卵の中身は?

一葵

イースター

グレーテル:「今日はイースターね。私たち黒魔法使い達には関係ないイベントだから興味無いけど。で、なんで卵の殻に絵を書いてるの?ヘンゼル?」



ヘンゼル:「えー、いいじゃん。形だけでもイースター楽しみたいじゃん?卵で遊んで、卵料理食べて、んでー、あとはー、」



グレーテル:「はいはいはい、わかったわかった。そうね、形だけでも楽しみたいわね。でも、退屈だわ。」



ヘンゼル:「なら、これ、絵の具で柄書いてよ。」



グレーテル:「いやよ。面倒臭い。今ある卵全部ヘンゼルが塗ればいいじゃない。」



ヘンゼル:「えー、もうネタ切れだよぉ、」



グレーテル:「知らないわよ。また同じの書けばいいじゃない。」



ヘンゼル:「ちぇっ。」



グレーテル:「退屈だなぁー、」



ヘンゼル:「まぁねぇ、……あ!ねぇ、グレーテル!」



グレーテル:「なによ。」



ヘンゼル:「グレーテルのお手製プリンが食べたいなぁー。」



グレーテル:「プリンね。いいわよ。イースターってことで作るってのは無しね。」



ヘンゼル:「えぇぇぇぇえ!!」



グレーテル:「煩(うるさ)いわね。わかったわよ。イースター料理のデザートとして作るわよ。」



ヘンゼル:「やったぁぁぁぁぁぁあ!」



グレーテル:「煩(うるさ)い!」



────────────────────



ダニー:「ねぇ、エディ。卵の中身とった?」



エディ:「とったよー!」



ダニー:「ならそれで料理作ろうよ!」



エディ:「いいね!んー、でも何作ろうか、卵料理でしょ?スクランブルエッグとか、オムレツとか、あとはプリン?」



ダニー:「プリンかぁ、いいね!じゃあさ、アンドリュー兄さんに作ってもらわない?」



エディ:「うん!そうしよう!」



アンドリュー:「ダニー、エディ、レモンスカッシュ持ってきたぞー、んー?どうしたー?」



ダニー&エディ:「やったぁ!」



エディ:「ねね、アンドリュー兄さん!」



アンドリュー:「ん?どうした?」



ダニー:「あのね、兄さんにプリン作って欲しいの!」



アンドリュー:「プリンか…いいぞ!そこの卵使ってプリンとエッグタルトでも作ってやろう!」



ダニー:「ねね、エッグタルト作ってくれるって!エディ。」



エディ:「エッグタルト大好き!」



アンドリュー:「そうかそうか!良かった良かった!よーしよしよし、卵に色塗り終わったら、おやつにしようか。」



ダニー&エディ:「うん!」



────────────────────



グレーテル:「…ふぅん、これをこうすればいいのね…」



ヘンゼル:「何してるの?グレーテル。」



グレーテル:「ん?あぁ、ジェリルシーにあげるタルトの作り方を調べてたの。」



ヘンゼル:「そっかそっか。この時期は、ジェリルシーの力が弱まるもんね。」



グレーテル:「そ。曲がりなりにも私たちの母であり、黒魔法の師匠だからね。」



ヘンゼル:「そうだね。」



グレーテル:「だから力が弱まらないように、特別なタルトを作るの。」



ヘンゼル:「んー…あ!ねね、グレーテル!」



グレーテル:「んー?なにー?」



ヘンゼル:「そのタルトってニンゲンが必要なんだよね。」



グレーテル:「そうよ。それがどうしたの?」



ヘンゼル:「そしたらさ、ニンゲンを捕まえるときにさ、そいつで遊ばない?」



グレーテル:「そうね。ただ回収するのはもったいないわね。」



ヘンゼル:「でしょ?」



グレーテル:「わかったわ。それで遊びましょ。」



ヘンゼル:「やったぁぁぁぁあ!」



グレーテル:「うるっさ。」



────────────────────



アンドリュー:「おーい、ふたりともー、できたぞー!」



ダニー:「できたって!行こうエディ!」



エディ:「うん!」



アンドリュー:「早く来ないと兄さんが全部食べちゃうぞー!」



ダニー&エディ:「やだぁぁぁぁあ!」



アンドリュー:「あはは!ほらできたぞ、仲良く分けて食べな。」



ダニー&エディ:「はぁい!」



エディ:「もぐもぐもぐ…タルトおいひいね!」



ダニー:「うん!もぐもぐ…ゴクンッ、こっちのプリンも美味しいよ!」



エディ:「後で食べるー!」



アンドリュー:「美味(うま)いか、美味(うま)いか。ふふん、作った甲斐が有るな。」



ダニー:「兄さんも食べないの?」



アンドリュー:「俺のは後で作るさ、先にお前たちが食べな?」



エディ:「はぁい!」



もぐもぐ…



エディ:「はぁあ、おいしかったぁー。」



ダニー:「おいしかったね!」



エディ:「兄さん、また今度タルトとプリン食べたいなぁ」



アンドリュー:「いいぞ。いつでも作ってやろう。」



ダニー&エディ:「やったぁ!」



アンドリュー:「さて、食べ終わったさらは全部片付けるぞ。」



ダニー&エディ:「はぁい!」



────────────────────



グレーテル:「あそこの兄弟を狙いましょ。」



ヘンゼル:「そうだね。あ、わぁ!卵が沢山!なんなら、兎(うさぎ)もいるじゃん!The イースターだね。はぁ、というか、白魔女とか白魔法使いが来ないか心配なんだけど…ま、仕留めれたらそれでいっか!」



グレーテル:「それでいっか!じゃないのよ。白魔女と白魔法使いが来ると厄介でしょ?だからさっさと済ませてしまいましょ?」



ヘンゼル:「そうだね!やっちゃお、やっちゃお!グレーテル、お先に行くね!」



グレーテル:「はぁ、ちゃんと話聞いてたのかしら…ま、いいわ…ヘンゼル!ちょっと待ちなさいよ。抜けがけは許さないから!」



ヘンゼル:「へへっ、僕に追いついてみろー!」



グレーテル:「ちょ、ちょっと早いわよ!んもぉ!」



────────────────────



ヘンゼル:「んんー。甘い匂いがするぅ。」



グレーテル:「はぁ、はぁ、はぁ、もう!スピード出しすぎ!追いかけるだけで疲れたわ…はぁ、」



ヘンゼル:「まぁまぁまぁ、これから楽しいことをするんだから許して?」



グレーテル:「まぁ、そうね、今回だけ許してあげる。さて、これから楽しいことしましょ。」



ヘンゼル:「うん!」



スタスタスタ…



ヘンゼル:「ねぇ、エドワードくん、お兄さんと遊ばない?」



エディ:「え?」



ドンッ



エディ:「う、うぅ、」



ドサッ




グレーテル:「ダニエル。突然だけど、私と遊びましょ?」



ダニー:「お姉さん誰?というか、知らない人とは遊んじゃダメって兄さんが…」



グレーテル:「お兄さんなんて今は関係ないわ。ほら、近くにおいで。遊びましょ?」



ダニー:「う、うん。」



グサッ



ダニー:「あ、あああ、」



ドサッ




ヘンゼル&グレーテル:「アンドリュー?」



アンドリュー:「ん?君たち誰だ?」



ヘンゼル:「君たちのアソビ相手だよ。」



アンドリュー:「遊び相手?」



グレーテル:「そう、アソビ相手。」



アンドリュー:「そんなの頼んだ覚えはない。さっさと帰ってくれ。」



ヘンゼル:「無理だよ。」



アンドリュー:「は?」



グレーテル:「私たちと遊ぶまで、ずーっと時は止まったままよ。」



アンドリュー:「え?なにをいってるんだ?」



ヘンゼル:「外を見てご覧よ。」



アンドリュー:「え、」



グレーテル:「そういうことだから、終わるまで、私たちが飽きるまで遊んでね?」



アンドリュー:「いやだね。何が悪い予感しかしないからな。」



ヘンゼル:「言うこと聞けないならオネンネだね。ひひっ」



アンドリュー:「なにっ!?」



ヒュン



ドンッ



アンドリュー:「かはっ、」



ドサッ



ヘンゼル&グレーテル:「ひひひひっ」



────────────────────



アンドリュー:「ゔ、ぅぅ、」



ヘンゼル:「あ、おはよぉー。君が起きないからもう始めちゃったよ。」



ダニー:「兄さん助けて…」



エディ:「あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」



グレーテル:「クスクスクスッ」



アンドリュー:「な、なんだこれは、」



ヘンゼル:「見ての通りだよ。あ、目を背けちゃダメだよ。そんなことするなら、逆トラバサミ、つけるからね。」



アンドリュー:「逆トラバサミ?」



ヘンゼル:「そ、トラバサミは挟むために作られてるでしょ?それを開くようにしただけ。それを付けて、僕が鍵をとったら、すぐさま開く。そんなおもちゃだよ!」



アンドリュー:「そんな残酷なもの、おもちゃなわけじゃないだろう!」



ヘンゼル:「ごちゃごちゃうるさいなぁ、そんなに言うならつけてあげるよ。よっこいしょ。はぁい、そうちゃーく。」



アンドリュー:「やめろ!やめろやめろやめ、ん゛ーーー!」



グレーテル:「ほら、よく見て、エドワード、ダニエル。お兄さんがなにかされてるわよ。」



ダニー:「え、」



エディ:「あ゛ゔ、ぅぅ」



ヘンゼル:「さーん、にー、いーち、ほら!」



アンドリュー:「ん!ん!ん゛ん゛ん゛ー!」



グチャ



アンドリュー:「…」



エディ:「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!」



ダニー:「うわぁぁぁぁぁぁぁん!」



ヘンゼル:「ひひひひひひっ!」



ダニー:「に、にいさん、にいさんが、」



グレーテル:「あらやだ、この子失禁してるわ。」



ヘンゼル:「あ、ほんとだー。よっぽど怖かったんだね。よーしよーし。」



ダニー:「う、う、うぅ、怖いよぉ…」



グレーテル:「ねぇ、ヘンゼル。」



ヘンゼル:「ん?なぁに?グレーテル。」



グレーテル:「そろそろ頭かち割らない?遊ぶの飽きてきちゃった。」



ヘンゼル:「僕もそろそろ飽きたかなぁー。」



エディ:「いやだ、やだ、こわい、やだ。」



ヘンゼル:「こわくなぁい、こわくなぁい。」



グレーテル:「お姉さんたちが着いてるわ。何も怖いものなんかないのよ?」



ダニー:「う、うぅ、こわい、こわいよぉ…」



グレーテル:「はぁ、しつこいわね。うるさいからさっさとやっちゃいましょ?」



ヘンゼル:「そうだね。」



ヘンゼル&グレーテル:「よいっしょ!」



ドンッ



ダニー:「…」



エディ:「…」



ヘンゼル:「わぁお、すごく綺麗に真ん中からぱっくりいったね。」



グレーテル:「そうね。」



ヘンゼル:「それじゃあ、子供の脳みそを持って帰ろうか。」



グレーテル:「あと、あれが作った残ってるプリンもいただいていきましょ。」



ヘンゼル:「やったぁ!おやつだぁー!」



グレーテル:「ふふふっ」



ヘンゼル:「それじゃあ、帰ろっか!」



グレーテル:「えぇ。」



ヘンゼル:「あ!逆トラバサミ!持って帰んないと、ジェリルシーから怒られちゃう!」



グレーテル:「はぁ、またあんた、黙って持ち出てきたのね。」



ヘンゼル:「ま、まぁね。」



グレーテル:「それ回収したら脳みそと一緒に持って帰るわよ。」



ヘンゼル:「へーい。」



ヘンゼル&グレーテル:「クスクスクスクスッ」



────────────────────



ガチャ



ヘンゼル&グレーテル:「ただいまー!」




Fin

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

卵の中身は? 一葵 @hina-poultry-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ