第4話 初デートその2 「ーーー・ー 、 ー・ー・・」
そごうのすぐ近くには市民球場があり、さらに進むと中央公園。今日は晴れているから、子供連れの親子も多い。
その中央公園の一角に、プラネタリウムがある。
・・・隣には夏限定の市民プールもある。
中学生までは水泳部だったから、どっちかというとプールとか海の方が得意分野なんだけど?
来年は一緒に行けるかなあ?
「カナー、夏にプールとか行ったりする?」
「うち山より海派! 夏になったら行こうか?」
よっし ありがとうゴザイマス!
「サクラも一緒に行ったらいいんじゃない?」
げ。それは・・・
「サクラ」は、僕の中学校時代のカノジョの親友だ。
で、カナとは今同級生。
「始まりの日」の夕方に、カナと一緒にいたのもサクラだ。
その彼女とは入学して5月には連絡がとれなくなるという、フェードアウトなお別れをしてたんだけど、サクラは当然そことも繋がりがある。カナはそんなことまで知らない。
というか、サクラには口止めした。
「イワナイヨー」とは言ってたけど・・・信用ならん。
あの顔はぜったい何か良からぬことを企んで「それより早く入ろうよ?」
「・・・そーだった。えと、プラネタリウムの時間は・・・あと30分はあるな」
「じゃあ中で色々見たらいいじゃん。行こ!」
1Fは色んな実験道具があり、体験的に科学に触れられる。二人ともこーいうのは大好きだし、片っ端からいじり回し始める。
お。モールス信号機がある。
「カナー、そっち行ってみてー」
「わかったー」
えーと・・・何を打とう?
・・・よし。
「ーーー・ー 、 ー・ー・・」
「えー? わからんー」
「じゃあそっちから打ってみーよ」
「えー、じゃあいくよー?」
「ーーー、#&@!?×0%#&+?????」
「いやわからんムリ」
「だよねー。なんて打ったん?」
「教えん」
「えーなんでー」
「カナは?」
「ウチも教えんー」
後で聞いたら、二人とも一緒だった。
言い出すのに5分ほど時間とジャンケンを要しましたが。
いやだって直接言うのはこう、なんというか照れるし。
そんなこんなしていたら、プラネタリウム開園の時間に。プラネタリウムの席は上を見上げるため、少し背もたれが倒れている。
二人横に並んで人工の星空を見上げる。
いつか、二人でゆっくり本当の星空を見れる日が来るかな。
「キレイだったねー」
「うん。てか、これからどーする?」
「時間的にはお昼だよね。食べに行こうか?」
「俺、店知らんよ?好き嫌いはあんまりないけど」
「それじゃ、オススメのとこ行こうか!」
・・・セーフ! お店探そうといわれてたらやばかった。
でもどこに行くん?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます