04 カヴェナンター
ウィンスビーで勝利したものの、チャールズ一世を擁する
さらには、イングランド西部を制圧しつつあるプリンス・ルパートの存在もあり、
「ではイングランド北部よりさらに北、スコットランドと結んではどうか」
ピムはその優れた財政手腕から、国王へのたび重なる抗議行動にもかかわらず、国王領の収入役を罷免されなかったほどの
その凄まじい財政手腕は、
「
ピムお得意の、脅威をちらつかせるやり方に、
同時にそれは、スコットランドに対しても脅威をちらつかせていた。
当時――スコットランドは
この組織に属する人たちを、称して
「イングランド
こうしてピムは一六四三年九月二十五日、
ピムは癌に冒されていて、その死期を悟った上での行動だったのかもしれない。
*
「『厳粛な同盟と契約』に基づき、われらスコットランド
明けて一六四四年一月、スコットランドより、リーヴェン伯アレクサンダー・レズリーおよび甥のデイヴィッド・レズリーがイングランド北部へと兵を進めた。
「スコットランドがやって来ただと!?」
ニューカッスル候(伯爵から侯爵に叙爵された)ウィリアム・キャヴェンディッシュは、北からのスコットランド
当然ながら
結果――
「リーヴェン伯、憂慮すべき事態です」
「一体なんだと言うのかね」
ヨーク郊外、
そのことに、アレクサンダーとデイヴィッドの二人のレズリーは、事態の暗転を悟った。
ちなみにこの叔父と甥は、スウェーデン王グスタフ・アドルフに従って三十年戦争を戦い、「傭兵王」ヴァレンシュタインに一泡吹かせたこともある
重苦しい沈黙の中、デイヴィッドが口を開いた。
「……もしかして、
「さよう」
クロムウェルは目を
ヨークの危機を重く見たチャールズ一世は、虎の子である
ルパートの打倒を期するクロムウェルであるが、それにとらわれることはなかった。
それゆえにこそ、
アレクサンダーはそのクロムウェルの胸中を悟った。
「……撤退だな」
アレクサンダーがヴァレンシュタインに一泡吹かせた戦い――シュトラールズント攻囲戦は、シュトラールズントを包囲するヴァレンシュタインに対し、アレクサンダーが突撃をしかけ、ヴァレンシュタインを
クロムウェルはそれを知っていて、アレクサンダーに会いに来たのだ。
アレクサンダーはそのクロムウェルの慧眼と配慮を悟り、敢えて哄笑した。
「さすがに、わし自身がやったことを他人にやられて、気持ちのよいものではないわ」
こうしてプリンス・ルパートがヨークに到着したとほぼ同時に、
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