2度目の異世界、役立たずと言われたので好きに生きていこうと思います

夜影空

第一章

第1話

――はじめに――

異世界での魔法名は、漢字表記とします。読み方はルピの通りです。例:闇夜目ダーク・アイ

また、『異世界に来た私の魔法は最強でした』の続編という立ち位置になっています。それを読んでいなくても楽しめると思います。

それでは、本編スタートです


・・・



キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、教室に声が溢れる。どこに行こうか、一緒に帰ろう、と言う声があちらこちらで飛ぶ。

「夜月。」

「ん。」

帰る準備はしてある。

「帰ろっか。」


それは、帰り道で起こった。足元が光る。見ると、円の中に模様が入っていて、

「日向、これって」

「魔法陣」

「だよね。」

そのまま光に包まれた。


・・・


目を開けると、建物の中だった。

「…あー」

「うん。なるほど。」

異世界召喚ですね〜これは。それじゃあ、あそこに座ってるのが偉い人……王様で良いのかな。そして、私達の他にも連れてこられた人が8人、計10人を連れて来るくらいの大規模な魔法だった、と。なるほどね。

皆困惑していて落ち着きがない。

「静まれ」

鶴の一声だった。

「別世界の勇者達よ。突然のことで驚いているだろう。この世界では魔王が復活し、我が国も窮地に陥っている。勇者達よ、我が国に力を貸してくれぬか。」

…あー。うん。盛り上がってますね。英雄になれるからと。

「静まれ。まずはこの水晶に手をかざしてもらいたい。魔法属性を確かめるために。」

皆、順番に並ぶ。水晶は2つあるため、2列だ。……日本人が出てるなぁ。

っと、私達の番だ。

水晶に手をかざすと、黒くなった。

日向は白だ。

「……2人とも魔法適性無し……だと……役立たずが!この2人をつまみ出せ!」

おおっと?連れて行かれることになった。

「……すみません。王命なので。」

「大丈夫です。」

「あの、あなたの名前は?」

「申し遅れました。私は騎士団長のキルリアと申します。」

「私は夜月」

「私は日向です。」

「突然ですが……実は本当に適性がなければ水晶は光らないはずなのですが、あなた達の時では光ってました。一体、何の魔法に適性が?」

「私は、夜の魔法に適性があります。」

「私は昼の魔法です。」

「夜月さんが夜の魔法、日向さんが昼の魔法ですか……え、伝説の?」

「伝説?」

「ああ、昔、英雄が書き記した書に、夜と昼の魔法があったのですよ。」

「英雄?」

「付いてきて下さい。」


そう言われ、広場へと案内された私達の前には、石像が立っていた。

見覚えがある石像だ。いや、私の中では、もう確定している。あの3人だと。念の為、確認しておく。

「この3人は?」

「リュウカイ様とソウカ様、そしてカケル様です。」

ですよねー。

「この3人が英雄なのです。そして、リュウカイ様が手記をお残しになりました。」

ふえー。そうなんだ〜。……伝説と呼ばれた理由が分かったよ。

「ここまでありがとうございました。私達は2人で生きていきます。」

「その前に、これを。」

袋を渡された。

「銅板が2枚入ってます。銅板1枚で銅貨10枚分となります。」

「分かりました。何から何まで、本当にありがとうございます。」

「ギルドがあちらの方にあるので……それでは、失礼します。」

……良い人で良かった。

さてと。この世界が前と同じ世界だと分かったことだし。

「日向、マナの総量は?」

「えっと、約5千万。」

手の平にMと書く。

「私も約5千万だよ」

そう言えば…

「前に来てから3ヶ月くらい経ってるんだっけ?」

「5ヶ月経ってるよ。」

「そんなに経ってたんだ……えっと、私達の世界での6時間経つと、この世界では1年経つ。つまり1日で4年経つ。そして1ヶ月を30日として考えると、」

「5×30×4になるね。」

「ごさん15で150……約600年経ってるんだね。」

「600年かぁ。結構変わってるだろうね。」

「システムとかも変わってるかも…?」

ステータスみたいなのも見れるのかな?試しに手の平にSと書いてみよう。

ブゥンという音と共にステータスが現れた。

「日向、手の平にSって書いて。ステータスが見れる。」

「分かった。」

私のプロフィールは…


【夜月】

魔法適性:昼以外の全属性

マナ50000000/50000000

〈スキル〉

奪月(他人のスキルを無効化し、コピーする)

反弱日術はんじゃくひじゅつ(魔法を強化する。日向からコピーした)

氷彗強刃ひょうせいきょうば(武器を強化する。氷水日向の兄からコピーした)

速度変化スピードコントロール(自分や他人の移動速度を変化させる)

影狼(影で作られたオオカミを出現させる。命令可能)

属性付与(剣などの武器やコップなどの日用品にまで属性を付与できる。)

身体強化(その名の通り。)

鑑定(他人のスキルを覗く。物の鑑定を行う。etc…)

古語読解(古語を読める)

言語理解(異世界の言葉を読み書きできる、話せる。)

持物収納箱(以後、アイテムボックス。自分の好きな形に変えることができる。)

〈アイテムボックス内〉

空気




って感じらしい。前に獲得した異能力が、スキルという扱いになっている。アイテムボックス内は空気のみ……何も入ってないだけだね。アイテムボックスはカバン……いや、ポシェットにしよう。

念じただけで形が変わった。

「夜月もポシェットかー。」

「うん。」

「お揃いだね」

「そうだね。」

「それじゃあ冒険者ギルドに行こうか。」

「レッツゴー!」

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