第5話 甘やかされて来た末路に…

チューリア家


ミリティア王国•王都ミリティア

そこに代々使える公爵家の一族

それがチューリア家だ


父の名前は「アイオ•チューリア」

母の名前は「メフィナ•チューリア」


その長男として産まれたのが「クロウ•チューリア」だ


赤い髪の毛の赤ちゃんとして今は生活しているが、学園編のクロウはその姿が見る影もない


デブでブサイクで背が小さく、汗っかきで体臭がキツく、口癖が「ブヒヒ」

そして必要以上に女子達にちょっかいをかけて気持ち悪い事を卒業(断罪)までずっとしていた為周りから1番嫌われていた


何故そんな風に育ってしまったのか…0歳児の自分でも分かる「両親」だ


「可愛いなぁクロウは、お前の為なら何でもしてやるぞ~」


「あらあら、パパは優しいですねぇ~」


(…まぁゲームの中でも"パパに言いつけるぞ!"みたいな事言ってたもんなぁ)


学園編のクロウは兎に角うざい

「ぼくちんのパパは公爵なんだぞ!公爵より下のお前達はぼくちんの言う事を聞くんだぞ!」


と、虎の威を借る狐親の権力を借りるクズの様な事を兎に角言う、今作の主人公は平民な為、彼に逆らえず、文句も言えない立場なだけに毎回毎回プレイヤーに「殺してぇ」と思わせて来た


(まぁ最終的にはヒロイン達に滅茶苦茶にされるんだけどなぁ…暴力的な意味で)


親が揉み消せるのにも限界はある、それを超えてしまい、更に国王の娘にも手を出してしまった為、国王の逆鱗に触れ、勘当&追放、自業自得としか言いようがない


(赤ちゃん…一人息子、跡継ぎ、初めての自分達の子供だからと言う理由もあるけど、赤ちゃんの俺でここまで溺愛するなんてな…)


まぁ普通に考えて(普通に考えなくても良いけど…)自分の子供を愛するの当然だと思う

(実際はそうではないけど)


「所で、なんで今日は来てくれたんだ?」


「なんでって…貴方最近仕事ばっかで疲れているでしょ?だからほら」


「あう?」


「元気出してパパ♪」


メフィナは自分をアイオに渡して抱っこさせる、どうやらメフィナなりの気遣いの様だ

夫が仕事で疲れている為、少しでも良いから和ませたいのだろう


「あうあああうう」


「クロウ…メフィナ…ありがとう、愛してるよ」


自分達の為に頑張っているんだ、何も出来ない自分がこの程度の事で役に立つと言うのなら喜んでやろう


(俺はクズだが、両親は関係ない勘当だって最後の最後だし家を守る為には仕方のない事だ)


辺境の地で惨めに暮らしたと言う話も「死んではいない」と言う事を指している

本来なら死んでもおかしくないのに生きているって言う事はそう言った事にならない様に必要最低限の支援があるかも知れない


そう考えると自分がどれ程他人の想いを踏み躙って来たのかがよく分かる


(とは言え、厳密にはゲームの世界のクロウであってこの世界の俺はまだそんな事はしていない)


だけど彼女達との絆を主人公が深める為にはクロウと言う悪が必要だ、魔王の話が出て来るのは学園編の最後の方、主人公が選ばれし勇者だと言う事が分かる時だ、その時になって初めて自分のやって来た事が必要だったのか、不必要だったのかが分かる


(…父さん、母さん、ごめん、なるべく家に迷惑がかからない様に努力するから)


「可愛いなぁ…この子の為にももっと頑張らないとなぁ」


「そうねぇこの子が幸せに暮らしていける様に愛情をたっぷりと注いであげるからねぇ」


「あうあう…ああうう」


物凄く心に突き刺さる、今すぐにでも未来改編の為に奔走する悪役転生主人公になりたい、けれど…正直に言って


…魔王を倒す為に旅に出るとか嫌だし、ずっと家でごろごろしてたい身としては学園編で活躍は絶対にしたくない


絶対に面倒な事になるし、ヒロインキャラと交流を持って仕舞えば絶対に巻き込まれる


だからこそ「関わりたくない」と思われる事をするしかないのだ

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アイオ•チューリア

をpixivにて投稿します。

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