠損や目などの重要器官はHPが残っていても止血されるだけで治らない。HPが0になると、気絶してステータスやスキルが消失した状態になる。意識やステータスが戻るには丸一日程度かかる。物理防御と魔法防御を上げるとHP障壁は貫通されにくくなる。
なるほどな、体にHPバリアが張られているのか。ちょっとでも残っていれば体感的には元気に戦える感じだな。そして0になると気絶してバリアだけでなくステータスも消えるのか。戦闘中だったらまず助からないな。補足にも色々書いてある。殺すつもりがなくてもHPを意図的に0にするのは犯罪だとか、子供がそういういじめをしないように注意するようにとか、子供はいつのまにかHPが0になって気絶することが多いとか、あと、HPが残っていても首を切り落としたり胸や頭を貫けば即死させることができるとか。・・・こわ。貫通攻撃を防ぐには武具で受けるか、物理防御と魔法防御を上げるしかないようだ。
MPはそのままだ。魔法やスキルで消費するだけだ。0になっても気絶したりはしないらしい。
身体能力について、身体能力の数値は身体能力の高さではなく、身体能力の強化倍率を表している。明らかに身体能力の優れた人も、ろくに動けない病弱な子供も身体能力の初期値は10である。
10が何も強化されていない基本の状態で、1上がるごとに筋力等が基本の状態の1割アップする。子供や女性など基本の能力が低い人は、1割アップしてもそれほど強くならない。逆に体格の良い力の強い男性の能力が1割上がればかなりの効果がある。身体能力の数値が同じでも大きく強さが異なることになり、身体能力を生かすには、基礎体力の向上訓練が重要となる。
身体能力はちょっとややこしいな、身体能力はあくまで倍率なので、身体能力20の子供より、身体能力10のマッチョの方がパワーあるみたいな感じだ。つまり筋トレは超大事。筋肉はすべてを解決するということだ。まあステータスの数値がすべてならマッチョの筋肉は無駄ってことになるからな。筋肉が無駄にならなくて良かった。
あと身体能力の数値が高いと筋トレをサボっても筋肉が落ちにくくなるらしい。マッチョボディを維持しやすくなるのは良いな! まあそんな訳で前衛の女性は少ないようだ。マッチョより力のある幼女はいなのか、残念。・・・いや人間以外ならワンチャンあるか? バンパイアとか・・・まあそんな趣味はないからどうでもいいが。
物理攻撃は、物理攻撃でHPを減らす効果が高まる。
物理防御は、物理攻撃でHPが減りにくくなる。HP障壁が頑丈になる。
魔法攻撃は、魔法でHPを減らす効果が高まる。色々な魔法の効果が高まる。
魔法防御は、魔法攻撃でHPが減りにくくなる。デバフ系魔法が効きにくくなる。HP障壁が頑丈になる。
この辺は言葉通りだが、物理攻撃はあくまでHPを減らす効果を高める謎能力であって、攻撃力そのものではないということらしい。同じ武器を同じ力で振った場合でも、物理攻撃の数値が高い方がHPを多く減らせるということのようだ。逆に物理攻撃が0でも、謎効果が無いだけで物理的な衝撃等の分のHPは減らせるようだ。落下ダメージとかと一緒だな。謎能力なので普通の武具では装備してもステータスは変動しないらしい。上がる装備もあるらしいが。
スキルについて、スキルには様々な効果があり、通常は職業を得たり、職業レベルが上がったりした時に覚える。稀に生まれつきスキルを授かっている者もいる。その他にも、スキルスクロールと呼ばれるレアアイテムで覚えることができる。
スキルスクロールとかあるんだな。覚えておこう。
ユニークスキルについて、非常に稀ではあるが、ユニークスキルという特別なスキルを持っている者がいる。ユニークスキルは非常に強力なものが多く、ユニークスキルはユニークスキルでないと防げないと言われているが、詳細は分かっていない。
おお!ユニークスキルの情報がある!
不確なようだが、「ユニークスキルはユニークスキルでないと防げない」というのは貴重な情報だ。これが正しければ、ユニークスキルを持っていないものは死体収納の即死効果を防げないということになる。まだ検証は済んでいないので、即死効果は確定していないが、期待がもてるな。
経験値について、ステータスには表示されていないが、経験値というものがあると言われていて、経験値は魔物を倒したり、スキルを使用した場合に得られ、経験値は種族や職業に振り分けられる。経験値が一定以上蓄積すると種族や職業のレベルが上がる。
魔物を倒して得られる経験値は、種族や職業のすべてに分配される。スキル使用の経験値はスキルに関係した種族や職業のみに分配される。
同じ魔物をたくさん倒しても経験値は得られない。2体目以降は得られる経験値が減っていき、10体程度倒すとそれ以降は経験値を得られなくなる。
複数人で魔物を倒した場合は分配され、戦いに参加した人数が多いほど得られる経験値は少なくなる。
格下の魔物を倒して得られる経験値は激減する。格上の魔物を倒した場合は、少し増える。
複数人で戦った場合は、一番強い者を基準に格上か格下かが決まる。そのため強者が弱者のレベル上げを手伝うことは難しい。
スキル経験値は魔物に比べて非常に少なく、毎日使っていても1年で1上がる程度である。高レベルになれば1レベル上げるのに数年かかるのが普通である。また、MPを消費しないスキルは経験値は得られないと言われている。
経験値も結構詳しく知られているんだな。誰かが検証したんだろう。俺たちのような転生者かもしれないな。しかしこの仕様だとレベル上げはかなり難しいな。パワーレベリングやスライムを倒し続けてレベルマックスとかは無理らしい。
一番経験値効率が良いのが、「初めて戦う同格以上の魔物をソロで倒す」ことなので、非常に危険だ。
補足情報に色々書いてある。パーティーを組んでいる者でも、初めて遭遇した魔物を見つけると、試しにソロでやりたいと言って挑むことも多いらしい。その結果、大怪我したり死んだりするそうだ。安全にパーティーで戦う場合は経験値がだいぶ減ってしまうため、レベルを上げたい冒険者パーティーは、色々な場所に行き色々な魔物を倒すらしい。それはそれで危険なので死んだり大怪我で引退することが多いらしい。
結果、堅実に活動している冒険者はレベルが上がらず、危険をかえりみない冒険者は死ぬか引退し、一部のソロで魔物を倒せる強者か、色々な場所に行っても死ななかった超優秀なパーティーだけが、高レベルになるということだ。
俺の配下はどうなんだろう。レベルが上げられるなら経験値は分配されるだろうが、どうだろうな。
そのあとは、「一般職業辞典」「冒険者必見!おすすめ職業の習得方法!」「ガストーク近辺の魔物」などを読んで1日を過ごした。
主な重要情報は
・他人の職業やスキルを探るのはマナー違反。
・商人やポーターなどの職業は収納系スキルを持っている。
・剣士や槍士の職業は年単位でがんばれば習得できそう。
・この辺りで一番強い魔物はビッグベア
こんな感じだ。
1日中本を読むのは疲れたが、思ったより詳しいことが分かり非常に有意義な時間だった。
心地よい疲れを感じながら宿にもどり、ランプの明かりに照らされた食堂の喧騒を眺めながら夕食を食べる。
異世界っぽい雰囲気に気分が良くなり、試しにエールをたのんでみたが、不味かった。残念。
部屋にもどりベッドに入る。今後のことを考えながら瞼をとじる。
だんだんと考えるのが面倒になり、すべてを放り出したい欲求にかられながら眠りについた。
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