第2話 今の状況とことの顛末
記憶によると
わたくし、アイリ グランデ モンテスキュー
モンテスキュー侯爵令嬢 15歳
家族構成は、父、母、兄、双子の弟達がいる。
父 ステファン グランデ フォン ディス モンテスキュー 38歳
王宮勤め 魔道具開発局 副局長
王都南西地方 モンテスキュー領 領主
母 フルーラ グランデ モンテスキュー 34歳 元子爵令嬢
父と母は大恋愛の末結婚。今でも仲良し。三男一女の母。
兄 アレクセイ グランデ フォン ド モンテスキュー
王立学園に通う16歳。
第二王子、宰相のご息女、財務大臣のご子息、騎士団長のご子息、魔道師団長のご子息などとご学友である。
兄のご学友。錚々たるメンバー。これは前世、妹達がハマっていた乙女ゲームか?えーと、えーと、この国の名前は、フォールズ国。フォールズのなんちゃらとか乙女ゲームあったかしら?まさか、悪役令嬢?ワガママで癇癪持ちが多い悪役令嬢。このアイリはとにかくワガママ。自分の意思が通らないと逆ギレ、大泣き。メイドに八つ当たり。散々なことをしてきた。まさか。ひょえー。アイリさーん、悪役令嬢なの?乙女乙女ゲームはやっていないからわからないよ。
気を取り直して、かわいいかわいい双子の弟達。カインとレオン。3歳。
このアイリはあまり関心がなく、関わらないでいたようだが、記憶にあるカインとレオンはぷくぷくとした、よちよち歩きの舌ったらずにしゃべるかわいい子達ではないか。可愛すぎる。早く会いたい。
モンテスキュー侯爵家は裕福ではない。貧乏の方に位置すると思われる。侯爵家なのに。
現在、タウンハウスにいるが、王都中心部ではなく郊外に家がある。敷地は広い。
領地は王都から南西に2日かかるところにある海に近い土地だそうだ。海に近いといっても漁村があるぐらい。森も山もあり、うん、自然あふれる領地ということだ。これといった特産物もない。無い無い尽くしだね。一応、細々と農作物育てている。数十年前の塩害の影響が尾を引いているらしい。塩害か。塩を取り除かなければいけない。この世界は、塩害の除去に関する知識があるのだろうか?
今現在、私は、ベットに横たわり、体中痛みに襲われている。頭も痛い。この状況になったいきさつを思い出してみよう。
ことの発端は、このアイリには好きな男の子がいる。兄のご学友、財務大臣のご子息のロベルト フォン ダスティール侯爵嫡男。ロベルト様の母親は、王族の血が流れる公爵家の出身。金髪のお髪に、碧の瞳。フワッとした髪の毛を後ろに束ねたイケメン男子。
このイケメン男子、ロベルト様への執着が酷い。ストーカーである。この世界にストーカーなる言葉はないが表現はストーカー行為。ロベルト様の姿を探し、姿が少しでも見えると、近づき、擦り寄り、腕を絡め体を密着させ、女をアピールする15歳、ぽっちゃり体型。ドレスはフリフリゴテゴテの、どピンク。
ロベルト様が他の女性と談笑しているのを見れば、割り込み、その令嬢に向けて侮辱し、ロベルト様を独占。ただしロベルト様は、アイリに対して嫌悪し、表現的にはブリザードが吹きまくっている状態。しかしアイリは全く気にしていない、というか空気が読めない子である。
このお茶会?晩餐会は、ロベルト様の母親のご実家、スタンフォート公爵邸主催である。そこでも、アイリはロベルト様とロベルト様と談笑していたマリアナ コルフィ ドランタール侯爵令嬢の間に割り込み、マリアナ侯爵令嬢を罵倒していた。
そこへ、スタンフォート現公爵様で、ロベルト様の母親の歳の離れた弟 ジェイシス フォーダム フォン
スタンフォート公爵様が、ロベルト様に絡みついたアイリの腕を引き離し、アイリに向けて言った。
「ロベルトが嫌がっているのがわからないのか。そんなブクブクした体を密着させて恥ずかしくないのか」
と、広間はシーンとなっていた為、公爵の声が広間に響き渡った。
クスクス、周りは嘲笑していた。
「ブクブクとした体ですって。みて、本当に恥ずかしいわ」
アイリは恥ずかしさと怒りで、
「わたくしは、わたくしはロベルト様を愛しているのよ。ロベルト様もわたくしを愛してくださるはずよ。わたくしが、こんなに愛しているのですから」
ロベルト様の方に訴えかけても、目を逸らされ、目線を合わせてもらえない。
「ロベルト様が愛するわけないわよ、ロベルト様は、マリアナ様を愛しているのだもの、ねー」
「本当に、何を思って自分を愛するだなんて、勘違いするのかしら。あんなに嫌われているのに。ウフフツ」
周りから囁くような声と笑い声が聞こえてくる。
「これで分かっただろう。ロベルトはそなたのことを嫌悪している。今後ロベルトに近づくことを許さない」
「ジェイシス兄さま、ありがとうございます」
スタンフォート公爵はアイリに警告した。しかし、アイリは癇癪を起こした。喚き散らした。
“パシン”
スタンフォート公爵がアイリの頬を叩いた。
アイリは唖然とし、再度癇癪を起こした。
「いい加減にしないか!このものを外に連れ出すように」
と指示を出した。執事たちはアイリに両腕を押さえ込み、外に連れ出した。
「騒がしく、大変申し訳なかった。これから「キャーーーーーー」何が起こった」
執事が走り寄り、
「公爵様、誠に申し訳ございません。モンテスキュー侯爵令嬢が逃げようとし、手を振り解き、その後階段から落ちました」
「なんだって。チッ、最後まで迷惑なオンナだな。ある程度治療したら、モンテスキュー家に送れ。」
「完全治癒ではなくて良いのでしょうか」
「良いであろう。完全治癒はモンテスキュー家自身でやれば良かろう。そこまで面倒をみる必要はない」
「かしこまりました」
あちこちから
「階段から落ちたらしい」
「自業自得じゃない」
「お騒がせなやつだな」
「公爵様を怒らせてしまったから、誰も結婚したがらないだろうな」
「それこそ、自業自得さ」
これがアイリが起こしたことの顛末である。
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