第49話 戻ってきたしまった王都、そして男のロマンの集大成??

そして、戻ってきてしまった、王都。

お兄さま、執事侍女メイドたち、その後ろに厨房の料理人たちが総出でお出迎え。


「おかえりなさいませ」


「アレクセイ、ただいま帰りました。お出迎えありがとう。旦那様はお忙しいのですか」


「お帰りなさい。母上、アイリ、カイルとレオン元気だったかぁ」

と、お兄さま、ちびっ子たちにハグし始めた。かわいいよね。


「あい、おにいたま、カイルはげんきでしゅ。」

「レオンもげんきでちゅ」


「母上、父上はかなり忙しい様子ですね。魔道具のシャワーの売れ行きがらすごく、なおかつ王都に戻ってきた時の馬車をみた方々が、殺到しています。ですからドリガン親方のところはかなり忙しいと思います。ドリル殿を王都に戻そうとしたらしいのですが、領地で、アイリがいろいろアイデアを出したものの開発研究をするからと、王都へは帰らないということで、ドリガン親方のところにいる他の木工職人が忙しく立ち回っているのです。父上はドリガン親方の木工職人と契約魔法をしたり、いろいろと忙しいですね。私も学園と商会で忙しいですよ」


「そうですか、大変なのですね。私も商会を手伝います。ドレス部門も慌ただしくなってきたとテッシーが言ってきているので、何か進展があったのでしょうか」


「母上、中に入ってお話します。まずは帰ってきたばかりですので、中に入ってお寛ぎください」

なんだか商会が大変そうだなぁ。


「アイリ、他人事のような顔しているが、お前はどっぷり関わっているのだから、これから忙しいぞ。アイリは計算が得意だから、経理関連も手伝ってもらうよ。家族総出で協力しないとダメだ。あとリンドとパーシバルがうちの商会に入ることになった。卒業前から商会の仕事をやってもらっている。もちろん雇用契約と共に契約魔法としている。契約魔法をしてもいいから、うちで働きたいと申し出たので、2人はうちの商会の従業員になる。フランは厨房にいるけどな。多分、フランはうちの厨房にくるのだろうなぁ」

すごい展開。すでに雇用契約を交わしているなんて、優秀な人材がうちの出来立てホヤホヤに商会に入ってくれれば、仕事が回る。


とりあえず、ゆっくりさせてください。


私は厨房に行き、領地で作ったものが入ったマジックバックとレシピを料理長に渡した。


「レシピを渡すわ。マジックバックには、そのレシピで作った食事やデザートが入っているわ。研究してね」


「アイリ様、おかえりなさいませ。アイリ様が領地に行っている間、送られてくるレシピの研究をしました。あとで評価をいただきたいです。そして、また新しいレシピありがとうございます。早速研究させていただきます」


「あと、塩(大量)と昆布やわかめ、魚なども持ってきたわ」  


「魚ですか。ありがたいです」

部屋に戻り、メイドのミリーにお風呂に入りたいことを伝える。クリーンで綺麗にしていたが、やはりお風呂に入りたい。

お風呂にゆっくり浸かり、旅の疲れを癒した。


それから、レティとマリアナには王都に帰ってきた報告の手紙を出した。領地で、みっちり,スパルタ淑女教育をしたので、成果を見て〜、そして遊びに来てという趣旨の手紙を出しました。


2人とも、返事が早く、いつなら予定が空いているという手紙が来たので、2日後に2人と会うことにした。気軽なお茶会なので、装いもラフな格好で来てくださいと返事をした。


ゆっくりとした後、夕食時父親も帰ってきた。私たちが戻ってくるので、早々と仕事を切り上げ、家に帰ってきたみたいだ。


「みんな、おかえり。疲れただろう。こちらも忙しかったよ。カイルとレオンもおかえり。疲れていないかい?」


「あい、ばちゃがとってもよかったでしゅ」

「たのちかったでちゅ。ばちゃのおいすが、ボヨンボヨン、おちりがいたくなかったでしゅ」


「そうかそうか、楽しかったか。よしよし。ん?馬車のお椅子がボヨンボヨン?ボヨンボヨンとは、何かな。アイリ?」

ギギギと聞こえてきそうな、お父さまの首がこちらを向いた。まずい、お父さまたちが帰った後、ドリルとキーリ,ドゥーブル夫妻も鍛治ができるので、ソファのバネの作成をお願いした。お父さまたちは知らない。ボヨンボヨンである。


「お父さまたちが王都へ戻ったあと、ドリル、キーリ、ドゥーブルにソファのバネを作ってもらって、馬車の椅子を作成しました。領地に行く時にかなり辛かったので、またお尻が痛いのが嫌だなぁと思い、ドリルたちに言ってみたら、作ってくれちゃいました。まだ、試作段階なので、公にはできないです、はい」


「アイリ、作るならもっと早く作ってくれー。私たちが戻る前に」

あっ、そっちですか。すみません、お父さま。


「父上、馬車に乗りに行きませんか?アイリたちはゆっくりしていなさい」

単にお兄さまは乗りたいだけでしょう。お父さまも同意して、さっさとご飯を食べて、ジェラードと共に行ってしまったよ。ジェラード、あなたもですか。

これも,男のロマンか?


私たちはゆっくりご飯を食べている。領地の方も改善はしてきたけど、料理長は私たちがいない間も、研究に研究を重ねたいたと言っていたから、美味しい。本当に素晴らしい料理長だ。


だいぶ時間がたち、3人が戻ってきた。


「アイリ、あの椅子はすごいな。全然お尻が痛くないよ。サスペンションといい、椅子といい、快適だよ。ドリル殿たちは、ドリガン殿にまだ、このことを言っていないのか?」

お父さま、もう次のことを考えているのね。 


「私がドリガン親方のところに行くと伝えたので、早速明日にでも行こうと思ってました」


「明日か、そうかぁ。よし、私は仕事場に少し顔を出して、すぐ家に戻ってくる。一緒にドリガン殿のところに行こうではないか、アイリ」


「お父さまと一緒ですか?嬉しい。では、明日一緒にドリガン親方のところに伺いましょう」


お母さまがお父さまを心配そうに見つめていた。

「旦那様、体の方は大丈夫なのですか?休めていますか?」

「あぁ、アレクセイから聞いているかな。魔道具シャワーの売れ行きがすごくてびっくりした。お風呂やトイレなど水回りが快適な方がみんないいのだろう。まだまだ開発しなければいけないものがあるから忙しいよ」


「体を一番に考えてくださいね、旦那様」

「わかっているよ。ありがとう、フローレンス」

はい、また2人の世界に入りました。私はお兄さまに王都に帰ってきた後のことを聞いた。遠い目をして語っていたお兄さま。忙しかったのね。お疲れ様です。


次の日、お父さまとドリガン親方のところに行った。なぜかお兄さまもいます。商会を持っているので、仕事が忙しい時は、学園の授業は免除になるらしい。


「モンテスキュー侯爵さま、いかがされましたか?サスペンションの方は、なんとかやっていますが、追いつかない状態です。まぁ、うれしい悲鳴というやつですかね」


「いや,ドリル殿やキーリ殿、ドゥーブル殿が作ったバネというものをここでも作れるか確認しにきたのだ。まず馬車をみて欲しい」


「ドリルたちが、何かつくったのですか?」


みんなで馬車の方は行った。

「失礼します。なんですか、こりゃー。椅子に座るとがボヨンボヨンとはねる」

そして、男たちは馬車に乗る。


「カァー,これはなんですか」


「ごめんなさいあ、ドリガン親方。これ、ドリルからの手紙です。作り方とかも書いてあると思います」


「嬢ちゃん、早く見せてくれ」

ひったくられました。素早く手紙を呼んでいる。


「はぁー、こりゃ。これで、あの椅子ができるのか。おい,お前ら、鉄だ、鉄を持ってきて集まってから」

そして、ドリガン親方はお父さまの方に体を向けた。


「モンテスキュー侯爵様。また、これは忙しくなる予感しかないですぞ。早速作らせてください。お願いします」


「いや、こちらこそ頼む。いつも頼りにしている」

2人は熱い握手を交わしている。


値段に応じて、バネ、スプリングの強さやソファの布の素材、装飾などが変えられるオーダーメードから、既製品まで、様々なものを作り、求めている人の要望にあった物を提供することにした。

そして、ここに男のロマンの集大成となるのか⁉︎

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