第26話晴れ着の学生、驚く!
しかし、いつも通りとはいえもう少し規律を持って動いてくれないかな?
新社会人に為る学生の卒業式なのだから大人として、観ていて恥ずかしい!
その中には早朝の椅子取りゲームを傍観している学生の間隙に見慣れた瞳と唇を着けた女が此方を観ていた。
「あの時のあの感情には性欲等は無かったが、相手に愛しい感情のオーラが揺らめき合っていたと思う。
明花でなくとも愛せた・・・。
次に出逢った時は、1月末の事だった。
午前6時5分新開地発、梅田行き特急の車輌内は、元町行普通の列車からミサイルの様に飛び出した乗客が我先にと、発車待ちのその特急目掛けて走る!
早朝のそれも始発ならではの光景に通勤客が我も我もと、空座席の奪い合いで騒然としていたが、そんな事は無縁な学生が晴れ着を纏い驚いた表情を見せていた。
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