第44話貴方の首絞めたら私がタクちゃんの最後の女に為る

明美を愛しているだけで良かったのにママ不在のスナックは自由な国アメリカのような空気が流れカウンターレディに可能性を齎す時間が、来店後3時間・・・。


「この後、どうする?メシでも食いに行くか?」


簡単なやり取りだけで女を抱けた。


 山科へ帰ってしまった明花の持論、博愛主義というやつをこちらも貫き、女から女へとミツバチの様に渡り歩く僕はジゴロでも何でも無いただのサラリーマンだった。


 ホテルのバスルームで泣くだけ泣いて、ベッドルームへ出て来た明美は憑き物が落ちた様な真顔をして僕を求め僕の待つベッドへ横たわった。


「明美ちゃんだけ観ているからね。」


「そうよ私だけを観て?ちゃんと観なさい!」


真剣な眼差しが僕を綱抜く!

 愛する女とは誰か、心の拠り所が誰なのか理解して明美を抱いた。


 事が終わって僕の鼻の頭をつんつんと突いた明美が愛しかった。


 そして留めの一言・・・。


「私がタクちゃんを殺したら私がタクちゃんの最後の女に為るのね?」


そう言われてどれだけ愛されて居るか、計り知れない男が居たら表彰状ものだ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る