第2話

 まずだいたいの事情はきみも知っての通りだ。僕は今、便宜上彼女を必要としている。

もちろん、精神的にも。だからきみじゃない誰かを探そうとした。それは初めての事ではない。

 とりあえず誰かと付き合って、少ししたらうまく別れたら良い。そう考えていた。

 けれど実際そうなったらどうだろう。僕はすっかりその相手を好きになってしまわないだろうか?そしてきみは案外悲しくなりはしないだろうか?

 それでもきみが今までみたいに余裕綽々に見えたら嫌だった。どうせまた僕が傷つくだけだ。

 けれどきみは辛いと言って来た。

 だからまた、きみを彼女にしたいと思った。


 条件としては、僕が時間と金をどうにかしてふたりの時間を作った時はヤらせる事、それだけだ。ヤリもしねーで会いたくねーよ。

 どうせそう頻繁に会う事は出来ないんだし。

 他の事を全部譲歩するのは慣れた。

 慣れと言うのは怖ろしいもんで、あんなに色々あった不満はもうない。それでもヤらせてもらえなかったら溜まる。僕の不満は今や鬱屈した性欲で、ちんこから出たらあとは穏やかな賢者タイムだ。

 なんでもいーよ。だからヤらせろ。わかったかコンチクショー。

 その労働条件さえ満たしてくれたら僕は果てしなくきみを心配して、助けるよ。

 僕の事は僕でやる。片付ける。

 考えてみればきみは僕がお願いした事を断らなかった。それは今も。

 だけどお互いいちばんの本音はまだ頑なに押し付け合っている。

 そのうち手でも繋いで歩けば、あるいは眠みいのか?寝てもいーよーで一緒に居られる様に。

 少しずつ崩す試みをしてみないか?

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