第31話 決戦☆夏祭りの準備!
校庭でも
その設営の陣頭指揮は
「会長! こちらの椅子はどちらに運べば良いでしょうか?(女生徒A)」
「重いのに運んでくれてありがとう。それは───」
「それは来賓用の椅子よ! 来賓席に運べばいいのよ!(女生徒B)」
「やっぱりそうよね。普通のパイプ椅子より少し良さそうだもの(女生徒C)」
「ワタシもこの椅子が良いデス。会長と一緒にこの椅子に座りたいですデス(女生徒D)」
「会長も来賓席に座られるんですか?(女生徒A)」
「え? え、ええ。いえ、違うわ。私は本部席に───」
「違うわよ! 会長は本部席に座られるのよ!(女生徒B)」
「会長はお祭りの実行委員長なんだから、本部席でお祭りの進行管理をされるのよ(女生徒C)」
「本当でスカ? ワタシも御姉様に管理されたいデス(女生徒D)」
「そ、そう。いえ、でも自分のことは自分で───」
「会長! 本部席はどちらに設営しますか?(女生徒A)」
「え? え、ええ。それならこの設営図を───」
「設営図を見ればわかるわよ! ほら! 本部席は入口の横よ!(女生徒B)」
「ここなら全体を見渡せるし、来場者の人数も把握できそうね(女生徒C)」
「ワタシも本部席に据わりたいデス。どうしたら本部席に座れますか?(女生徒D)」
「え? え、ええ。ごめんなさい。本部席には生徒会委員と───」
「ダメよ! 本部席には生徒会員と祭りの実行委員しか座れないんだから!(女生徒A)」
「実行委員は2年生にならないとなれないわよ! 1年生のうちは全員、祭りに参加して純粋に楽しんでもらいたいという学校側の配慮からよ!(女生徒B)」
「そうやってお祭りを思う存分楽しんだ方が、翌年、実行委員をやりたいと思う生徒が増えそうですもんね(女生徒C)」
「ワタシも実行委員になりたいデス。来年、絶対に立候補しますデス(女生徒D)」
静子の陣頭指揮っぷりをみて由佳と狗巻は苦笑したが、それでも周囲の学生たちは静子をリーダーに一致団結して設営準備を行っていた。
「由佳~。狗巻く~ん。おはよ~」
楓が大きなテントをひとりで運びながら手を振ってきた。
その様子を見て由佳が慌てて楓に注意を促した。
「ちょ、ちょっと楓。そんな重いテントをひとりで持ってたら、金剛力のことがバレちゃうわよっ」
楓はきょとんとした。
「え? そう? でもこれ、骨組みはアルミで軽量化されてるし、先生だってひとりで運んでるから大丈夫じゃない?」
楓が指さした先には筋骨隆々とした体育教師がいて、確かにひとりでテントを運んでいたが、重量挙げの選手が全力でバーベルを持ち上げているような形相だった。
「とにかく片手で小脇に抱えて、スタスタ歩くのはやめた方がいいよ。せめて両手で持ったらどう?」
由佳にそういわれて楓は、しぶしぶといった様子でテントを両手で持つことにした。
「よーっ。由佳と狗巻も今来たのかーっ?」
舞台の上から叡斗えいとが声を掛けてきた。
設営されたステージでは叡斗と
「遅くなってごめんね~っ。私たちもすぐに準備の手伝いをするわよ~っ」
由佳がそう返事をすると、叡斗は手を振って答えた。
岩倉と木野も由佳に軽く会釈をした。由佳も会釈を返して応えた。
「由佳ちゃん、狗巻、おはよう」
声を掛けてきたのは楓の兄・
「おはようございます!」
顕乗はバレー部の先輩なので、狗巻は体育会系のピリッとした態度で挨拶をした。
「顕乗さん、おはようございます。顕乗さんも朝から準備に来られてたんですね」
「もちろんだよ。今日ばかりはお祭りに専念しないとね。ワンフィールドも今日はお休みさ」
年中無休を掲げるワンフィールドも、夏祭り期間中はお休みしていた。
店の売り上げを日々細かくチェックし、金額の上下に一喜一憂する顕乗にとって、店を休むという機会ロスは、大きな痛手のはずだが、今日に関しては顕乗からはそのような憂いは一切感じず、とても嬉々としている様子だった。
「今日は凄い目玉イベントを企画してるんだよ。由佳ちゃんと狗巻も楽しみにしててよね」
顕乗は自信たっぷりで、鼻息も荒い様子だった。
顕乗は毎年、夏祭りで何かしらの特別イベントを行っていて、昨年は巨大脱出迷路を作って、祭客を大いに楽しませていた。
「そういえば顕乗さんは、今年は何をするんだろう…?」
由佳はふと疑問に思ったが、顕乗の自信たっぷりの様子から、それが何であるかとても楽しみになった。
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夏祭りっていくつになってもワクワクしますよね♪
私の小説を読んでいただきまして、本当にありがとうございました。
皆さまに「面白い!」と思っていただけるよう頑張ります୧(˃◡˂)୨
ご意見ご感想などいただけますと嬉しいです!
宜しくお願い致します~!
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