第7話 ランクアップ
ダンジョンの1階に戻ってきた俺たちはすぐにダンジョン管理局へとやってきた。
「約束の時間よりも15分程早く戻りましたよ!」
「本当に1時間で帰ってきたんですね。なんだか常識が崩れていく音がします。皆さん無事ですか?」
「1人怪我をしていたので応急処置だけ済ませておきました。3人とも今頃は救護室で休んでいると思います。」
「何から何までありがとうございます。松林さんがいなければあの人たちは助からなかったかもしれません。」
いや隠密能力の高い子1人だけなら余裕で助かっただろうけどな。俺でもすぐに見つけることができなかったからな。
「それよりもランクアップの件どうなってますか?」
「そちらの準備は問題なく進めております。明日にはCランクの登録証をお渡しできます。とりあえず今日は救助報酬の50万円だけお渡しさせていただきます。」
報酬あったんだラッキー。今日はダンジョンに潜らないでもいいな。今日の所は帰っておダンジョンに潜るとするか。武器折角作ったのに使わないのはもったいないからな。
「今日の所は報酬も貰ったことですしダンジョンには潜らずに帰ります。明日、今日と同じ時間に来ようと思いますので登録証の方だけお願いします。」
「もちろんです。お待ちしております。」
帰る前に今日助けた三人に挨拶をしていこう。
「怪我の方は大丈夫でしたか?」
「さっきの---助けてもらったのに名前すら聞かないで、どうやってお礼をしたらいいか後悔していたの。私は仙道 麻衣。今回の事本当にありがとう。」
「お礼はダンジョン協会から報酬で貰ったので気にしなくていいですよ。それにしてもあんな高度な隠密能力があってなぜ致命傷を負ったんですか?」
「説明すると少し長くなるんだけど、結論を言うと見破られたからね。私のジョブはインビジブルといって透明人間と同じような事が出来るんだけど、触れられたら終わりなわけ。あの時は一本道で道の両方から魔物がきたせいで避けきれず、私たちを逃がすために香澄が自ら透明化を解除しておとりになったわけ。それで攻撃をよけきれずくらってしまったの。残った私たちで背後から奇襲して魔物は倒したんだけどその後は動くに動けずスキルを使用して助けを待つ状況が出来上がった感じ。」
この話から察するに透明になり奇襲を仕掛けるばかりで多対戦の経験がないのだろう。せっかくの能力も宝の持ち腐れだな。まぁ命が掛かっているんだそのくらいの安全マージンは必要か。
「せっかくの能力がもったいないですね。ジョブ名鑑にも載っていない珍しいものなのに。あの二人の能力は知りませんがあなたのジョブは最強ジョブの一つといっても過言ではないと思います。もっと経験を積めばSランクも夢じゃないと思いますけどね。」
「それはSランクの牧田 愛香さんにも言われたわ。でもあの二人はずっと探索者を一緒にやってきた仲間だから置いてはいけないわ。」
さすが愛香さんよくわかっている。俺ならばこの能力有効活用してやれるんだが…
まぁ今後どこかでそんな機会もあるだろう。
「おせっかいかもしれませんが一つだけアドバイスがあります。その能力はしばらく封印して通常の狩りを行った方が良いと思います。今回の件俺が思うに奇襲になれ過ぎて不意のピンチにすぐ行動を起こせなかった経験の無さが原因です。慎重に動くだけでなくピンチにも慣れておかないと今後必ず死人が出ます。」
「その通りね色々と試してみるわ。でもあなた私たちに気付いたよね。あれ何?触れられるまで気付かれることは絶対にないと思っていたのだけれど。」
「それは俺のジョブに関わることですので今は控えさせていただきます。」
「ケチねまぁいいわ。もう帰るんでしょう?今度良ければ一緒にダンジョンに潜りましょう。」
あとの二人にも軽く挨拶をして帰路に就いた。
「それにしても千葉は綺麗な人が多いなぁ。あんな綺麗なお姉さんをカノジョにできれば楽しいだろうなぁ。」
家に帰った俺はダンジョンに潜って明日のランクアップに向け準備を進めていた。
「さて何が売れそうかな。オークションに流す品を見極めないとな。とりあえずこれだな」
そうして手に取ったのは1500階層のドロップ品であるSSS級アイテムである___【賢者の水】効果は総MP倍加と破格のアイテムだ。魔法使いにとっては喉から手が出るほど欲しいものだろう。俺の予想では1億はくだらないのではと思っている。あんまり数を出すとおかしなことになりそうなのでこの【賢者の水】を含めた3つのアイテムを売ってみよう。残りの二つは500階層付近で入手したものだ。
Aランク【魔法のローブ】身に着けている間、魔法攻撃力と魔法守備力のアップ小
Bランク【雷剣】雷をまとった剣であり触れると一定確立で麻痺を引き起こす。
全部使えるものばかり選んでやったぞ世界よいっぱい金を出してくれよ?
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