色々おかしい赤ずきん
お砂糖キビ
第1話 異世界転生
俺は鈴木光一、高校2年生だ。
友達と呼べる人も少ない、いや1人しか居ない。
井上りさ、誰とも話さない俺に声をかけてくれた、女神のような存在だ。
井上さんはいつも他の男子に人気で、俺が井上さんと話していると、めっっっっちゃ睨まれる。
まあそんぐらい井上さんは美少女ってことだ。
そんな睨まれ続ける生活を送っていたある日のことだった。
登校中、横断歩道を渡っていたその時だった。
隣から悲鳴が聞こえる。その直後「逃げろ!突っ込んでくる!」という叫び声が響いた
居眠り運転のトラックが、ガードレールにぶつかりながら突っ込んできていた。
運転手も気づいてようでブレーキをかけたようだが、間に合わない、そう確信すると
体が勝手に井上さんの方に動く。
「避けて、井上さん!!!」
そう言って俺は井上さんに抱きつく。
目を開けると、俺は横になっていた。井上も隣に居た。
「…鈴木くん?」
「井上…さん…ごめん」
「大丈夫、きっと大丈夫、だから」
そう言って井上さんは意識がなくなった。
井上さんはこんな事になっても俺を許してくれた。本当に優しい。
来世もこんな優しい人に会えたら…
そんな事を考えていると意識が遠のく。信号が青だから渡ったのに、
なのにトラックに跳ねられた。こんなんで俺の人生、終わるのか…
「…くん、鈴木くん!起きて!!!」
「…井上、さん?」
あれ?俺いまトラックに、ん?
ええ?
「鈴木くんってば!!大丈夫?なんか私たち、金色の空間に飛ばされてるんだけど」
「え?」
「ほら、あの…あれよ!ウルトラ○ンの変身するとこみたいな!」
そう言われて起き上がると確かにそうだ。
「あれか?死にかけてるから助けてやるよみたいな感じで
ウルトラ○ンがくるんだよ井上さん。きっとそうだ!俺たち生き返れる!」
「やったーー!!!!
…じゃないのよ!!どうすんのよ!ウルトラ○ン来ないじゃない!
ここ天国じゃないの?!鈴木くん!」
「まあそう慌てるでない。若き者よ」
え?誰?まじ誰?
「鈴木くん。あのお爺さん誰?」
「わしか?わしは神じゃ。」
「鈴木よ、親友を庇うとは優しいではないか。残念ながら2人共死んでしもうたが…
そんなおぬしらに朗報じゃ!赤ずきんの世界に転生させてやろう
あの世界には法律なんて厳しいもんはありゃせん。
好きに畑を作って、家作って、んでおまけに…いやまあ色々作れるんじゃよ
ということで説明終わり!わしはちょっとやることがある
存分に楽しむがいいぞ?フォッフォッフォッフォッフォ」
「井上さん?これ、どうしよう」
「鈴木くん、体が、消えて…いやあああ死んじゃうう」
「大丈夫だよ井上さん!もう死んでるから!もう死なないと思う」
「「うわああああ!!!」」
目が覚めると、そこは森だった。
「井上さん、森だね」
「小鳥が可愛いわね」
「じゃなくてどうしよう井上さん」
「と、とりあえず転生したのか確かめなきゃ!」
「服は…」
「「…………」」
うわあああああああ!!!!
なんで?なんで井上さんがメイド服着てるの?
なんで俺は騎士なの?え?なんで?
「実はのう、設定を色々間違えてしまっての…この世界にRPGと脳筋の要素が
混ざってしまったのじゃ」
「つまり装備が必要だから俺たちに初期防具をつけたと?」
「そうじゃ。」
「…で?なんで初期装備メイド服なのよ?」
「いやあ、そっちの方が鈴木も喜ぶかと思ったのじゃが…」
「鈴木くんそんな事ないわよね?」
「…はい」
「そうなのか?じゃあお詫びになんでも願い事を叶えてやろうではないか」
「鈴木くん、わかってるわね。」
「うん。井上さん、一緒に行くよ?せーの」
「「神様も仲間になる!!!!!」」
「なかなか面白い願い事じゃの…えっ?わし?!わしが仲間に???
いや流石にできぬぞ」
「でもなんでもって…」
「何か他に無いのかの?」
「じゃあ、せーの!」
「「神様が仲間になって男の子になる!」」
「なんでそうなるのじゃああああ」
ドサッ
「僕は…僕はどうなった。ここは、まさか…!」
「神様っ!これで仲間ですねっ!私嬉しいです!」
「なんで?なんで?」
「神様もこうなった以上俺たちと冒険してもらいますからね!」
「嫌だ、頼むからそれだけは!」
「さあ街を探しましょーーー!」
「みんなで冒険!」
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