この世は忍土〝まさか〟が起こる世界

そして直接隣室に文句を云いに行っていくらドアを叩いても居留守を使うか、偶に出たかと思うとそれは此奴らストーカーどもではなく、そこを(親分か不動産を介して)此奴らに又貸しをしている、普段はそこに居ないが依頼されて一時そこに戻って来ている、本来の部屋の借主が出て来て「知らぬ存ぜぬ」を云うのである。

 斯様に左様に、世間では公然たる秘密事と云うか、口外することを暗黙の内にタブーとされている霊視の悪さをも合わせて、私以外にもパターンこそ違え、同様なる格差の暴力を被っている人々がいる筈だ。〝人を眠らせない〟ということを筆頭に、人間扱いされないことに対し、云うに云えないくやしさを込めて私はこの小説を書くし、しかしまたそれに止まらず、この不合理と矛盾、嗜虐をも超えて、別なる次元の高みに、被虐者の方々と共に手を携えて越えたいと思う次第である。「この世は忍土」「この世は思いもしないような〝まさか〟が起こる世界」と腹に収めて、しかしそれに呑み込まれずに、人間としての本懐を遂げたいと思う次第です。


(※霊視について;霊視がすべて悪だと云っている分けではありません。生まれ付きのものであり本人の選択如何というものではないのです。これは女性のみならず男性の幾許かにも存在する能力ですが数は女性と比べて圧倒的に少ないようです。女性に多い分けは女性が懐妊・出産をするからで、ひとつの身体に母本人と子供の魂の二つが宿ることになり、これが自ずと四次元的な感作能力を及ぼすに至るのでしょう。ともかく、この霊視を〝悪用する者ども〟に、そもそもなる人間的な失陥があるということです)

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