第15話 容疑者④ 市原 楓
次なる容疑者は
「楓が年上の男の子を投げ飛ばしたのは、本当に凄かった……」
しかし、
由佳は楓とすぐに親しくなった。
神様が《視える》由佳は
由佳が入学してからは毎日欠かさず苗蘇神社にお参りに来るので、毎朝神社を掃除をしていた楓にとっては、とても励みになった。
また、楓にとって、同年代の女子で社寺仏閣に関わる話題で盛り上がれるのは由佳だけだった。
そうした親近感が楓の中で大きく成長し、恋について敏感な青春期に、感情が混ざりあって恋心にまで昇華してしまったのではないか。
「……すごい。私、こんなこと考えるなんて、推理探偵みたい……」
由佳は我ながら難しいことを考えたことに驚いた。
さらに楓が1万円のお賽銭を入れるかどうかについては、楓がお賽銭箱の中身を定期的に回収する担当だったので───中身はほとんど入っていないが───自分で1万円を入れて、自分で回収することが可能だった。
「おい。由佳」
それであれば「一時的」に1万円をお賽銭箱に入れたという可能性もなくはない。
「……これは
由佳はまたしても眉間にしわを寄せて、うむむ…と唸った。
ここまで
どの人物も可能性はあったが、しかし決定的な証拠はなく、決め手には欠けていた。
「おい。由佳」
しかし由佳に焦りはなかった。
何故なら由佳は「おなじくくらすのきふねゆかにじぶんのおもいがとどきますように」という願いを聞いた時から、ある人物が犯人ではないかと真っ先に思っていたからだった。
「おーい。由佳」
由佳はいよいよその人物の考察に取り掛かることにした。
その人物こそは───
「おいっ。由佳っ。大丈夫かっ?」
「ふぇっ?!」
由佳はまたしても素っ頓狂すっとんきょうな声をあげてしまった。
由佳が目を開けると目の前に高校生の男子がいて、自分の顔を覗き込んでいた。
「険しい顔して、なにブツブツと独り言いってるんだ?」
由佳が一番怪しいと思っている犯人、
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楓は黒髪のポニテです。(๑•̀ㅂ•́)و✧
ポニテの眼鏡っ娘ですが、神事の時は眼鏡をコンタクトにし、髪をおろします。
因みに楓は赤袴ははきますが、巫女ではありません。あくまで出仕(見習い)です。
ないので神楽も舞いません。
そんな設定でおります♪
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