第2話 失われたボール
次の朝、スイちゃんとその友達はいつもの場所で集まりましたが、何かがおかしいことにすぐに気づきました。ゲートボール用の特別なボールがなくなっていたのです。
「ボールが見つからないよ!」ゴローが心配そうに言いました。みんなで探し始めたが、どこにもボールは見つからない。
「どうしよう…今日もみんなでゲートボールをする予定だったのに。」スイちゃんが落胆し、キキが提案しました。「みんなで森をくまなく探してみよう。きっとどこかにあるはずだよ!」
そう決めた一行は、グループに分かれて森の中を探し始めました。スイちゃんとミミちゃんは川の方へ、ゴローとキキは木々の間を、タクは高い木の上から探しました。
探索中、スイちゃんたちは森の他の住人たちにも出会いました。フクロウのオルウィンに聞いてみると、「夜、小さな影が何かを転がしていくのを見たよ。その方向に行ってみたら?」との情報を得ました。
オルウィンの言葉に従い、スイちゃんとミミちゃんは小川の近くへと向かいました。すると、そこにはボールを見つめる小さなタヌキの子、タヌたんがいました。
「そのボール、僕たちのものかもしれないけど、どうしたの?」スイちゃんが優しく尋ねました。タヌたんは驚いた顔をした後、恥ずかしそうに話し始めました。「ごめんなさい、ボールが転がってきて、遊んでみたんだ。楽しかったから、つい…」
スイちゃんは笑って、「大丈夫だよ、ゲートボールってすごく楽しいからね。一緒に遊ぶ?」と提案しました。タヌたんは喜んでそれに応じ、みんなでボールを持ち帰りました。
森の中央で再びゲートボールを始めると、タヌたんも加わり新しい友情が芽生えました。遊びを通じて、スイちゃんたちはまた一つ、大切な教訓を学びました。遊びも大事だけど、それを共有することでさらに価値が生まれるのです。
夕方になると、タヌたんは「また遊びに来ていいかな?」と聞きました。スイちゃんとみんなは大きくうなずき、「いつでも歓迎だよ!」と笑顔で答えました。そうして、その日も星が輝く空の下、新たな友情を確認しながら家路についたのでした。
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